12.形而上学その3:存在とは何か?
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \
/ ⌒ ⌒ \ )
/ (>) (●)ヽ さて「存在」とは何かですが…
| // 、__',_, // | =3
\ ,/ そうですね、具体例として「今からみんなで食べるカレー」を存在させてみましょう!
⊂ヽ γ ヽ
i !l ノ ノ ! これからカレーを作ります!材料は用意してあります!
⊂cノ´
.
. -─‐- 、
/ \
/ ̄  ̄ ヽ. カレーの基本はチキンカレー!
/ > < ハ,4L_
: (_ , 、 _) ノ / インド人は牛とか豚食べないし
ゝ. `ー' _ < /
>,ー一 "" ,/ お相撲さんは「手をつかない」ってゲン担ぎで
, <´ / /
1 _ イ | 鳥を多く食べるんだお!
 ̄_i ∧
.´ `ー-.
i r‐- -‐、 i
ゝ、_i `ー─一'
.
.(⌒⌒⌒)
| |
| |
/ ̄ ̄\
ノ \_ \
|\ (●)(● ). | 料理といえば俺の出番だろAA的に考えて
| \ (_人__) |./|
.\ \ (`⌒´ / |
.\ \ { / .|
.\ \ { / /
. ̄ ̄\._ヽ / ./
E /\ ./
/ / ヨ/ \/
( ヽノ/ ヽ_)
 ̄ | |
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ \
| ( ●) (●)| うちでカレーといえば鶏・玉ねぎ・トマト缶にカレー粉であっさりにすることが多いな。
| (__人__) |
| ` ⌒´ | インドでも定番のカレーベースだ。
| }
ヽ } だが問題がある。
ヽ ノ
/ \
| |
| | | |
(  ̄ヽ / ̄)
____ (((_| ̄\ ,,―)))‐‐、__
\ \ ̄ ̄ ̄\ | | \ \ \
\ \ \| \| ̄ ̄ ̄|\ \
\ \  ̄ ̄ ̄ \ \
\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/⌒ ⌒ \ ,'⌒i
/ (○ )liiil(○ ) u \ ⊂' ! まさか米が無いとか!?
| (__人__) | | |
\.u |r‐- l / | | やる夫はナンよりもライス派だお!
/ `ー'´ ,- 、  ̄ ̄ |
| (____ノ .ノ ____/
ヽ _つ /
/ `ー─── ' /
ノ (
/ \
/ /´`\. \
/ / `> i
,/ /´ / /
ノ / 丶______`)
(´______/  ̄  ̄´
.
<いや米は有る。炊飯器は5合炊きだから大の男が4人でギリギリだけどな。やる夫が準備してくれ。で、問題だが
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 玉ねぎはあまり炒めないほうが俺は好きなんだよな。飴色とかめんどいし。
. | (__人__).
| ` ⌒´ノ やる夫はどんな玉ねぎをカレーに入れたい?
. | }
. ヽ ノ
_、,,_,,...ii' !;<'-、`;:、 ' '., ,' '、
r'_ ヽ. ||`'- ..,__ ` )\ヽl ', ) ヽ'
. i´ ヽ,,_ ', !! _,,`ニ'---`-',| ', ':, ':., ,
,' '、ヽ;.!'‐''´ | .', ;_,,... -'----、'
. ,' ,iヽ! |, ', _,.-‐'´ .',
/ /-':i . |. ', _,.-'´ |
/ ,'、`ー! |. ', ,-'ニr'‐' ,'
,' .,' ',. ', .| ヽ __,.r' .i.l´ ,:'
. i / ヽ. ', .| `"''―‐'l.i.l.|ヽ', ヽ ,. '
/ く. i'., l ヽ!_ '_ ,.-'-' .,_ _,. ‐'´
. ,'. `:、 i,'、 !'i‐―'''"´ ̄ ´.` `'‐---‐''"
.
.
( ⌒ )
γ⌒ ⌒ヽ
ゝ ノ ポッポー
| l |
____
/ \
/ 一 ノ ゝー ヽ
/ (●) }lil{ (●) ', どうでもいいわそんなん!
__| ノ( (__人__) |
(´ .\ ⌒ | / / やる夫は米炊くのに忙しいから適当に炒めて入れとけ!
``゙''ー、 >ー- `´ --‐ '’
} ヘ
.{ j、 }
} :! `ー' ペシッ!!
/ / ヽ } |l!il|
( / ヽ ! γ `゚´ ヽ て
`ー' `ー' {_米袋jzz, て
) て
ゝ⌒ ヘ/⌒ヽて
n
l^l.| | /)
| U レ'//)
___ ノ /
/ ⌒ ⌒\ rニ |
/ (⌒) (⌒)\ ヽ / インド風にするときは玉ねぎの甘味とか引き出す必要ないですしね。
/ /// ___´___ ///\ / ` /
| `Y⌒y'´ | / さて、ここで問題です。
\. ゙ー ′ ,/ /
/⌒ヽ ー‐ ィ /
/ rー'ゝ /
/,ノヾ ,> イ
| ヽ〆 |
___
/ \
iニーヽ /─ ─ \ 問題?ノリからするとプロブレムじゃなくてクイズかな?
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) u |
⊂ ヽ∩ `ー´ _/
'、_ \ )
\ \ / /|
|\ ヽ / |
____
/ ノ \\
/ (●) (●)\ いえ、ある意味大問題ですよ。
/ u ___'__ \
| `ー'´ | 今からカレーに玉ねぎを入れるわけで、玉ねぎはそこに存在しますが
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
/ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / /
____
/ ノ_ ヽ,, \
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧ 玉ねぎを入れる「カレー」のほうは存在しているでしょうか?
/ ___'__ \
| |r┬| |
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
/ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / /
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
) とんちかよ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ カレーなら今やらない夫が作ってるやつだお
/⌒(__人__)⌒ \
| ) ) u. |
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
.
_,. -―- 、
「 ̄X x X\ ♪
|X ,. X x \ ♪
| / ノ \ \i ヽ
| X | (●)(●) | X } )) まだスパイスを炒める段階だけどな!
| | (__人__) | x /
| x | ` ⌒´ | / どうせ米が炊けるまで食えないんだし
\. | }x./ ノノ
/. ヽ }< ♪ じっくり作るぜ!
_ >‐//ヽ ノ 」
/ i | | i / .| |  ̄ \
r┤ | | | ` ̄ ̄´ l | ヽ
」 l |. | | | | /
. / l | ⊥L _____|_| / i
/ __ .| / Q___ Q | i __|
/ / >‐ ´ ̄ \┐ l l / ̄ \
. / / / 、\ _) |ハ{ _ /
ヽ .| { ‐、 \ \ ) | 〉´ ┐ヽ_/
. | ヽ-ァ‐ ´ ` ー`´o 。 ,ノ-<// /
`ー‐ ´〈 (_) 。 / / ´/ i /
} O ゝ'二´ |'
{ ____ _ __//ヽ二´ /
. _ r<二_____//_>)ー'
| }`┬――-----------―┬'- _)
 ̄`Y T ´ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
、_ _」 ヽ
` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ - '
____
/ \
/ _,ノ ⌒ \ ではやる夫君、この炒めたスパイスはカレーですか?
/ (●) (●) \
| 、 ´ | *1 ご飯にかけて食べられますか?
\  ̄ ̄ / ( ⌒)
/ \
.
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ 炒めたスパイスは炒めたスパイスだわ。
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/ まだカレーではないお。他の料理になるかもしんないし。
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
___
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\ では今作っている料理は「いつ」カレーになるんでしょうか?
/:::::: __´___ ::::::: \.
cー、 | |r┬-/ ' |⌒,一っ カレーにならなければカレーに材料を入れられなくて困ります。
,へ λ \ `ー‐' / 入 へ、
<<</ヽ /\)))
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ めんどくせえ奴だな
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ もう最初からカレーだったでいいお。
/ ヽ
./ l ,/ / i 炒めたスパイスもカレー!
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
n
l^l.| | /)
| U レ'//)
___ ノ /
/ ⌒ ⌒\ rニ |
/ (⌒) (⌒)\ ヽ / そのとおりです!
/ /// ___´___ ///\ / ` /
| `Y⌒y'´ | / いつから存在するかとかいつからカレーであるか考えるのは馬鹿らしいから
\. ゙ー ′ ,/ /
/⌒ヽ ー‐ ィ / いっそのこと作り始める前からカレーとして存在することにしようぜ!
/ rー'ゝ /
/,ノヾ ,> イ アリストテレスはそう主張しました!
| ヽ〆 |
.
, ¨¨¨¨¨
. / | il i \ アリストテレスさんシンプルすぎる!
〃 u i l| | | u
{ (_人_) ! ∨ ゙ じゃなくて作る前からカレーであるは先走りすぎじゃね?!
|ililililil| u !
\ 人ilililil} 予定が変わって別のもの食べることにしたらどうしたんだよ!
ト、__、_ , イ
. 乂__| ト .._ 「
. | 人_ ∨
. | ∨
____
/ \ 予定が変わって寿司になったら単に新しい別の食事にしたということです。
/ \ /\
/ (●) (●) \ そしてこの今作っているカレーは単にまだ完成していないカレーであるということ
| ´ |
\ ⌒ / になりますが、前回の「それは何であるか」の「何」は目的のものであるべき
/ ̄ ̄ヽ \
(「 `rノ \ というのが生きてきます!同じ言葉で同じものを指し続けることができます!
ヽ ノ \
| | 「\ \ 作る前だろうがスパイス入れ忘れようが、カレーを作ってるでずっと通じます!
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 確かに「何」を作っているのかと聞かれて
| (__人__).
| ` ⌒´ノ 炒めたスパイスだとか鳥のトマト煮だとか一々違う答えが返ってきたら
ヽ }
ヽ ノ || 困るわな。
__,/! |`ヽ工{ヽ___. ||
{:::::`ヽ|  ̄ V::::::/.一'||) (⌒ヽ o スパイス入れ忘れたら成り損ねたカレーか。
Y⌒V| _ l|‐r'´ ̄ .|| r‐( )
\ } リ ||⌒ ⌒ヽ
乙ノ| | ┌「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|┐
| |. `| |´
| | | |
|_____| | |
| ,′| ,′ 、_______/
| ′.│./ / r‐――┐ `ヽ
し′. ...し / 」 |____j
____
/ \ 覚えなくていいですが
. / _,ノ ⌒\
l^l^ln (●) (●) \ この、まだ物理的に存在しないカレーを「可能態」と呼びます。
ヽ L 、 ` |
ゝ ノ  ̄ ̄ / 本当に存在しないものには言及すらできないのは前にやった通りですが、
/ / \
/ / \ 少なくとも可能性として存在するとしたことで言及もできます。
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒)) これで物理的に存在しないものも論理的に正しく扱えます。
____
/ \ 哲学的には、プラトン師匠は「イデアこそが実体である」と主張したのに対し
/ ⌒ ⌒ \
/ (ー) (ー) /^ヽ アリストテレスは、「全ての個物が実体である」となり、重要な違いですが……
| __´___ ( / 〉|
\ `ー'´ 〈 / ⌒^ヽ 技術屋にはあんまり関係ないかな?何が実体であるかとかどうでもいいですよね。
―――――――― \ _ _ _ )
気になる人はきっと哲学向いてますよ!
.
____
. '" U `丶、
/ \ \ まぁ実体だろうがそうでなかろうが
/ `¨″ `'ー'" ̄`
{ 三三 三三 } 正しく扱えれば技術屋には十分だお
'. J /
\ u ゙'ー'^'ー'゙ /
`¨7  ̄ ‘,
/ ‘,
_.. ‐'''''''''''' ‐ 、
,r' \ で、カレーはいつからカレーであるか?完成する前からカレーであるという話は
/ ⌒ ヽ,
( ●) `― ..i これだけならちょっと面白い話ですむのですが……
i. ( ●) |
\ _´___ / 人間だったらどうでしょうね?人間はいつから人間でしょうか?
\`ー'´ __/
.
, -―ー- 、
/ノ ヽ、_ ヽ て
'== === 、 そ
' = == l
{ 〈_,ィ、_,ノ } えっいきなり重くね?!
、. レ'_,ノ .. ノ
> <、 それどう答えても怒られるやつじゃね?!
/ ー―- .、 r 、 ヽ、
`ー―- 、_ノ l \ \
,' l ヽ _,ノ
l |
弋 イ
| /ー ―一、 |
し 、_,!
____ いつから人間であるかをまっとうな根拠をもって定義するのは難しいですよ。
/ \
/ _,ノ ⌒ \ 例えば「親の世話で生きていけるほど成長したら人間である」とすると
/ (●) (●) \
| 、 ´ | *2 高度な医学なら助かる命が「まだ人間ではない」ことになってしまいます。
\  ̄ ̄ / ( ⌒)
/ \ なら、生まれる可能性があるときから人間であると割り切ったほうが早い。
____
. '" U `丶、
/ \ \ ひょっとしてキリスト教が中絶を禁止してるのは
/ `¨″ `'ー'" ̄`
{ 三三 三三 }
'. J /
\ u ゙'ー'^'ー'゙ /
`¨7  ̄ ‘,
/ ‘,
.
____
/ \
. / _,ノ ⌒\ キリスト教はもともと教義として中絶も避妊も否定していますよ。
l^l^ln (●) (●) \
ヽ L 、 ` | 教義に正当性を持たせるためにアリストテレスを利用したってだけです。
ゝ ノ  ̄ ̄ /
/ / \ 人間の定義に悩むより助かる命は助ける、という姿勢は素晴らしいですよ。
/ / \
. / / -一'''''''ー-、. 母体を保護するための堕胎は許してほしいですが。
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
___
/ \
/ ⌒ ⌒ \ なおアリストテレス自身は
/ (⌒) (⌒) \
| ___´___ | 障害児は物心つく前に処分するべきだと主張していました。
ヽ、 `ー '´ /
ノ \
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
) だいなしだよ (
) (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
___
/⌒ ー、\ アリストテレスは人権に配慮とかしないし
/( ●) (●)\
/:::::: __´___ ::::::: \. 投票含む政治活動は十分な教育を受けた人のみがやるべきだとか
cー、 | |r┬-/ ' |⌒,一っ
,へ λ \ `ー‐' / 入 へ、 現代の基準でアウトな主張が多くて流石に擁護できません。
<<</ヽ /\)))
人権や国民主権はあるほうがいいですからこれらの問題で
.
アリストテレスを見習うべきではないでしょうね。
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ そりゃ時代が違うんだから要らない主張はスルーでいいわな
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ 研究が進んでアリストテレスの説は山ほど否定されてるわけだし
/ ヽ
./ l ,/ / i 正しい主張ばかりではないか。
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ 誤解されて変な否定のされ方をしている主張も多いですけどね。
/ (ー) (ー) /^ヽ
| __´___ ( / 〉| ダーウィンの進化論とかは別にアリストテレスの主張を否定していないんですが
\ `ー'´ 〈 / ⌒^ヽ
―――――――― \ _ _ _ ) 何故かそういうことになってる。進化論は当然知ってますよね?
.
.
__ _
_,rーく´\ , --、 /⌒ ⌒ \ 創造論信じてる連中じゃあるまいし当然知ってるお!
,-く ヽ.\ ヽ Y´ / /(●) (●) \
{ -! l _」_ノ‐′/ / (__人__) \ 生物は自然淘汰でより環境に適応した種になっていくんだお!
ヽ ゙ー'´ ヽ / | . `Y⌒y'´ |
ゝ、 ノ_ イ \ ゛ー ′ ,/
ヽ | / ー‐ ヽ
___
/ \
iニーヽ /─ ─ \ あれ?アリストテレス的には種は変わらないものだおね?
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) u | めっちゃアリストテレス否定してない?
⊂ ヽ∩ `ー´ _/
'、_ \ )
\ \ / /|
|\ ヽ / |
.
____
/ \
/ ─ ─ \ 進化による形態の変化は、代々持っている眠っていた性質が目覚めた
/ (●) (●) \
| __´ _ | という理屈で説明できるんですよ。
\  ̄ ,/
r、 r、/ ヘ この代々持っている性質―「それはどのようなものであるか」を
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
\>ヽ/ |` } | | 「形相(けいそう)」といいます。
ヘ lノ `'ソ | |
/´ / |. | 形而上学では種と同じ「エイドス」という言葉ですが、
\. ィ | |
| | | アリストテレスは「種」と「形相」を明確に使い分けています。
____ アリストテレスの動物学の著作―講義録と思われる「動物誌」では
/ \
/ ― ― \ 手近な人間から始まり昆虫・甲殻類に軟体類・魚類・鳥類・イルカクジラに陸上動物と
/ (一) (一) \
| __´___ | ありとあらゆる種と類、そして種にもいろいろあることが記述されています。
\ `ー'´ /
/ ∩ノ ⊃ / 牛の品種への言及もありますし、自然淘汰は知らなかったでしょうが
( \ / _ノ | |
. \ “ /__| | 品種改良は知っていたかもしれませんね。
\ /___ /
狼が犬になったら、狼が最初から犬の形相を持ってたことにすればいいんです。
.
___
/ \
/⌒ ⌒ \
/(● ) (● ) \ なるほど、種が分かれたら
| ⌒(__人__)⌒ |
\ `⌒ ´ / より細かい「形相」が現れたことにすればいいのか。
/ ⌒ヽ
/ _ / | 大雑把な形相は「類」として保たれるから系統樹との相性もよさそうだお。
'、__ヽ (  ̄ ̄ _/
/ \ / ̄ ̄ヽ .|
| 、 | |
、 \__| | /
\_ | | _ /~´
(__/ (__)
____
/ \
/ ― ― \ あ、動物誌をもし読むときは注意してくださいね。
/ (●) (●) \
| __´___ | 「ウナギは産卵しているところを見たことが無いから泥から生まれることにしておこう」
\ `ー'´ /
/ ∩ノ ⊃ / とか当時の科学レベルでわからなかったことは結構雑に扱ってますし、
( \ / _ノ | |
. \ “ /__| | 伝聞や伝説―ホメロスとかから持ってきた眉唾エピソードもたくさんあります。
\ /___ /
後でアップデートできるように、伝聞にはちゃんと出典が添えられていますが。
.
, -―ー- 、
/ノ ヽ、_ ヽ て
'== === 、 そ
' = == l アリストテレス雑すぎぃ
{ 〈_,ィ、_,ノ }
、. レ'_,ノ .. ノ 教会で絶対視されてたってきいたことあるけど
> <、
/ ー―- .、 r 、 ヽ、 そんなもんを絶対視していいの?
`ー―- 、_ノ l \ \
,' l ヽ _,ノ
l |
弋 イ
| /ー ―一、 |
し 、_,!
____
/ \ アリストテレスの著作で残っているものはほぼ研究ノートと講義録です。
. / ノ ' ヽ\
. / /)(ー) (ー)u\ 「これは難問だ」とか「今後の課題だ」とか普通に書かれていて
| / .イ ' |
. /,'才.ミ). ⊂つ / 実は完成されていないんです。哲学ってのはもとから完成するもんじゃないですけどね。
. | ≧シ' \
/\ ヽ ヽ
.
.
__,冖__ ,、 __冖__ / //
`,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /
ヽ_'_ノ)_ノ `r=_ノ /
__,冖__ ,、 ,へ
`,-. -、'ヽ' く <´ 7_//  ̄ ̄ ̄ \ アリストテレスが誰かが研究を引き継いでくれるはずと
ヽ_'_ノ)_ノ \> / ::ノ::: \::\
n 「 | ( ●)::::::(●\ 信じて送り出した研究ノートが真理の書扱いされてしまった…!
ll || .,ヘ / u ___'___ |
. n. n. n ヽ二ノ__ { |r┬-/ ' | 羞恥プレイですか!教会はダーウィンに謝ったのと
|! |! |! _| ゙っ  ̄フ Lノ ,ノ /
o o o (,・_,゙> /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \ 同じようにアリストテレスにも謝罪するべきですよ!
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | まぁ教会の話は置いておいて、この「形相」というのが形而上学最大のポイントです。
/( ●) (●)\ ! !
/ ::::: __´___ :::::\| l 「それは何であるか」と「それはどのようなものであるか」の関係ですね。
| `ー'´ | /
\ // 結論から言うと、種で形相が決まり、質量(材料)を得て個物が存在します。
/ __ /
(___) / 動物は血と肉でできていて、スカイツリーは主に鉄骨でできているという話ですね。
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 質量は「それは何であるか」に含まれないのかお?
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | 料理は材料が違ったら別の料理だお。
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶 栄養も違うし。
(___/ 1 |
.
/ ̄ ̄ ̄\
/ ノ ヽ \ 質量は物理的に存在する必要がある、つまりある材料を何かに加工します。
/ (●) (●) \
| __´ _ | 一切れの肉で何回もカレーが作れないように
\  ̄ /
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ 別の個物を作るには別の材料が必要だから別扱いなんです。
\ ヽ / \ ヽ /
___
/ \
/ _ ノ ⌒\ あと、目的が達成できれば材質は変更がききますからね。
/ ( ●) (●) \
| 、 ´ | 質量は個物ごとに変えても形相とは関係が無いことにしておけば
ヽ、  ̄ ̄ /
ノ \ 材料が足りなくて何かで代用したときとかも話がややこしくなりません。
.
.
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ 柔軟というべきかなんというか
/⌒(__人__)⌒ \
| ) ) u. | アリストテレスは目的を中心に考えてるのな
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
____
/ \ 迷ったら目的を確認するのがアリストテレス理解の近道です。
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ で、個物によって材質が違ってもいいように、
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ 「それはどのようなものであるか」の一部も個物によって異なっていても構わないです。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 種としての形相+個体差で個物が説明できるということですね。
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | あ、形相の定義とは整合性を採ってくださいね。
____
/ \
/ _ノ ヽ__ \
/ (● ) (● ) \ ちょっとイメージしにくいお…具体的には?
| (__人__) u |
\ ` ⌒´ /
/ (__`ヽ、 u \
\| `\ \___ノ |
| \___/ |
| {
.
.
___
/ \
/ \ , , /\ たとえば、正三角形はどの角も60度ですが、辺の長さに決まりは有りません。
/ (●) (●) \
| 、__',_, | 正三角形の形相を保ちつつ、個体としては任意の辺の長さでいいということです。
\ , /
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ △ 直角三角形の形相なら、一つの角が直角なら後の角も任意でいいです。
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄ 念のため言っておきますが三角形であることは崩さないでくださいね。
. | |
____
/ \
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒) \ 形相としてよく定義されるのは、ある属性があるかとその値域ですね。
| __´___ |
\ `ー'´ ,/ 四角形なら種類によって辺の長さと角度の属性が違いますし、
/⌒ヽ ィヽ
/ rー'ゝ 〆ヽ 全体として平面に収まる=高さ属性を持ちません。
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ | 「線は幅0の平面であるか?」みたいな話は数学屋に聞いてください!
.
____
/ \
/ \ あー属性は「無」にしないほうがいいというのはここにかかってくるのか
/) ノ ' ヽ、 \
/ .イ(ー) (ー) u | 属性が有ったり無かったりすると基本的な性質が変わっちゃうお
/,'才.ミ) (__人__) /
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
: : : : : : . _ , - '´
` ' ー‐ァ ' ´|
! :|
| :{
l, -― } / ̄ ̄\
/ /´| / ノ \ ヽ 形相の話は詳しくやるととても長くなるからその辺にしとこうぜ
{. / / \ | (●) (●) |
〈 / l l へ | (_人__) | _ , -- 、 カレーができたから食べるぞ!
ヽ| l `ハ !::::::: ! |_--_, - / // ̄`ヽ!
ヽ , -< ヽ`⌒´ 「 /! rt― 、 //¨ヽ`ハ
<、 -ヽイ」ノ| '´c !  ̄, ‐ ┐ } /
\\__// c ̄ t― '└,ニ‐'〕-,_ィ/
Y/ , / //  ̄不ヽ二{.ノ´
/ |,/_/ / ' ´/
| / ̄ / /
/Yc - c / / イ
{r‐rァ‐┐二二二 Y
/ー''ー‐'二二二二ユ
_, -‥ ' ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨ ' ー- 、_
'´ : : : : : : : : `'i
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \
/ ⌒ ⌒ \ ) 丁度いいですね!カレーを食べながら「合成」の話をしましょう!
/ (>) (●)ヽ
| // 、__',_, // | =3
\ ,/
⊂ヽ γ ヽ
i !l ノ ノ !
⊂cノ´
____
/ \
/ ─ ─ \
/( ●) ( ●) \ 合成?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ ー‐ /⌒ ヽ
____/_____/ /_______
(⌒ィXXXX(⌒ /
/XXXXXX/´ フキフキ
 ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/ ─ ─ \ 形相と質量で個物の説明はできますが、個物は個物に分解できますよね?
/ (●) (●) \
| __´___ | このカレーが、汁と鶏肉と玉ねぎとトマトに分解できるように。
\ `ー'´ /
/ ヽ 逆に、複数の個物から一つの個物を作ったり、
/ ア ̄~〉==ニ⊃ ヽ
// `‐‐r´ マ ヽ 複数の個物を組みあわせて一つの個物を作ることを「合成」としました。
/ / マ ヽ
|___/ _ _ _ l } これで複雑な個物も説明できますね!
| , - rイ〕:.:: .: .:.:.r久=、- 、} r=、ァ/
 ̄ ̄〈 く:.:.:....:tァ:.:.::.:..c:.:ヘ _フ し Y  ̄ ̄ ̄
>- 二二二二二 -く._.ノ
i ̄ ̄ ̄)━━━━━━r'⌒ヽ
| i/ ̄ ̄ ̄)━━━━`ー'゙
| '/ ̄ ̄)
\ '' /T'' ____
ヽ ) /⌒ ⌒.\
) / /(●.) (● )ヽ じゃあこのラッキョウも合成してカレーになってるのかお!
/| | /:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ
./ i ノ | |r┬-| |
/ \/ | _, -\ `ー'´ .:::::/
./ |______/'''"" ヾ ー / ̄"''''ヽ
.
.
___
/ノ ヽ\ それは難しいところですね…アリストテレスによれば、合成とは
/( ≡) (≡)\
/:::::: __´___ :::::\ 合成した個物が何らかの機能を持ち、欠如した場合は全体の機能が低下する状態です。
| |r┬ | |
\γ⌒_@-' _/ 自動車のタイヤが欠けると走りに影響が出るのでタイヤは合成の材料ですが
( ^ノ  ̄ ヽ
予備タイヤは無くても影響が出ないので添え物であり、合成の材料に入りません。
.
ラッキョウは食事の材料ではあるけどカレーの材料ではないくらいがちょうどいいかと。
.r-、 _00 /::::'┴'r'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Ln:::r┘|.l _lニユ、 ./
. ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ / /
、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / /
. \\`´ |:::|. l| l 〈::/ 、 ! '/
____ アリストテレスは形而上学で
/ ノ_ ヽ,,\
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧ 「髪の毛は頭の一部ではあるが無くても頭の機能に影響はない。
/ ___'__ \
|. |r┬| | よって、禿は頭髪の欠如ではなく頭髪の不足であり、
\, | | | /
__/" \、 ; `ニニ \ 禿は障碍ではない。」と本当に書いています。
| | / ,r'うi=ョ=ョ=ョ=と) \
| | / _/ ⌒ノ\ ____ ,⊂ノ゙、ヽ どこまでも目的主義なので、合成であるかは?は柔軟に考えていいですよ。
| | | ゙/~ └‐─‐‐とソ ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ モグモグ
/ (●) (●) \ なんかアリストテレスって書かなくていいこともわざわざ書いてるのね。
| 、" ゙)(__人__)" ) ))
\ 。` ⌒゚:j´ ,/ しかも発想がちょっと酷い。
/ ヽ
/ ア ̄~〉==ニ⊃ ヽ
// `‐‐r´ マ ヽ
/ / マ ヽ
|___/ _ _ _ l }
| , - rイ〕:.:: .: .:.:.r久=、- 、} r=、ァ/
 ̄ ̄〈 く:.:.:....:tァ:.:.::.:..c:.:ヘ _フ し Y  ̄ ̄ ̄
>- 二二二二二 -く._.ノ
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(─)(─ ) | アリストテレスのジョークのセンスは基本的にフランクだ。
(__人__) |
|r┬-| | 師匠の師匠であるソクラテスもネタにしてるし
_ n__三'´ |
-(ミ>__[__] ノ 真面目に受け取っちゃいけない部分が混ざってて
i i ヽ ノ
i_|_とー、 ヽ 翻訳大変だったろうな。
ヽ___/) \ / |
ゝ_,,へ \ ノ
―― 、
/ \
' __ ノ ゝ.__ヽ
l ( ー) (ー ) l 食事も終わったところで話も〆に入るか。これで
l (___人___) l
. l `--´ l 「それは何であるか」の「それ」は「個物」であり、「何」は「種」である。
. !.! !( ((
. ' ヽ ( ( ヽ) 種は大きなくくりとしては「類」となる。
ノ ̄´"''‐ 、 `¨´¦ヽノζ
_rく /癶V⌒!=| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 「それはどのようなものであるか」は「形相」であり、
__,、=T下、``ヽ /‐''"_, -ヘ| |
/「 ̄´ ヽヽ \ ヽ/ ´ _,,厶ヘ ∧=、、 個物は種の形相と個体差と「質量」でできている。
|八 \ __/ _,)ヽ___/ ヽ ``=、、
∥ \ ! V´ ̄:::::/ _,ノk>、`T!::::::":::\_ ∥ 形相は「属性」から成っている。が説明できたわけだ。
____
/ \
/ ─ ― ヽ
/ ( ●) ( ●)' 形而上学はまだまだ色々ありますが、
| __´ _ |
\  ̄ ,/ ( ::) 「それは何であるか」とはどのようなことか、はだいたい説明できたかと。
/ ー‐ ヽ ( ::)
/ /^ー r ̄ ̄ ̄i
| i / ノ、___ノ
| l / r‐´  ̄ |
.
___
/ \
/ ⌒ ⌒ \ たったそれだけの話を説明するのに結構かかったお。
/ (ー ) (● ) \
| ⌒ (__人__) ⌒ |
\ γrj¨ ̄ ̄¨i / ズズー
/ j '⌒t_r=、_ノ \
| / /´ `¨´ |
___
/ \
/ ⌒ ⌒\ でもこれでようやく…
/ ( ⌒) (⌒)\
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i
ヽ、 `ー ' /
/ ┌─┐
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ
r ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ
.
___
/ \
/ 一' `ー\ あれ?やる夫たちはなんでこんな話をしてたんだっけ?
/ ( ○) (○)\
i (__人__) i
ヽ、 |r┬-| /
/ `ー'r─┐
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ
r ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ
__
/ ̄〉 |__| 匚l
___ / / 〈 \
_ / `丶、 / / ヽ \
//l 「l_∠ __ /〉 ヽ /_/ \/
. __/ /,ィ´ -‐ 、.__\/ } __ _
/ /____ /| ヽ、\ ) \, / |___  ̄l / /
l |、.__ 〈/ -‐ ト、 ) 、::::j 7  ̄ ./ /
l |、  ̄入 、_`j , r' / / 〈X〉/〉
. ヽ\_〈::::::\__、__ノ (__ノ_ ) \/ 〈/
. \  ̄/\::::::/ l | `)‐'
 ̄ ̄l  ̄ // __/
/ // ヽ {ヘ、
、___/ _/ `ヽ \ ___/ヽ それはもちろん、「それは何であるか」を正しく使うため―
/  ̄ /| `¨\ ̄ ̄ ̄〈_/,、 \
. / / \. (__,. ‐- l、 物事を正しく扱うためだ。
, ' /、.: :`ヽ..,____.. -‐::::::i:‐:..、 ヽ (___,. |ハ
. / l/ ̄ \:::::::::::::> "´  ̄ `ヾ:、Y ‘ー┬r‐' |
/l /: : ` 匸´___/__,..- ` .、___ | /│|__,ノl
. ∧/: : : / }/、 | } ││|__ノ
. | |: : : : { / ) , '"^ト-〈 │ | |__/
. | |\:_:_ ノヽ._/ー一^ ー‐´ │ V l | |、
| |  ̄`ヽ: : i , ,ノ、__,ノ l |/|
| | ∨ ` 〈 _/ | | | l !
. ! | | ∨  ̄ ゙, ,!、__\ | | |
. ││ l |, -- 、 -┴‐' ヽ.  ̄\ !__|__
. | | l l / ` 、 jハ:::::://
! ! | ,' ` ー 、 ___ ∨/l
| l l i /o | |' l|
│ | l/| / / /|_ |、l|
. | | /l:::八 イ / / ヽ|::ヽ
./ ̄ ̄\
_ノ ヽ,_ \
(●)(● ) | 俺たちプログラマ―特に複雑なシステムを開発するプログラマは
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . | 「それは何であるか」を定義するのが仕事だ。
{ . i
/ ヽ ノ ユーザーも誰も「今作ってるシステムは一体全体なんなのか?」を
, ,/. ヾ ー,-- ':;\ ー、
/ / _,,」、'....ィ' '| \、__ 正確に把握してるわけじゃないからな。
. /./ ,. ‐'''"´ !:::. / _」__iヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ノi ノ (、_ ``ヾ! 俺たちが「それは何であるか」を具体化して提示しなければならない。
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._
| ヽl(B ./ ヽ、_
| !,、 ! / ∠,,,
,イ ヾ' ィ 、 / ,,ィ'´
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ ヽ
(≡)(≡) i 特に俺たちJava系のプログラマが用いるオブジェクト指向開発は
(人__) ,∧
|⌒´ /,ハ この形而上学的な分析をベースにしているから
| , '" { ` ̄ ̄`ヽ、.._
ヽ_ / \ ', 人 ゙ヽ、 これを理解することで正しくシステムを開発できるようになる。
|\ , `ヽ. ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
/', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ i } 少なくとも使っている道具の意味だけでも理解しておきたい。
/´'´ ̄7´ `/ / ,' } ,{
/ } 人 ! : ,∧ノ ゙i
{ _,ノ -‐‐-}-- 、 { , '"´、 ∨, }
/!,.ノ`ヽ. { ヽァ-、,/i ヽ∨!
/ , }\ ヽ i r'´ } ,.-‐'" ',.}'
,∠',{ リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、 /|
/ ∨ ,..-‐-、ノ ゙i‐‐-/´ ', / |
八 リ 〉 `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ / |
/,....-、.._ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ
(ー- '"Y ノ \_>―--=、._ ,..-‐'"´ヽ. ',
( ニ二'ノ/ 〉ー---‐'" / ノ ', }
ヽ--'′ / 〉 、"´ /′/ ', }
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ もちろんシステム開発以外、たとえば屁理屈を論破するのにも使える
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi いつから人間であるか?とかは実際に出会う機会もあるかもな。
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ
゙| `i Y リ'´゙Y そんなときは形而上学で殴れば反撃するのは非常に難しい!
! ハ 。 i! 。! !
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. / ただ相手はドン引きするだろうけどな!
', 、.X`、 i `个ィ/
Y ミ ` Y⌒∨ i'
| ヘY ー-<>ー1 |
{ ミ、._ :' __ノ リ
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ!
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ 少なくともやる夫は相手したくないわ
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
,ヘ
/'ノ
/ ,}{
/ゝ,',.⊃ というわけで、ここからはソフトウェア的な話だ。
/ , '/´
/' ,. ' / オブジェクト指向において、
/ :′,.. /
i´ 、},....,/ オブジェクト=個物
{ 'ヽ-' ( ,-‐ノ 、_
.ハ. ,. ゙ヽ. / (●) ヽ i.| // ,、 クラスの型だけ=種
| ` ', } | (_人) / ' 〈ノノ,、
.! ヽ,ヘ.〉 ヽ } r‐- '′ヽ '/ クラスのインタフェース=「それはどのように扱えるものか」
', ,.、 } \' ヽr ‐/  ̄ヽ、 ,. 、 ノ
∨´,.)イ ヽ ノ } } { クラスの定義(フィールド等)=形相
/´ | ゙v,.ノ--- 、 | |
| /! } >‐‐、.ノ', ハ フィールド等=属性、および合成の部分である個物
∨ i、_` ヽ リ 、 ノ-、 }、 . }
} ノー-'、_,`ー-‐'、 ,イ、 ー-'八 ヽ ,! 質量=メモリおよび書き込まれているデータ
.| ,' ヾヽ 、 `ヽ..ィ `¨''、'ノ 人 ヽ__,,.゙-‐'
{,ハ ヘ. /`゙r<ノ),/  ̄ ̄ 合成=オブジェクトを組み合わせて新しいオブジェクトを作ること
/ ヽ `¨ メ-、_,.ィ /′
,ノ゙ヽー''' } ー、6 r"/
/ ', { ノ ` ィ' ,/ となる。なお、メソッドは特に対応するものが無い。
/ ;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;| そして、今まで説明しなかった「存在そのもの」がある。
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l
| (__人__) ;;;;;;;;il これは形相も質量も含まない、「それは何であるか」に関わらない存在だ
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、 アリストテレスはこれを第一実体と呼んだが、
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、 現実にこれを説明するのは難しい。
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ, だが、ソフトウェア的にはこれは「メモリのアドレス」
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ 型もない生のポインタの先だ。理解する必要はない。
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ 俺もこれ以上の説明はできないからな。
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
.
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \
/ ⌒ ⌒ \ ) なお、「それは何であるか」の中心である形相を第二実体と呼んでいます。
/ (>) (●)ヽ
| // 、__',_, // | =3 第一実体≒形相と質量なんですが、メモリアドレスはポインタとしても扱えるし
\ ,/
⊂ヽ γ ヽ そこに格納されているオブジェクトとしても扱えるということで似た性質です。
i !l ノ ノ !
⊂cノ´ 分かるように説明していないので覚えなくていいですけどね!
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) | そして、オブジェクトを作るという行為は、
. | (__人__) │
| `⌒ ´ | 質量としてメモリ領域を確保し、形相として最低限のデータを構築することだ。
. | |
. ヽ / _ _ ,...,___ そして第一実体つまり参照を返す。
ヽ /_,. ハ `/ '´ `丶、
/,...ヽ.._ / ノ/, ′ iヽ 一度作ったオブジェクトはこの参照でアクセスできるわけだ。
/ ヽ ‐、 / '/// ! ',
,.イ l \ /__ i ,' i
/ !| ., ' ´ ,={ / 亅 なお、このときクラス定義を「設計図として使ってもよい」
,. -'ァ‐==ニ_‐-v′ ^ヘ / ,′
/ /- ._ 〃, ', _,.イ /
/ ハ` ミ {/ 〉 ´ i !イ{
i ,イ` _,,.t' / 亅 ノ ! ',
! ,厶ヘ ヘ. ,′ .' / |
v' / ヽ -_込._ { ' , j
/ 丨 \__,,.. ァ'´ { `¨¨¬ / / /
,′ ! ', ヘ._,. 个、___,,. }__ー‐'´ v' /
{ ', ハ ノ ,、,.-‐'´ ) V//
∨ ,ハ. / ,{ ヽ-‐'/ / {/
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・
. | ( ●) ⌒) | 設計図としてもよい?クラスはオブジェクトの設計図そのものではないのかお?
. | (__ノ ̄ /
. | /
\_ _ノ\
/´ |
. | / |
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } クラスはソフトウェア的でないものにも使える概念だ。
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 こいつは「それは何であるか」の合意でしかないからな。
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、 例えばユーザもシステムに含まれるならクラスとして定義できる
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム だが、それはオブジェクトを作れることを意味しない。
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/ 人間を作れるわけではないからな。
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′ 機械は作れるしシステムの一部として表現もできるが。
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' /
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
__ | ( ●)(● ) | クラスをもとにしてオブジェクトを作るのは、
/`:、  ̄`i | (__人__) │
,/ヽ. ,マ | | `⌒ ´ | 「それは何であるか」をもとにして作ったものは
/ r一^ー‐' | |、
. . ' | .ヽ / 〉ー 、 「何」として扱うことができる、と保証できるからだ。
. ,′ j , -‐ 、 ノ ヽ // \
/ ,z< ヽ,,ィ¬ー―'´ ` ー--一'' ´ \ ただ便利だからそうしているに過ぎない。
j / ー-、 ノ / ` ー-、 l ノ -一 ´ ̄ `ヽ \
{ ヽ '´ `' `ソ /¨´ ,ィ´ ' , ヽ. ついでにデータ構造の構築とかもできるし便利だ。
`ー― 、 { / { i ヘ
`''< ミヽ 人 / ヘ 人 ∧
 ̄ ̄ ̄´`ヽ' ヽ ,イ ,,ノlヽ フ´ `i´ ',
ヽ  ̄ `ー一 ' 勿`ー一イ i ',
\ソ j ` ー'´ ̄ ヘ {.._ i .i
ヽ ト、 ヽ _,,...z-一'" `ヽ l .|
Yヘ >;-一'"´ >一' ソ |
l } ∧二、 ヽ ` ̄ ̄ 」
| キ ヘ三ヘ __}ァー……┬-、 __ノ
|人 `¨''´ |  ̄
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } そしてオブジェクト指向においてよく問題になる「継承」だが―
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 やる夫、継承の本質とは何だろうか?
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' /
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
.
____
/ \
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \ えーと、継承の本質はインタフェースだってネットでよく見るけど…
| / .イ '(ー) (ー) u|
. /,'才.ミ). (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
/ ヽ
,) / ′
{: ′u ij 〃 | ,/ /
:} ! !|! ゛ し :| ( {
ヽ 〈 __」}{≦ニニル | } ) :} そんなわけがあるか!
{: ( {`フ´ ゙゙ヾ." u ト ( {
) } ‘{ } / :{ ヾ≧; , _ 継承の本質は「何かを引き継ぐことだ!」
( し >-r个ーr┐' {: } ∨///>
-==<∧}T_T_T_j! / ト , `゛f'´ 技術屋にとっては「正しく扱うこと」が重要だから
/ 〃 〃/,| =- // |/∧
,/ / ジ ∨/,{ イ / |///〉 「インタフェースの継承が最も重要だ」なら使ってもいいがな!
{ / 人ミヾ≧=≦Ⅵ __ ′J
{ ij / ー=≧ミ彡" _,.ムミ、
. 〉 / し `ヽ/ - ―…  ̄゛ マミ≧、
/ :{ {! ij マ≦=-
.
____
/ \
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \ そこは細かいのね
| / .イ '=・= =・= u|
/,'才.ミ) (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
_. -‐--‐=≠‐、‐ 、....__
/' ヽ ハ/ ̄ `ヽ  ̄¨¨ ‐ .
{/ } L._ ノ`i ノ ヽi`ヽ、 `ヽ.
/ : ゙ハ ! (● (● ,.ゝ、_....=- ' ! そこはきちんとやらないとな。
{ :. ノリ ハ (__人_)」 `r' /,'
}. `Y´`< .ゝ、 ⌒/ ヘ. ; _.ノ/ で、種=型の継承がもっともプリミティブで、
{ i /´ ; \<`ァァ' i. / /
ヘゝ-=ゝ、i ヽ./´ ;Y__ .. イ 型を継承することで変数として同じように扱える。
! ´ ハ Y /´}
i ,リ} 。 キ /` リ インタフェースを継承すればオブジェクトとして同じように扱える。
', ヘ. / ゚∧ /
', ` ヽ`=--≠ゝ、.ィ、 / クラスを継承すればメソッドやフィールドも同じようになって
ヘ xヘ.ヽ__ .......;,.....ノ.∨
∨ヽ. ゙{ !. ;ィ'! 上書きしていない部分は同じように振舞うだろう、ということだ。
| \Y `¨¨`: i'¨´i,ハ
{ ` キ ‐--'c--'i }
Xミ:.、. ヘ. / メ. 型とインタフェースの区別をすることは滅多にないがな!
i .' ` ーミミ‐-==-‐≠.ヽ.
! ; ヘ ヘ. `Y :._\
゙! / ヽ. ハ. リ 、 ` ヽ.
/ ̄`ヽ、
/_ノ ヽ、_ ヽ
|(●)(●) | あと誤解が多いのは合成と集合の違いだな。一年位前か?
| (__人__) |
| `⌒´ | 「合成は合成した全体と部分のライフサイクルが同じである」
_,, -‐'' | ∧`丶ー-、
/ {ヽ、__ノ 〉 \ という分かってるんだかわかってないんだか良くわからない
,, -イィ_ ノ ! ∧ ∧ i \ ソ`ヽ、
/ 〉` \ヽ)ー、 ( ) -‐‐― >⌒ ン 丶 英語の記事が出回った。
/ /! ノノ )  ̄ヽソ´ ̄ ハ 〈 i
∧ / /,'´/ 彡 >`ヽ \ } l }
/,ヘ i / ∠三彡´ 〉-- 、ヽ ヘ 《ゝ ノ\
i,' 入__,=、∠イく ー==三个ミミ >ヘ //ノく ヽ
/ / λ } ∧ 十 /ノ / 厂`´ , ∧
i ハ、 / 人_へ、__,ノ个<、__彡八 _ , )ミ i
{ ⌒ =ミ⌒_ン | ', /〃 ∧、 ,ラ > i
! > < `〈 ! l イ ' |ン , 、_, }
! \ ヽ \ i / / / 〈
\ 、_ ∧ 八 _ ノ ノ 彡´´ ノ ノ
\ `゛丶 ヘ、 /,-、γ'Z´`ヽ、-‐‐''´ ̄ /
`ー-、_ ヽ、`く⌒ヽ>)<ヽ、_ ゝ ____,, -‐''
`ヽ__ _,- 'ハ` ,-‐''´ ∧
/ `ゝ、__ノ 人 ̄フ i
i / Y i
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・ どっか間違えてるのかお?
. | (__ノl (⌒ (●) |
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
___
/ ヽ、_ \ 現実世界で部分と全体のライフサイクルが同じなのは
/(● ) (● ) \
/::: __´__ :::::: \ 物理的に重なっているからです。
| l^l^lnー'´ |
\ヽ L / カレーを食べたら具の鶏もなくなるとかそういう話で。
ゝ ノ
/ /
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ', ライフサイクルを同じにする意図が無いならそんなことをする意味が無い。
ヽ ノ `フノ-‐ュ',
〈゙y'´ ´ '´,≠-, ソフトウェア的なオブジェクトは参照を使って合成されてるんだからな!
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶. 構造体みたいに全体と部分のメモリが物理的に重なっていれば
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、 ライフサイクルは同じになるが…
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ', 属性がソフト的には個物だが現実ではそうでないように
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / } 違いがちょくちょくあるんだがわかってない人が多い。
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' / ひょっとしたら西洋人でもあまり解ってない人がいるかもな
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / /
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
./ ̄ ̄\
_ノ ヽ,_ \
(●)(● ) | まっこんな感じで、色々誤解されているというか
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . | 教える側が説明を端折ってるところが形而上学で
{ . i
/ ヽ ノ 正しく説明できる。
, ,/. ヾ ー,-- ':;\ ー、
/ / _,,」、'....ィ' '| \、_ しかも形而上学は教会により西洋中で論理の元祖とされた。
. /./ ,. ‐'''"´ !:::. / _」__iヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ノi ノ (、_ ``ヾ! 形而上学的に正しいことは通じやすい。
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_ 形而上学を学んで正しく開発しようぜというわけだ。
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._
| ヽl(B ./ ヽ、_
| !,、 ! / ∠,,,
,イ ヾ' ィ 、 / ,,ィ'´
/ ̄ ̄\
/ ヽ、__ .\
(⌒)(⌒ ) | これでこのスレはおしまい。
(__人___) |
l`⌒ ´ | あと話したいことはアリストテレスのエピソードくらいだが
| |
| 、 _,.ーへ 面白いかわからんし今でなくてもいいだろう
_. -: ::::ヽ__「 v、___
__,. <::::::::::::::∧:::二〈 、 ∨:::::\
/:::::::ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_〉、 -ー、:::::∧
/::::::::::::::ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー/ ::::::::>:、::ハ
〈::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::::::::v::、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Λ::::::::::::::::::::::::ヽ|
.
_ _ ___
/ ) ) )/ \ /\
{ ⊂)(●) (●) \ 正直、わかったようなわからなかったような…!
| / ///(__人__)/// \
! ! `Y⌒y'´ | でも必要になる時までに理解すればいいおね!
| l ゙ー ′ ,/
| ヽ ー‐ ィ
| / |
| 〆ヽ/
| ヾ_ノ
/ ̄ ̄ \
/_,ノ `⌒ \
-、 | (● ). (● ) | 俺たちは技術屋だからな。
ヤ ', | .(___人___) |
i. l ,.-、 | ` ⌒ ´ | 技術を仕入れて、必要に応じて取り出して使えばいい。
', j / / .| |
ノ_..ヽ-、′,' ', ,/'|、 気楽なもんだ。
.l .___ ヽノ __ .j '.、__ , ___ ィ/::L_
Y )ハ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::/:::::::...`' ー- 、 _
ト.  ̄ ̄ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\
ハヽ 一ニイ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
/...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ;;;;;::::::::::::::〉
.
___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒)\ でも気が向いたら哲学やるのも悪くないですよ!
/ /// __´__ /// \
| |r┬ | | もやもやしてたのが理解できたらなんか清々しい気分になります!
\ ゙ー' ,/
/⌒ヽ ィヽ 新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーに!
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ アリストテレスは解説書が少ないがプラトンは沢山あるし
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 近代哲学に比べりゃ思想としてわかりやすい。
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト 役には立たんだろうが。
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
.
___
/ \
/ ノ ヽ\ アリストテレスの解説書本当に少ないんですよねぇ…
/ ( ー) (ー)\
| | | ___´___| | | プラトン師匠に比べて人間的魅力に欠けるからしょうがないんですが。
、 | | `ー '´| |/
ノ | | | |\
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒
/⌒ト、/ (> )(●) 役に立つかは人それぞれだが
r-='´ ヽ (___人__)
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ せめて楽しんでくれたことを祈る!
} ⌒´ `V |>ー- 、
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::|
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
._
\ヽ, ,、
`''|/ノ
.|
_ |
\`ヽ、|
\, V
`L,,_
|ヽ、) ,、
/ ヽYノ
/ r''ヽ、.|
| `ー-ヽ|ヮ
| `|
|. |
ヽ、 |
ヽ ノ
イ´ `ヽ
/ /  ̄ ̄ ̄ \
/_/ ∞ \_
|_________|
| __´___ |
\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
-|-ヽ -|―、レ |
d⌒) /| _ノ _ノ
11.形而上学その2:属性
____
/ \ さて、今までさんざん「それ(個物)は何であるか」の
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 「何」として「種」を使ってきたわけですが、
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ 存在する「何」はざっくり二つに分けられます。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 人が作り加工した「何」と自然に存在する「何」です。
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | 自然に存在する「何」は「どのようなものであるか」が基準となります。
.
___
/ \
/ \ , , / \ 人工物と自然に分ける・・・!
/ (●) (●) \
| (__人__) | 科学と自然の対立とかこれぞ西洋ってかんじだお!
\ ` ⌒ ´ ,/
ノ \
._i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
( l l l l l
ヽ /
____
/ \
/ ─ ─ \ そんなたいそうなもんじゃないです。
/ (●) (●) \
| __´ _ | 加工したものは「それはどのようなものであるか」が変わってしまうので
\  ̄ ,/
r、 r、/ ヘ 「それは何であるか」の基準には使えなくなっちゃうから
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
\>ヽ/ |` } | | 別の指標を使おうねってだけの話です。
ヘ lノ `'ソ | |
/´ / |. |
\. ィ | |
| | |
.
____
. '" U `丶、
/ \ \ えらくシンプルな理由なのな
/ `¨″ `'ー'" ̄`
{ 三三 三三 }
'. J /
\ u ゙'ー'^'ー'゙ /
`¨7  ̄ ‘,
/ ‘,
____
/ \
/ \ / \ アリストテレスは、人の加工したものが「何」であるかは、
/ (●) (●) \
| __´___ | その目的から決めるのが妥当と判断しました。
\ `ー'´ /
/ ∩ノ ⊃ / スカイツリーが電波塔なのは、放送用に作ったからですし
( \ / _ノ | |
. \ “ /__| | 同時に観光地でもあるのは、観光客を呼ぶのも目的のうちだから、ということです!
\ /___ /
.
____ ━┓
/ ― \ ┏┛ 実際に
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 放送用の電波設備があるから電波塔であるとか
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | 観光客がいるから観光地である、じゃあかんの?
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
____
/ \
. / _,ノ ⌒\ 「現状どのようなものであるか」は変わってしまうので向かないんですよ。
l^l^ln (●) (●) \
ヽ L 、 ` | 例えば建設中のスカイツリーは電波設備がまだないから
ゝ ノ  ̄ ̄ /
/ / \ まだ電波塔ではないとか言い出す奴がいて話がややこしくなります。
/ / \
. / / -一'''''''ー-、. だから、目的に応じて最終的に「何」になるかのほうが基準にいいんです。
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
.
/ ̄ ̄ ̄ \
/ . \
/ _ ノ ヽ、_ \ 古代ギリシアにも屁理屈こねる連中はいたのか
.| (ー) (ー) . |
\ (__人__) . /
/ `⌒´ ヽ
ヽ、二⌒) (⌒ニノ
.
<ソフィストといって、むしろそういう連中ばかりでした。
∩_
〈〈〈 ヽ それに、これは生物が何であるかにも使えるんです。
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | 例えば子供は成長して大人になるのが目的であるとすると、
/( ●) (●)\ ! !
/ ::::: __´___ :::::\| l 子供と大人を同じ「種」として扱えるということになります。
| `ー'´ | /
\ // 大人は子供を作るときに「種」を分け与えるので、子供もまた同じ「種」となります。
/ __ /
(___) / 特に昆虫とかは成長すると見た目が完全に変わっちゃいますからね
.
__
. .,,,,__,. / \ |\ /\ / | // /
..`゙''ー-ミ ゙゙̄'''''''''二二=─ .. /.ヽ、 ノ.\ _| \/\/ \/\/ |∧/ ///
`゙''ー ..,,. 二=─..` / .(○) (○) .\ \ /
`''ー ,,、 .._ | (__人__) ..| ∠ 変 態 ッ ! ! >
゙゙' ..,,_ `゙'''ー ..,..||lliilil ll| ./ /_ _ \
..`゙'''ー ..,,_`゙''ー ,,_ .γ  ̄ / /∨| /W\ /\|\ .|  ̄
i j .`'ー.`゙゙''ー-..,,,゙゙''ー ..,、 // |/ \/ \|
ヽ、 l .`゙ `'''-
/つゝ、,,! }
{〈〈〈,ゞ,ソ==( ◎ )===[]
` ̄/ \ 変態して姿が変わる昆虫とかを一貫して扱うには
/ /´`\ \
! く´ \ ヘ ライフサイクルを考慮して「種」を決めないと
\ \ ヽ ヘ
(´________ノ ヽ ヘ 変なことになるってことかお!
` ̄  ̄ ∨______`)
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ というわけで、「それは何であるか」は人の作ったものである限り
/ ___'___ \
| |r┬-| | それの目的によって決めるべきということがはっきりしました。
\ `,. -'"´´ ̄`ヽ
/ (___ | だから、「あるキャラがツンデレである」というのは
/ |
( ̄ | 物語の中でツンデレを体現するために生み出されたキャラということですね!
 ̄ ̄ ̄| |
.
____
/ ― \
/ (● ) ヘ\
| (⌒ (● ) | お話の途中で性格が変わっちゃったら?
ヘ  ̄`、__) |
ヽ |
, へ、 _/
| ^ヽ
| 1 |
____
/ \
/ ― ― \
/ (●) (●) \ 元ツンデレとか残念な存在に
| ' |
\  ̄ /
ノ \
.
____
/ \
/ _ノ ヽ__ .\
/ (○)!i!i(○) \ キャラ紹介で元ツンデレとか書かれてたら悲惨すぎる
| (__人__) u |
.\ )t-ツ /
/ ⌒´ \
\_(__) i\(__)
| |
____
/ \ 一方、「それはどのようなものであるか」は部分的に変更できることが前提です。
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 性格としてツンデレ属性を持つということにして、これを管理すればいいのです。
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ 「種」はそのままにして、部分を個別に設定すると柔軟に設定できるということですね。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | この「どのようなものであるかの一部分」をアリストテレスは「属性」と名付けました。
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | 英語ではプロパティとかアトリビュートですね。
.
___
/ ヽ、_ \
/(● ) (● ) \ PC使っててちょくちょく見かけるプロパティってこれだったのかお・・・
/:::⌒(__人__)⌒::::: \
| l^l^lnー'´ | アトリビュートはHTMLに出てくる属性か。
\ヽ L /
ゝ ノ
/ /
____
/ \
/ ― ― \ PCで使う属性はただのデータですけどね。で、属性は色々な種類があります。
/ (●) (一) \
| __´___ | 特に形容詞としての属性は「背が」高いとか「容姿が」可愛いとか「色が」白いとか
\ `ー'´ /
/ ∩ノ ⊃ / どの種類の属性なのか一々言わなくても形容詞だけで通じますし、
( \ / _ノ | |
. \ “ /__| | 特に定義しなくても話が通じる属性です。ただし、いざ定義しようとすると大変ですが。
\ /___ /
.
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 高いとは何か?って定義できるのかな・・・?
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | それでツンデレは?
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
∩_
〈〈〈 ヽ アリストテレスは特に定義していませんが、
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | それは定義が存在する、どういったものか説明できる属性ですね。
/( ●) (●)\ ! !
/ ::::: __´___ :::::\| l ツンデレは最初ツンツンしている→後でデレる
| `ー'´ | /
\ // もしくは、人前ではツンツンしている→二人の時はデレる
/ __ /
(___) / として定義されることが多いようです。
.
___ クルッ
/ ノ ヽ_\  ̄` 、
/(● ) (● )\ |,ノ 定義が存在するのに一つに決まってないのかよ!
ビシィッ / (__人__) \  ̄
| し | Y |
Vて \ `ー ' /
そ と⌒ヽ `> 〈´
ヽ V´ ヽ
ヽ / 、
/ ̄ ̄ ̄\ イデア論でやったように、定義というのは合意の上でしか存在しませんし、
/ ノ ヽ \
/ (●) (●) \ 合意というのは参加者によるものです。
| __´ _ |
\  ̄ / だから実際の定義はその会話の参加者によるんですよ。
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ
\ ヽ / \ ヽ / 同じ文化を持っていればだいたい同じものを持っていると期待できますが。
.
___
/ ヽ、_ \
/(● ) (● ) \ めんどくさい話だお
/:::⌒(__人__)⌒::::: \
| l^l^lnー'´ |
\ヽ L /
ゝ ノ
/ /
____
/ \ アリストテレスはそのめんどくささをなんとか簡単にするために頑張ったんです。
. / _,ノ ⌒\
l^l^ln (●) (●) \ 属性にもいろいろな種類があるので、
ヽ L 、 ` |
ゝ ノ  ̄ ̄ / 「ある種類の属性は同時に複数持てない」ということにもしました。
/ / \
/ / \ 例えば、髪型も属性の種類ですが
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒)) 同時にポニーテールとツインテール両方であることはできません。
.
, ¨¨¨¨¨
. / | il i \
〃 u i l| | | u ゙ 確かにそれは無理そうだお
{ (_人_) ! ∨
|ililililil| u !
\ 人ilililil}
ト、__、_ , イ
. 乂__| ト .._ 「
. | 人_ ∨
. | ∨
_____ ━┓
/ ─ \ ┏┛
/ (● ) \\ ・ でも同時に存在する属性もあるんじゃないかお?
| (⌒ (● ) |
|  ̄弋_) | たとえば、ヒロイン属性として
\ /
> ⊂ヽ∩ < 幼馴染でありツンデレでありツインテールであるとか。
/" (,_ \. |
.| / \__ノ
.
____
/ \
/ ─ ─ \ それは単に属性の種類の分け方に失敗しているだけです。
/ (●) (●) \
| __´ _ | 主人公との関係性として幼馴染属性、
\  ̄ ,/
r、 r、/ ヘ 性格としてツンデレ属性、
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
\>ヽ/ |` } | | 髪型としてツインテール属性、
ヘ lノ `'ソ | |
/´ / |. | と分けてください。
\. ィ | |
| | | 組み合わせでキャラが増やせるしお得です。
,.-、
____ ( ノ゙\
/ \ i′ ヽ_ )
/ ― ― \ .〉 ,.く
/ (●) (●) \/ ハ ヽ なるほどそれならキャラも属性もいくらでも作れるな!
| (__人__) | / ヾ
\ ヽノ / / ! i よーし やる夫
\_ <、 〃ノ
/ ,.-、 _, -` く '" 武器属性:エクスカリバーなヒロインとか登場させちゃうぞ!
/ | (`  ̄ 〉
! <| ヽ、__,.― --―' 元ネタは著作権切れてるはずだし!
\_ ヽ''^ヽ |
`ヽ、_ン′ |
.
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ だから版権キャラは出しませんって
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
____ それに、個物は属性にならないんですよ。
/ \
/ ⌒ ⌒ \ 戦闘スタイルとしての剣士属性は持てますが、
/ (●) (<) \
| ___'___ | ある特定の剣ならばそれは単に物理的に所持してることになります。
\ ` n´ ,/
/ | | \ 逆に、属性は個物ではないと考えたほうがわかりやすいですね。
.. ノ .ュ
{ ..ニj 属性は個物に属して現れますが、それ単体で存在しないんです。
. | "ツ
. 人がいなければ髪型もなく、ツインテールが存在しえないように。
.
____
/ \
/─ ─ \ 確かに属性というと概念的な存在っぽさがある・・・!
/ (●) (●) \
| (__人__) | ツンデレもツインテールも概念上に存在しえるが
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / ) 誰の髪でもないツインテールなんてものは物理的に存在しないのか!
| |__\ “ /
\ ___\_/
____
/ \
/ \ / \
/ (●) (●) \ これは同時に、属性そのものは状態を持たない=変化しないということでもあります。
| ´ |
\ ⌒ / ツインテールの定義は変わるかもしれませんが
/ ̄ ̄ヽ \
(「 `rノ \ 定義が変わったことで属性がどういうものかが変わるわけではありません。
ヽ ノ \
| | 「\ \ 誰かのツインテールが勝手にポニーテールになったりしないということです。
.
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ 概念を書き換えて現実に影響を与えるのは
/⌒(__人__)⌒::::::::\
| |r┬-| | フィクションだけ、と。そりゃそうだお。
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
____
/⌒ ⌒\ 属性は他にも色々と取り扱い注意な特性がありまして。具体的には
/( ●) (●)\、
/ ___'___ \ ある「種」のものが属性を持つとき、「無」を含むべきではない。というものとか。
| |r┬-| |
\ `,. -'"´´ ̄`ヽ 例えば、人は髪型としての属性を持ちますが、髪型のない人はいないでしょう。
/ (___ |
/ | 髪が無くてもスキンヘッドですし、
( ̄ |
 ̄ ̄ ̄| | 特定の髪型にしてなかったらそれは特筆するものでもない髪型です。
.
____
/ \
/ ─ ─ \ 色が無かったら無色だし、
/ (●) (●) \
| (__人__) | 職が無ければ無職だお?
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
| ,⊆ニ_ヽ、 |
| / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
____
/ ノ \\
/ (●) (●)\ 単に無色とすると、透明なのか白一色なのか真っ暗で見えないのか
/ u ___'__ \
| `ー'´ | 色指定を忘れたのか区別がつかないんですよ。
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / / 「無い」を正しく扱うのは非常に難しいのでまったくお勧めできません。
/ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| l | ノ / ) / 使いたければ、無色透明という色、として使うと混乱しにくいです。
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / / 創作物の属性で未設定なら未設定としておきましょう。
.
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ 確かに単にモブの名前が未設定なのと
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ < 理由があって名無しなのは物語的に大違いだお
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
___ あと、覚えておきたいのは真のイデアにたどり着けないのと同じように
/ \
/ \ , , /\ 真のツンデレとか真のツインテールとかは存在しないということです!
/ (●):::::(●) \
| ___´__ | 具体的にどんなツンデレとか誰のツインテールのほうが可愛いとか
\ |r┬-| ,/、
, -‐ (_).ヽ`ー'´ ィヽ どちらの色がより白いとかは有りますが、真の白とかはありません!
l_j_j_j と) i
 ̄`ヽ | l 真の白は一見ありそうですが、明るい白とか暗い白とか明度で変わっちゃいます!
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \ よいこのみんなは「真のツンデレとは何か」みたいな議論しないでくださいね!
/ ⌒ ⌒ \ )
/ (>) (●)ヽ むしろ具体的にツンデレのバリエーションを考えるほうがアリストテレス的です!(マジ
| // 、__',_, // | =3
\ ,/ アリストテレスは言いました。ロゴスによって差異を具体的に述べることこそが
⊂ヽ γ ヽ
i !l ノ ノ ! それがどのようなものであるかをはっきりさせることだと!
⊂cノ´
色んなものがあるし細かい違いもある、それがわかるのは実に楽しいと!
.
.
___
/ \
/ \ , , / \ アリストテレスすごいな!
/ (●) (●) \
| (__人__) | 細部にこだわるとかオタクっぽい!
\ ` ⌒ ´ ,/
ノ \ しかも知るのが楽しいというだけでこんなめんどくさいことを考えたのか!
._i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
( l l l l l
ヽ /
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | あれ?プラトンみたいに「善」を求めたりはしなかったの?
ヘ  ̄`、__) |
ヽ |
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
.
.
___
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\ もちろん「善」を求めましたが、それは哲学者としての行動です。
/:::::: __´___ ::::::: \.
cー、 | |r┬-/ ' |⌒,一っ 個人としてはもちろん善性を持つ人間であることを実践していましたが、
,へ λ \ `ー‐' / 入 へ、 プラトンみたいに国レベルで実践の機会を狙ったりはしませんでした。
<<</ヽ /\))) 教え子であるアレクサンドロス大王が世界を征服したときに、
もしプラトン師匠だったら積極的に参加して哲人国家を作ったでしょうね。
____
/ ノ_ ヽ,, \
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧ アリストテレスはその本質が研究者です。政治家でも聖人でもありません。
/ ___'__ \
| |r┬| | 講義のつかみで学生や教授陣をいじったり、
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / / アカデミアの学長を囲んでの議論で学生が黙ってたら
/ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| l | ノ / ) / 「おらおら学長ばかりにしゃべらせてんじゃねえぞ」と学生を煽ったり、
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / / 著作にしれっとジョークが混ざっていたり、割とフリーダムです。
.
.
/ ̄ ̄\
/ \
/ ヽ ノ u \
/´| fト、_{ル{,ィ'eラ, | なんか大学に普通にいそうだ
/' \ .(__人__)⌒` /
,゙ / )ヽ(,`⌒ ´ / ヾ、
|/_/ /  ̄ ̄ ̄ ヽ
// 二二二7 __ `ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ -‐ \
/ // 广¨´ /' ´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ `ー- 、___ ヽ }
_/`丶 /  ̄`ー-- {. イ
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) |
. | (__人__) │ さて、属性についての話が一通りおわったところで
| `⌒ ´ |
. | | ソフトウェア的な意味での属性の話をしなきゃならん。
. ヽ /
iヽ / i
| ー-―' _|
,,,,,,,.... _,,. -‐''"´ ゞ `゛''‐- .,,_ __....,,,,,,,
/ /"" ー‐---、 /ー‐--- "''ヽ ~ヽ、
./ ヘ / ソゞ Y ゝヘ ヾ ii
i ミ Y 〆ミ ミ|彡 三ヽ ソ /i
ヽ 人 入___ 水 》 ノヽ/
¦ 丶ヘー ヽ_三 __彡|ゞ,,__ /ゝ' | |
|ヽ || |ー―┬ーー''""''''''ー┬ー--‐/| ヽ、 |
| | |ミ< ヽ、___::;;::_ ノ 彡 / |/|
, ¨¨¨¨¨
. / | il i \
〃 u i l| | | u ゙ 急に出てくんな!びっくりするお
{ (_人_) ! ∨
|ililililil| u !
\ 人ilililil}
ト、__、_ , イ
. 乂__| ト .._ 「
. | 人_ ∨
. | ∨
.
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ○)(○) ずっとアリストテレスの話されると出番がなくなるんだよな・・・
. | し (__人__)
| ` ⌒´ノ で、オブジェクト指向的な属性の話だが、全てはオブジェクトであることを覚えてるよな?
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
__ _ノノ ヽ、 ,仆---、__
⌒ヽ. \ / ⌒ヽ
Y´ ̄ ̄ ̄ ̄ `Y´ ̄ ̄`ヽ `、
`ヽ | | } i
ノ | | 丿|
)、 人 / ̄ ̄``ン
ヾヽ`ー─── ¬  ̄ ̄´
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
__ | ( ●)(● ) | オブジェクトは個物であるから、全ては個物だ。
/`:、  ̄`i | (__人__) │
,/ヽ. ,マ | | `⌒ ´ | だからソフトウェア的には属性は同時に個物でもある。
/ r一^ー‐' | |、
. . ' | .ヽ / 〉ー 、 ツンデレ属性があったらツンデレオブジェクトが存在する。
. ,′ j , -‐ 、 ノ ヽ // \
/ ,z< ヽ,,ィ¬ー―'´ ` ー--一'' ´ \
j / ー-、 ノ / ` ー-、 l ノ -一 ´ ̄ `ヽ \
{ ヽ '´ `' `ソ /¨´ ,ィ´ ' , ヽ.
`ー― 、 { / { i ヘ
`''< ミヽ 人 / ヘ 人 ∧
 ̄ ̄ ̄´`ヽ' ヽ ,イ ,,ノlヽ フ´ `i´ ',
ヽ  ̄ `ー一 ' 勿`ー一イ i ',
\ソ j ` ー'´ ̄ ヘ {.._ i .i
ヽ ト、 ヽ _,,...z-一'" `ヽ l .|
Yヘ >;-一'"´ >一' ソ |
l } ∧二、 ヽ ` ̄ ̄ 」
| キ ヘ三ヘ __}ァー……┬-、 __ノ
|人 `¨''´ |  ̄
_ --― - 、
_,__'´ \ `ヽ、
(´ ,) (´ ̄ `) ヽ ツンデレオブジェクトって具体的にどういうものか
/ ̄  ̄ ̄ i
,' l、_人 ノ l 全く想像できないお・・・!
i l .l  ̄ , u l
ヽ l l / /
`.l、_ノ__ /
`l `、
/ ヽ、
__/ _/ `ヽ、
`ヽ、_/l <_/ l
l l
ヽ、 /
`l _,- /
l / /
/ ./ヽ、〈
 ̄ `
.
_. -‐--‐=≠‐、‐ 、....__
/' ヽ ハ/ ̄ `ヽ  ̄¨¨ ‐ .
{/ } L._ ノ`i ノ ヽi`ヽ、 `ヽ.
/ : ゙ハ ! (● (● ,.ゝ、_....=- ' ! 俺も想像できない。だが、ツンデレを定義してメモリ上に展開しないと
{ :. ノリ ハ (__人_)」 `r' /,'
}. `Y´`< .ゝ、 ⌒/ ヘ. ; _.ノ/ ソフトウェア的に存在しえないんだ。
{ i /´ ; \<`ァァ' i. / /
ヘゝ-=ゝ、i ヽ./´ ;Y__ .. イ 概念が物理的(電子的)に存在する、と思ってくれ
! ´ ハ Y /´}
i ,リ} 。 キ /` リ ツンデレオブジェクトにはきっとツンデレっぽい台詞とかが入ってる。
', ヘ. / ゚∧ /
', ` ヽ`=--≠ゝ、.ィ、 /
ヘ xヘ.ヽ__ .......;,.....ノ.∨
∨ヽ. ゙{ !. ;ィ'!
| \Y `¨¨`: i'¨´i,ハ
{ ` キ ‐--'c--'i }
Xミ:.、. ヘ. / メ.
i .' ` ーミミ‐-==-‐≠.ヽ.
! ; ヘ ヘ. `Y :._\
゙! / ヽ. ハ. リ 、 ` ヽ.
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ', だが、この現実世界の属性は個物でないことと
ヽ ノ `フノ-‐ュ',
〈゙y'´ ´ '´,≠-, ソフトウェア的に属性は個物であること両方を説明してる人がいない。
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶. そもそも区別していない人も多い。
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、 こんな細かいことにこだわってるのはきっと俺だけだ。
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ', だが、そのせいで「属性とは何か」が
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ',
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ! 人や説明によって変わってしまう。
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / }
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' /
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / /
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
.
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ そんなバカな。
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/ プログラマはちょっとアレな人が多いし
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ 偏執的に細かく説明する人がいるもんだお。
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | | やらない夫も十分偏執的だけど。
\. ィ_ノ .| | |
| | |
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ オブジェクト指向と属性でググってみろ。どっちかの話しかしていない。
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi QiitaのUMLの説明とかはPCの属性としてメーカーやCPUを挙げてる。
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ CPUの周波数とかなら属性だがCPU自体は立派な個物だ
゙| `i Y リ'´゙Y
! ハ 。 i! 。! !
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. / 簡単に言うと、データと属性の区別が全くついてない。
', 、.X`、 i `个ィ/
Y ミ ` Y⌒∨ i' 属性が個物であってもいいが、
| ヘY ー-<>ー1 |
{ ミ、._ :' __ノ リ 逆に個物を属性にすると大変なことになるんだがな。
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ!
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・
. | (__ノl (⌒ (●) | 具体的に言ってくれないとわからんお。
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
.
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } 具体的に言うと、あるキャラクターが髪型プロパティを持っていて、
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 今現在、それはツインテールオブジェクトであるとする。
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、 また、ツインテールオブジェクトはメモリ上に存在して
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム きっとそこにはツインテールの見た目が格納されている。
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/ このツインテールの見た目を変えると、連動して
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' / あるキャラクターの髪型が名前はツインテールのままに
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´ 見た目がポニーテールになったりモヒカンになったりするわけだ
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
¨¨¨¨¨ 、
/ i l! | \
′u | | |l ! u. ヽ
/ ! (___人___) } それは嫌すぎる・・・!でもなんかバグでありそう!
i u !ililililil| /
! {ililililiノ /
ゝ イ..ノ}
7 ..ノ} ! ノ
/ .ノ |´
/ |
.
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ ヽ
(≡)(≡) i それを防ぐための手段も研究されている。
(人__) ,∧
|⌒´ /,ハ 具体的には、ツインテールオブジェクトを「変更不可能」にすればいい。
| , '" { ` ̄ ̄`ヽ、.._
ヽ_ / \ ', 人 ゙ヽ、 だが、これは「それが属性であるから変更不可能にする」と
|\ , `ヽ. ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
/', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ i } 意識的にやらなければいけない。
/´'´ ̄7´ `/ / ,' } ,{
/ } 人 ! : ,∧ノ ゙i
{ _,ノ -‐‐-}-- 、 { , '"´、 ∨, } だが属性の説明をきちんとやらないからどれが属性かわからずに
/!,.ノ`ヽ. { ヽァ-、,/i ヽ∨!
/ , }\ ヽ i r'´ } ,.-‐'" ',.}' どのオブジェクトが「変更不可能」であるべきか、みたいな
,∠',{ リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、 /|
/ ∨ ,..-‐-、ノ ゙i‐‐-/´ ', / | 場当たり的な議論が発生してしまうんだ。
八 リ 〉 `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ / |
/,....-、.._ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ
(ー- '"Y ノ \_>―--=、._ ,..-‐'"´ヽ. ',
( ニ二'ノ/ 〉ー---‐'" / ノ ', }
ヽ--'′ / 〉 、"´ /′/ ', }
/ ;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;|
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l 最近、変更不可能(イミュータブル)なオブジェクトが再注目されている。
| (__人__) ;;;;;;;;il
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ そのデータが変更不可能であるかはそれが数または属性であれば
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_ 変更不可能であると断定してしまっていいはずだ。
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、 俺たちはこの属性というものをもっと研究してもいい。
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ,
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ でもソフトウェアと現実とで属性と個物の関係が違いすぎるお
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ // ∩ノ ⊃ ちゃんと扱えるの?
( \ / _ノ \/ _ノ
.\ “ / . \ “ /
\ / /\/
\ \
\ \ \
> > >
/ / /
.
____
/ \
/ \ / \
/ (●) (●) \ そのためには改めて「個物とは何であるか」を定義しなければなりませんね!
| ´ |
\ ⌒ / スカイツリーみたいな「それとして存在するもの」が個物とは言いましたが
/ ̄ ̄ヽ \
(「 `rノ \ これは個物の定義ではありませんからそこのところをしっかりと!
ヽ ノ \
| | 「\ \
____
/ \
/ -‐´ `ー\
/ (●) (●)\ そういや個物の定義は聞いてなかったけど
| (__人__) |
\ ` ⌒´ / またややこしい話をするのかお・・・
> ー‐ <
. / / ̄彡ミヽ、
/ ヽ / / ヽ ヽ
ヽ. Y / | |
ヽ ノ ヽ ノ
.
____
/ \
/ ─ ─ \ いえ、なぜ個物は個物であるのかなんて話してもしょうがないのでしないです。
/ (●) (●) \
| __´ _ | なんせ既に存在してしまってるので。
\  ̄ ,/
r、 r、/ ヘ だから、具体的に説明するとこうなるんだよって話だけです。
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
\>ヽ/ |` } | |
ヘ lノ `'ソ | | 本格的に存在について考えたいなら近代哲学に進んでください。
/´ / |. |
\. ィ | |
| | |
____
==/ \ 彳 というわけで次回!存在とは何か!
--=--- ― ― ===彡
(●) (●) \ 彡 アリストテレスが言葉を分解してその定義を話すだけなので
== _´___ ===三 /ヽヽ
\`ー' / /ヽヽ \ お話としてはちょっと面白くないと思います!
‐‐‐‐=丶 _ ‐‐‐'´==彡 \ _
`Y´ ‐‐=‐‐‐ _ ∠、
‐‐==‐ || ∠、 oノ
|| oノ /
/ /^ヽノ
/^ヽノ
i|i
/⌒ヽ  ̄ ̄  ̄  ̄ ィヽ
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
.
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \ いや面白くする努力しようよ
| u , (__人__) U |
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
10.形而上学その1:種と類
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \
/ ⌒ ⌒ \ ) それでは形而上学を始めるとしましょうか!
/ (>) (●)ヽ
| // 、__',_, // | =3 プラトン師匠のイデア論は覚えてますね?
\ ,/
⊂ヽ γ ヽ アリストテレスはプラトン師匠の弟子でイデア論を超えた
i !l ノ ノ !
⊂cノ´ 「それは何であるか」を正確に表現する方法を研究したんですよ!
/ ̄ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ 説明したのはだいぶ前のような気もするが覚えてるよな・・・?
| ( ●) | ____
| U (__人). / \
| ⌒ノ. / ノ \ \
ヽ } / (●) (●)\ えーと、「それは何であるか」を考えるために
_ > } | u (__人__) |
 ̄ ̄` 、__ノ \ ` ⌒´ / 今、何の話をしているかの「何」に当たるのがイデアだお。
 ̄`'‐- 、 > ー‐ <
ヽ / / ̄彡ミヽ、
V ヽ / / ヽ ヽ
ヽ Y / | |
入 ヽ ノ ヽ ノ
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ そのとおりだ!
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 「善とは何であるか?」「それは善であるか?」
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト を検討するためだな。
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ 物理的に存在するものもしないものも
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ / イデアで「何かである」として検討できる。
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
.. ____
/ ― -\
. . / (●) (●) まだいたのかプラトン
/ (__人__) \
| ` ⌒´ |
. \ /
. ノ \
/´ ヽ
般若心経では出番なかったけど今は弟子の出番だから補足もするぜ>
___
/ \
/ ⌒ ⌒ \
/ (⌒) (⌒) \
| ___´___ |
ヽ、 `ー '´ / プラトン師匠は「善」とか「美」とかを検討するのが好きだったんですが
ノ \
.
.
.
.
/ ̄ ̄ ̄\
/ _,ノ ⌒ \
/ (●) (●) \ 善とかの話題は抽象的というか観念的というか具体的が出しにくいので
| 、 ´ |
\  ̄ ̄ / 物理的に存在するものを題材にしましょう。東京タワーとスカイツリーにしときましょうか。
ノ \
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ 今まで使ってきた木彫りのクマーが続投するのは?
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
___
/ \
/ ノ ヽ \ 似てるけど違うもの、くらいが説明しやすいんですよ。
/ (●) (●) \
| ´ | 木彫りのクマーはみんな同じ姿をしてるのでちょっと使いにくいんですよね。
\ ⌒ /
ノ \ 必要な時には使いますけど。
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | まずは前提の確認から行きましょうか。
/( ●) (●)\ ! !
/ ::::: __´___ :::::\| l 東京タワーもスカイツリーも知ってますね?
| `ー'´ | /
\ // 両者は一本づつ存在して、前者は芝公園に、後者は墨田区押上に立っています。
/ __ /
(___) / 両者はそれぞれ個物(特定できるもの)として存在するということでいいですね?
.
___
/ \
/ \ , , / \
/ (●) (●) \ もちろん知ってるお!
| (__人__) |
\ ` ⌒ ´ ,/ 最近のメガテンにスカイツリー出まくってるし!
ノ \
._i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
( l l l l l
ヽ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) メガテニストなんだがハード持ってなくてP4P5遊んでないんだよな・・・(P3は借りた)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ PS4買おうかなあ・・・
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
| |
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\ (;;;;;;(
/ =▲▼--▼▲ );;;;;) 両国に住んでるからスカイツリーは部屋から見えるし
| /(__人__)ヽ;;;/
\ `⌒┃/ / 毎週あそこの横を通ってるわ。
・ノ
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ よろしい!では次の確認です。
/ ___'___ \
| |r┬-| | 東京タワーとスカイツリーは同じものですか?
\ `,. -'"´´ ̄`ヽ
/ (___ |
/ |
( ̄ |
 ̄ ̄ ̄| |
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ 今、別々のものだって確認したばっかやん
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
____
/ \
/ _,ノ ⌒ \ よろしい両者は別々に存在するものです!では次の確認です。
/ (●) (●) \
| 、 ´ | *1 東京タワーとスカイツリーは似ているものですか?
\  ̄ ̄ / ( ⌒)
/ \
____
/ \
/ \
/ ⌒ ー \
| (●) (●) | うーん似たようなもんだとは思うけど見た目は結構違うし
\ (__人__) /
/ `⌒ ´ イ`ヽ、 微妙なところだお・・・
, ' ` ̄ \
____
/ \ それでいいんですよ。では本題です。
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 東京タワーとスカイツリーみたいなものが日本中に立っています。
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ これらをまとめて扱いたいときに東京タワーとスカイツリーと札幌テレビ塔と・・・
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | みたいに個物の集団として扱うのは面倒なので一言で表したいです。
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | 共通した呼び方はないですかね?
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \
/ (●) (●) ヽ 東京タワーとスカイツリーと札幌テレビ塔なら「塔」でいいんじゃないの?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ __,/ 他に増えたら「材料が変わったら検討しなおす」だけだし
/ \
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| トン
_(,,) 塔 (,,)_
/ | | \
/ |__________」 \
/ ̄ ̄\
/_ノ `⌒ \
_ .| (● ) (⌒ ) .| おいおいやる夫。俺たちは技術屋だぜ?
| ! | (__人___) |
| ! | ` ⌒ ´ .| 塔と言っても色々あるがこれらは全部「電波塔」だ
| ! ,.-,| |
._,ノ ┴、/ ,/ .| / 展望台とかもあるがおまけみたいなものだしな
.r `二ヽ ) i ヽ /
.| ー、〉 / 〉 <
.| r_,j j / ̄ '' ̄ ⌒ヽ
.| ) ノ/ { ィ, }
ノ ,/ | |{ |
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ミ ミ __ ゝ 〈
ト ノ ミミミ iニ*2 後世の生物学者が優秀すぎたおかげでこんなことに・・・。
.
____
/ ― \
/ (● ) ヘ\
| (⌒ (● ) | こんなことにって、なんか不都合でもあるのかお?
ヘ  ̄`、__) |
ヽ |
, へ、 _/
| ^ヽ
| 1 |
____
/ \
. / ノ ' ヽ\ 「種」というのは今どの分野の話をしているかで変わってきます。
. / /)(ー) (ー)u\
| / .イ ' | アリストテレスは政治や教育の話をするときは生物学的な話はしません。
. /,'才.ミ). ⊂つ /
. | ≧シ' \ 人を市民とか奴隷とかに分類―つまり社会的な種で分けます。
/\ ヽ ヽ
.
___
/ \
/ ⌒ ⌒ \ でも生物学的な種を使いすぎたせいで、それを学んだ人間は
/ ( ー) (ー) ヽ
| u ___`___ | みんな、ある生物が何であるかを考えるときはまず生物学的な種を考えちゃって
ヽ、 `ー '´ /
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ それは人である、だのそれは犬である、だのにこだわる人が出てきちゃって・・・
\ ヽ / \ ヽ /
.
____
/ ∪ \ さらに後世の生物学者が誰も反論できない正確さで分類しまくったせいで
γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ
/ _ノ (>)三(<) \ `、 「種」には厳密で客観的な基準があると思い込まれちゃって
( <:::∪:::: __',__::::∪| )
\ ヽ ::∪:: `ー'´∪::// 分け方を変えると「それはおかしい!」って抗議する人が出てきちゃったんです。
.
_____
/ノ \. \
/(●) (●) \ ちょっと落ち着くお
(⌒(⌒(⌒ヽ / ∪(__人__) \
\ ヽ ヽ (⌒) | `⌒ (⌒(⌒(⌒ヽ|
ヽ::::::::::: |. \ ヽ ヽ ヽ |
ヽ ( ヽ / (⌒)::::::::::: |
\ V ! |
ヽ ノ
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 失礼しました。要は「種」を考えるとき、具体的には
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ スカイツリーは電波塔であるか?観光地であるか?を考えるときは
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 電波塔かどうかが重要か?観光地の話か?で明確な意図をもって考えるべきと言うこと、
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | そして「それは何であるか」にこだわったり喧嘩したりしないように、ということです。
.
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ やる夫スレでやる夫が人間であるかより
/⌒(__人__)⌒ \
| ) ) u. | どんなキャラ―主人公だったりわき役だったりの
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ ほうが重要、みたいな話か。
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
.
.
<そんな感じです
____
/ \
. / _,ノ ⌒\ そしてこれはアリストテレスが言ったことではないですが
l^l^ln (●) (●) \
ヽ L 、 ` | 「もの」は認識の数だけ存在しても構わないって話を覚えてますか?
ゝ ノ  ̄ ̄ /
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
.
____
, ヘー‐- 、 /ヽ / \
-‐ノ .ヘー‐-ィ /(●.) (● )ヽ もちろん覚えてるお!
''"//ヽー、 ノ ./:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ
//^\ ヾ-、.| |r┬-| | ものを部分と部分に分割しても
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)\ `ー'´ /
/ <^_,.イ `r‐'゙ ::::ヽー‐-..、 ,..-‐|、 元のものはなくならないから増える一方だって!
\___,/| ! ::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| \
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ そのとおり!だからスカイツリーも分割していいんです!
/ (●) (<) \
| ___'___ | 電波塔としてのスカイツリーと、観光地としてのスカイツリーに!
\ ` n´ ,/
/ | | \ そして場合によって都合よく使い分ければいいんです。
.. ノ .ュ
{ ..ニj
. | "ツ
.
___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒) \ なるほどそれなら「それは何であるか」で喧嘩することもないお!
/ ///(__人__)/// \
| `Y⌒y'´ |
\ ゙ー ′ ,/
/ヽ ー‐ ィ⌒ヽ
rー'ゝ 〆ヽ .)
ノヾ ,> ヾ_ノ,ヽ}
ヽ ヽ| ヽ_ノ
/ ̄ ̄ ̄\
/ ノ ヽ \ ただし、アリストテレスはこの二つを同時に扱うことをしませんでした。
/ (●) (●) \
| __´ _ | 別の側面を同時に扱うと話がややこしくなるから、建造物としては電波塔、
\  ̄ /
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ 経済的な話をしているときは観光地、みたいに分野で分けたんです。
\ ヽ / \ ヽ /
___
/ \
iニーヽ /─ ─ \
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \ ひょっとして学問の分野が分かれてるのは
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) u |
⊂ ヽ∩ `ー´ _/
'、_ \ )
\ \ / /|
|\ ヽ / |
.
____
/ \
. / _,ノ ⌒\
l^l^ln (●) (●) \ アリストテレスが分けたから、ですね。その前は全部哲学でしたから。
ヽ L 、 ` |
ゝ ノ  ̄ ̄ / これによって話は簡単になりましたが学問が分断されてしまいました。
/ / \
/ / \ アリストテレスが「それは何であるか」の色々な側面を
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒)) 同時に扱うようにしていたら、学問の体系は変わっていたでしょうね。
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ そしてこの「種」ですが、ぶっちゃけて言うとこれは
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ 「イデア」を雑に扱ってもいいように改良したものです。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
.
, -―ー- 、
/ノ ヽ、_ ヽ て
'== === 、 そ
' = == l 雑に扱うの!?
{ 〈_,ィ、_,ノ }
、. レ'_,ノ .. ノ 師匠が作ったものなんだからもっと
> <、
/ ー―- .、 r 、 ヽ、 大事にするべきじゃないの!?
`ー―- 、_ノ l \ \
,' l ヽ _,ノ
l |
弋 イ
| /ー ―一、 |
し 、_,!
____
/ \ 雑に扱えるほうが頑丈ってことで色々に使えるんだよ。
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ それが「イデア」には問題が山ほどあってな・・・
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / イデアはイデア界にある、ということにしたのはいいんだが
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト イデアのイデア―定義の定義があったら
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ イデア無限に増えるんじゃね?イデア界に入りきらないんじゃね?とか
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ / イデアを現実に反映するメカニズムとして「デミウルゴス」を作ったりとか。
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. | メガテニストならデミウルゴスも知ってるだろ?
.
____
/ \
/_、 ,,/" \ メガテンのデミウルゴスは偽の神みたいな悪魔だけど
/ (●) ゙(●) U \
| (__人__) | プラトンが作ったのか・・・
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / ) あと「異世界」はありだけど「無限」はなしって普通逆じゃね?
| |__\ “ /
\ ___\_/
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ミ ミ __ ゝ 〈
ト ノ ミミミ iニ*3 スカイツリーは塔でもあるし電波塔でもあるわけですが、
\  ̄ ̄ / ( ⌒) 塔は電波塔のより大きい括りです。
/ \ すると電波塔のイデアは塔のイデアを持っているか?
みたいな話になって無限に続くのでイデアでは説明しにくいんですよ。
/  ̄ ̄ ̄\
/─ ─ \
/ (ー) (ー) \ めんどくさい話やね。
| (__人__) |
\ `⌒ ´ /
__/⌒ ヽノ \
/⌒(___/ | `i
(___)⌒ヽ / / ̄ ´
. __/ /\ /
(___/ ` ─―─― ´
.
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ まったくもって面倒な話ですし、どうやって成立させたかは実のところ覚えなくていいです。
/ (ー) (ー) /^ヽ
| __´___ ( / 〉| 今と昔では論理のルールが違いますしね。ただ結論だけ覚えると言うのも芸が無い。
\ `ー'´ 〈 / ⌒^ヽ
―――――――― \ _ _ _ ) つじつまが合うように工夫して基本的なルールを作ったことだけ覚えておきましょう。
____
/ \ そしてこの分類のルールですが、類は同じように扱える種をまとめただけのものです。
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 建築物としてみたときは電波塔とか見張り塔は全部「塔」でいいよねくらいのノリで。
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ そしてこのとき「スカイツリー」は何であるか、は建築物と言う視点において
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 「個物」は具体的に言うと「種」であり、大雑把に言うと「類」である。といえます。
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | 「スカイツリーは具体的に言うと電波塔であり大雑把に言うと「塔」である」となるわけですね
それは個物であるか種であるか類であるか?で迷ったらこの文に当てはめるといいです。
____
/ \ そして忘れてはいけないのが、その視点で「同時に別のものであることはない」
/ _,ノ ⌒ \
/ (●) (●) \ 電波塔であり塔であり、(別の視点では)観光地である、はOKですが
| 、 ´ | *4
\  ̄ ̄ / ( ⌒) 塔であると同時にピラミッドであることはできません。
/ \ ピラミッドを塔に分類するのはちょっと難しいですからね。
.
.
__ _
_,rーく´\ , --、 /⌒ ⌒ \
,-く ヽ.\ ヽ Y´ / /(●) (●) \ じゃあ塔みたいに細くて高いピラミッドつくってやるお!
{ -! l _」_ノ‐′/ / (__人__) \
ヽ ゙ー'´ ヽ / | . `Y⌒y'´ | これなら塔であると同時にピラミッドでもあるな!
ゝ、 ノ_ イ \ ゛ー ′ ,/
ヽ | / ー‐ ヽ アリストテレスの分類法に当てはまらない例が作れたお!
___
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\ 何を言ってるんですか。自分で「塔みたいに細くて高いピラミッド」
/:::::: __´___ ::::::: \.
cー、 | |r┬-/ ' |⌒,一っ って言ってるじゃないですか。それならそれはピラミッドであるか
,へ λ \ `ー‐' / 入 へ、
<<</ヽ /\))) 「塔みたいに細くて高いピラミッド」という新しい何かです。
.
.
.
/ ̄ ̄ ̄\
/ / \ \ そう簡単に反例はつくれないか。
/ (●) (●) \
| (__人__) | そういえば「種」をまとめると「類」になるって言ったけど
\ ` ⌒´ /
/ \ 「類」をまとめたら何になるんだお?
/ ̄ ̄ ̄\
/ ノ ヽ \ 「類」をまとめたものも「類」です。というか、種も類も同じようなもので
/ (●) (●) \
| __´ _ | ただどちらがより広い範囲の個物を含むか=具体的か大雑把かで
\  ̄ /
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ 呼び分けているだけなので、入れ子になって無限に続きます。
\ ヽ / \ ヽ / だから普段は「種類」で、区別する必要があるときだけ呼び分ければいいです。
.
____
/ \
/ ─ ─ \ 本当にざっくりしてるんだな。
/ -=・=- -=・=- \
| (__人__) U |
\ ` ⌒´ /
ノ 、 、
. (● ●).! ___,........._
|(人__) | `ヽ、....._ `''ー―=-――― 、 さて、そろそろ一度プログラムとしての話をするか
ヽ ノ__ __, rァ ヽ ヽヽ
r―'' ‐'´ __`二´ ̄--―‐ゝ `>ー―‐ 、 -、 / l つまり、オブジェクト指向において
/ i !_ ノ/ 〈 r―――゙‐'" }
/ ,|´‐、` / ヽ `ヽ ノ 種とは何かという話だな。
ノ / j ! r-‐'''' - 、 l} }
/ / /__'__」 `''ー- 、_`'' ∧ { プログラマじゃない人は
/ / |::::::::::::::| `'ー{ ヽ ノ
| | |::::::、::::::::| | ,.イ / 「呼び方違うんだね」くらいに捉えてくれ。
{ ij |::::::::li::::::::| ,j..ノ/ /´
ヾ |::::::::|.l:::::::| / ノ/
.l:::::::| .l:::::::| _,/''7'''ー'゙
|::::::} |::::::} _,..... - '゙ //
|::::::| .|:::::| `ー―‐'゙
.
.
.
.
____
/ \
/ ─ ─\ 脱ぐのも久しぶりだな
/ ‐=・=‐ ‐=・= \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ̄ ̄\
/ヽ_ |
n *5
|
\ __ /
_ (m) _
|ミ|
/ `´ \
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ 属性!RPGなら火属性とか氷属性とか!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| | ギャルゲなら妹とかツンデレとかのあれか!
\ `ー'´ /
___
/ \
/ \ , , /\
/ (●):::::(●) \ まさにそれです!ですが「分類」と「属性」の違いって分かりますか?
| ___´__ |
\ |r┬-| ,/、 具体的には、ヒロインが「ツンデレである」と「ツンデレ属性をもつ」との違いです!
, -‐ (_).ヽ`ー'´ ィヽ
l_j_j_j と) i
 ̄`ヽ | l
.
.
_____
/ノ \. \
/(●) (●) \ えっそれ違うの?ていうかその話していいの?
(⌒(⌒(⌒ヽ / ∪(__人__) \
\ ヽ ヽ (⌒) | `⌒ (⌒(⌒(⌒ヽ| 怖い人たちたくさんいるよ?
ヽ::::::::::: |. \ ヽ ヽ ヽ |
ヽ ( ヽ / (⌒)::::::::::: |
\ V ! |
ヽ ノ
____
==/ \ 彳
--=--- ― ― ===彡
(●) (●) \ 彡 具体的なキャラ出さなきゃ大丈夫です!きっと!
== _´___ ===三 /ヽヽ
\`ー' / /ヽヽ \ 次回、「それはどのようなものであるか」!
‐‐‐‐=丶 _ ‐‐‐'´==彡 \ _
`Y´ ‐‐=‐‐‐ _ ∠、
‐‐==‐ || ∠、 oノ
|| oノ /
/ /^ヽノ
/^ヽノ
i|i
/⌒ヽ  ̄ ̄  ̄  ̄ ィヽ
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
.
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \ 作者曰く怖いからヒロインを増やす気はないってさ
| u , (__人__) U |
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
*1: ∩
*2:)
i { _____ | ヽ
i ヽヽ (ミ彡 /ヘニヾリン \ i ノ }
| :;:;:;:; i /=▲▼--▼▲=\ {、:;:;:;:;:;λ 近所と言うにはちと遠いが住人からすると
ト-ー┤. / /(__人__)ヽ \ ,ノ )
ヽ `` 、,_ | ´ ̄` | '´ ハ / あれ電波塔と言うより観光地じゃね?
ノ ノ 、´、,_\ /" / /
;、  ̄`゙゙゙゙`Y´"""´ ̄ / ;′ どれもシンボルとして建てられたもんだしな。
ヽ、~ ヽ :;:;:;:;:;|:::: ノ / ~ノ
ヾ ト ........人........ / r´′:; 電波飛ばすだけならあんなにテナントとか要らねぇし、
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 | 観光地 │| 建設経緯を考えると電波飛ばす機能のほうがおまけだ。
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
____
/ \
/ \ / \
/ (●) (●) \ 正解はもちろん
| ´ |
\ ⌒ /
/ ̄ ̄ヽ \
(「 `rノ \
ヽ ノ \
| | 「\ \
n
l^l.| | /)
| U レ'//)
___ ノ /
/ ⌒ ⌒\ rニ |
/ (⌒) (⌒)\ ヽ /
/ /// ___´___ ///\ / ` /
| `Y⌒y'´ | / 全部正解です!
\. ゙ー ′ ,/ /
/⌒ヽ ー‐ ィ /
/ rー'ゝ /
/,ノヾ ,> イ
| ヽ〆 |
.
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ いや流石にそれは適当すぎね?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ 塔と電波塔は正確さと言うか厳密さ?の違いがあるだけで同じとしても
r、 r、/ ヘ
ヽヾ 三 |:l1 ヽ 観光地ってまったく別モンじゃね?
\>ヽ/ |` } | |
ヘ lノ `'ソ | |
/´ / |. |
. \. ィ | |
| | |
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \
/ ⌒ ⌒ \ ) 別モンでいいんですよ!ていうか別モン―別の側面だからこそいいんです!
/ (>) (●)ヽ
| // 、__',_, // | =3 ペルソナって知ってますか?
\ ,/
⊂ヽ γ ヽ
i !l ノ ノ !
⊂cノ´
___
/ \
/ \ , , / \
/ (●) (●) \ メガテニストだからもちろん知ってるお!
| (__人__) |
\ ` ⌒ ´ ,/ 人間の色々な側面だお!
ノ \
._i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
( l l l l l
ヽ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) PS4買ってP5やるなら今だよなあ・・・
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
| |
____
/ \ ユングは人の心が色々な側面を持っていることを説明するために使いましたが、
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 心だけでなく、なんだって側面を持っている。
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ いや、「ある視点から見たそれ」こそが「それは何であるか」というべきですかね。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | アリストテレスは「ある視点から見て」「ある個物」と「ある別の個物」が
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | まとめて「〇〇」として呼べるとき、この「〇〇」を「種」であるとしました。
.
.
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ 種類の種か。
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ < やる夫は人間である、みたいな?
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
____
/ \
. / _,ノ ⌒\
l^l^ln (●) (●) \ そうですね、種は明確な意図をもって定義するべきものですが
ヽ L 、 ` |
ゝ ノ  ̄ ̄ / 単に「種」と言えば生物学的な種を指すことが多いですね。
/ / \
/ / \ アリストテレスが最初の生物学者でもあったことと
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒
*3:)
i { _____ | ヽ
i ヽヽ (ミ彡 /ヘニヾリン \ i ノ }
| :;:;:;:; i /=▲▼--▼▲=\ {、:;:;:;:;:;λ 天界や冥界がある時代だからな!
ト-ー┤. / /(__人__)ヽ \ ,ノ )
ヽ `` 、,_ | ´ ̄` | '´ ハ / 異世界を作っても変人扱いされるだけで済む!
ノ ノ 、´、,_\ /" / /
;、  ̄`゙゙゙゙`Y´"""´ ̄ / ;′ むしろ古代ギリシア的には「無限」のほうがアウトなんだわ。
ヽ、~ ヽ :;:;:;:;:;|:::: ノ / ~ノ
ヾ ト ........人........ / r´′:; 当時、無限は説明できないことだったからな。
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 | リアル聖闘士星矢 │| 色々あってそのまま使うと問題ばかりで
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ 「イデア」ですべてを説明するのはちょっと無理!
____
/ \ 「イデア」の欠点をなくすために色々やったんですよ。
/ _,ノ ⌒ \ 例えば、分類ができるようにしました。
/ (●) (●) \
| 、 ´ | (( ∩
*4: ∩
*5:●) | この「種」と「類」は、オブジェクト指向言語において「型」にあたる。
/ス_,.、 _ (ノ、_) |
゙Y.(ニ=ィ' ヽ イ ヘ、 これは、クラスのうち、それが何であるかの部分だけだ。
', "´! └┐ イ { `ー- 、
ヽヾ\. ,. --、_,/{゙ヽ ,ノゝ、/´ ̄`'''ヽ、 そして、特にUMLでは、「種」は「類」を細かくしたものなので
\ ``丶、 ,. -‐-< ` ̄` y' ヽ、 )、
\.. _ ) `〈 __,,.ム } ミ、__ ,/ ヽ 「種」は「類」を特化したもの、
\.` >' ,.フ''"⌒フヽ、 }、 ∧ `ヽ、 ハ
`ー‐‐-=ニ=-'"\、 \_∠=ミー-‐彡八 ,'ヽ ' ', 「類」は(それが含む複数の)「種」を汎化したもの。
ヽ./´‐'"个‐‐- '",λ`ァ-}、'゙ヽ ∧
V,.. -ヘ、_,.._,.ノ' }/ ,' ´! リ/
/八 -‐- ノ // { ,' ,/ そして型が継承できる言語では、
ノ、 ,.彡=' { /ヽ ノ
∧`ー--‐ '´ /⌒} / ,/ 「種」は「類」の「型」を継承している、となる。
i. ヽ / ; v i´ ゙Y
ハ 人 ,ハ ', 'ハ.マ|
/ ', `ヽ 、 、 | ヽ! 子クラス(サブクラス)はスーパークラス(親クラス)の
i /` ! ヽヽ、∨ ',
| ,' ∨ 〉、 : ヽ} i 型を継承している、と言えば経験者にはわかるだろう。
! ,' ', i \', , i
____
/ \
/ -‐´ `ー\
/ (●) (●)\ 型・・・?クラスそのものじゃないとするとインタフェースのことかお?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
> ー‐ <
. / / ̄彡ミヽ、
/ ヽ / / ヽ ヽ
ヽ. Y / | |
ヽ ノ ヽ ノ
.
,... -‐――--- .._
/k' ー-,... ==、ー、`Y
', \ `ーく `弋_リ
i `,r¬ー- 、 __
ヘ ! 、 ハ / `ヽ
\/⌒ `ー,..ム.i._ ./ .
./゙i.__ Y´, _ ̄/ ! ノ/
| /´ ̄K/ r' ノ ! (● いいや。インタフェースは「それはどのようなものであるか」を含む。
}、_ ノ'′ / ´ ∨ (_ノ
|∧ / ,_ _',__ノ __ この話は全体を一度説明しないと理解できないようになっているから
ii ヽ. / ノーf‐⌒ゝ`ヽ. {.f¨ ヽ
! Y ,.....、 /´ i i ハ 弋、, ハ とりあえず次の「それはどのようなものであるか」の話に移ろう。
.| ,'! :.`ー--ーゝ、._ }. ト、 / ,'
! : | ヾ、 \._ リ 〉ー-く './ ,'
i リー-ミミヾゝ┬‐ '´i. { X`_, //
ハ.〃____ー ; \ゝ-‐⌒、_//
/  ̄/,>'' ̄`ヽ' ` <...__,r'′
{ ∨ /⌒ヾ、 ハ
ト. リ/ ) リ !
|ヘ〃 ー- ノ ヽ.∧
____
/ \
. / _,ノ ⌒\
l^l^ln (●) (●) \ さっきやる夫君の言ったように「塔みたいに細くて高いピラミッド」も
ヽ L 、 ` |
ゝ ノ  ̄ ̄ / 存在し得るでしょう。では「細くて高い」とはなんでしょうか?という話です。
/ / \
/ / \ まぁ答えを言っちゃうと「細い」とか「高い」は属性であるって話ですが。
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒
9.日本人にとって議論とは何であるか
__
/丶 ノ\
|(●)(●) | では仮に「日本人は仏教の影響を受けている」、
| (_人_) .|
| `⌒´ | または「日本人の考え方は仏教と親和性が高い」、
. ェ-_ .i .|,.. .-‐ 、
,、 .{ 、. k'y'-'/ヽ > /\ _ \ よって「日本人は「それは何であるか」の
{\ 、.\. i i ハゝイ `i i`-:イ \ :/`
'、\ i `!.'  ̄ ̄ ., : ´ ̄ :i /` 「何」は実在しないと考えている」としよう。
ヽ ..:: ¨ > , _ ,∠ /、 l/
ヤ_ `ヽ ̄ ̄ ̄ ̄, : / _ ,} 「何」は思い込みとしては存在するかもしれないが。
` < -、 ノ _ > ' `ヽ ' !
` < ´ > 7::::::::/ - /
` ¨ /::::: } ' /
/::::: i /
/7 ,-,
__ / i/∠_
/丶 ノ\ /l <二_ '
|(●)(●)| ヽl :i─ -'
| (_人_) .| , ' / となると、「それは何であるか」の「何」が無いため
| `⌒´ | _ ノ , ′ 少なくとも「それは何であるか」は他人と共有できない。
i | / / /
,・ ヽ /:¨ ─‐ , / 存在しないか、思い込みだ、ということだな。
/ / ....ノ_....:::::./ そしてエスパーでもなければ思いは共有できない。
i 、.....:::::::::::::, -'" ̄ i
_.ィ二`ヽ. ヤ '_ ̄イ ,-.,/ 浄土真宗で「誰もが同じ信心を持つ」というのは例外中の例外、
/ `── ¨ ., ─' ,/ 阿弥陀様だけが起こせる救済だ。
(/ィ_=、___ - - 、 /:i
` ヽ ̄ ̄ ̄ .\ そして―
ヽ
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ',
ヽ ノ `フノ-‐ュ', 「それは何であるか」の「それ」の方も共有できていない恐れがある。
〈゙y'´ ´ '´,≠-,
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶.
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ',
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / }
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' /
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / /
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \
/ (●) (●) \ それじゃそもそも議論成立しないじゃん?!
| U (__人__) .|
\ |i||||||i| /
/ __` ー'
(___)
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ では試してみようか。
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi 「それ」として「木彫りのクマー」に登場してもらおう。
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ やる夫は「木彫りのクマー」はかわいいと思うか?
゙| `i Y リ'´゙Y
! ハ 。 i! 。! ! あ、木彫りのクマーがわからない人は上の方見てきてくれな。
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. /
', 、.X`、 i `个ィ/
Y ミ ` Y⌒∨ i'
| ヘY ー-<>ー1 |
{ ミ、._ :' __ノ リ
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ!
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 久しぶりだな木彫りのクマー
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / かわいい、で良いんじゃないの?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | 少なくとも、でっていうよりはかわいい。
\ /___ /
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i))) でっていうwwwwwwwwwwwwwww
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
( ___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
比較対象:でっていう
/ ヽ _
,' ヽ _ , <
i ト ヽ_,/
{ i { ─ < __ _ ,
', '`ー-- 、_人_{ / 木彫りのクマーはかわいいか。で、
{ ,_ノ ィ´● )' .Y | /
ヽ. (. ●) 'ー " . .! / ,-、 「どの」木彫りのクマーのことだ?
',  ̄´ 、 ノ| ,-'、 }
, ∧ r ', } ノ / }/
_/. . \. '、_ノ=-- '′ / ! ./ .,-、'/i
_/ >、 l i / ./ } /
/ . ヘ`ヽ ./ / // /ヽ
´ , ヘ // ./ /.i !、
ー - '⌒ ー. ヽ、`ヽ. / i'. _ ノ ' ヽ Y
\ 丶 l , / .,!
____
/ ノ ヽ\
/ (○)}liil{(○) 「どの」って・・・ええええ
/ (__人__) ヽ
| |!!il|l| | やらない夫が「木彫りのクマー」って言ったから
\ lェェェl /
/ ヽ それに合わせただけじゃねえかよ
しヽ ト、ノ
| __ | やらない夫の方こそどの木彫りのクマーのことを指してるんだよ!
!___ノ´ ヽ__丿
/ ;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;|
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l 俺にとっては最後の木彫りのクマー・・・つまりNo.4だな!
| (__人__) ;;;;;;;;il
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ,
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
.
↓木彫りのクマーNo.4 在庫切れのため認識上のみに存在。よってAAがない。
.
.
___
/ \ ウガー
,---、 \ /\―、
.l l (●) (●) \ | そんなのわかるか!言わないで共有できるわけないだろ!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / /
ゝ |ェェェェ| ノ
\ /
/ |
/ |
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } そう、俺は「木彫りのクマー」とは言ったが
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 具体的にどの木彫りのクマーかは言ってない。
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、 つまり、俺は「それ」を具体的に示していないから
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム 「それ」を共有していない、なのに会話が成立しているんだ。
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/ あるいは成立していないのをしていると思い込んでるのかも。
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' /
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
____
/ \
/ \ / \
/ (●)i!i!(●) \ いや、「どの」って指定しなかったんだから「一般的な木彫りのクマー」
| u , (__人__) |
\ .`⌒´ 〆ヽ つまり一般的な木彫りのクマーという「概念」とか「イメージ」とか
/ ヾ_ノ
/rー、 | それの話をしているはずだお・・・!
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
,ヘ
/'ノ
/ ,}{
/ゝ,',.⊃
/ , '/´
/' ,. ' /
/ :′,.. /
i´ 、},....,/
{ 'ヽ-' ( ,-‐ノ 、_
.ハ. ,. ゙ヽ. / (●) ヽ i.| // ,、 一般的な木彫りのクマーの概念、か。
| ` ', } | (_人) / ' 〈ノノ,、
.! ヽ,ヘ.〉 ヽ } r‐- '′ヽ '/ それが存在しないというのが仏教で言っていることだ。
', ,.、 } \' ヽr ‐/  ̄ヽ、 ,. 、 ノ
∨´,.)イ ヽ ノ } } {
/´ | ゙v,.ノ--- 、 | |
| /! } >‐‐、.ノ', ハ 結局のところ、仏教的に考えた場合には
∨ i、_` ヽ リ 、 ノ-、 }、 . }
} ノー-'、_,`ー-‐'、 ,イ、 ー-'八 ヽ ,! 「もの」は自分との関係性の上で存在しているから
.| ,' ヾヽ 、 `ヽ..ィ `¨''、'ノ 人 ヽ__,,.゙-‐'
{,ハ ヘ. /`゙r<ノ),/  ̄ ̄ それを他人と共有することはできないんだ。
/ ヽ `¨ メ-、_,.ィ /′
,ノ゙ヽー''' } ー、6 r"/
/ ', { ノ ` ィ' ,/
___
/ \ ウガー
,---、 \ /\―、
.l l (●) (●) \ | それじゃそもそも会話が成立してないじゃないかお!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / / なんでやらない夫は最初に「木彫りのクマー」なんて
ゝ |ェェェェ| ノ
\ / 曖昧な指定したんだお!
/ |
/ |
/ \
:..:..:/ / \
:..:/ / ヽ
:/ | ヽ
,′ | l
/ | | 、 l
,′ j /._ノ'′ `、 l
j .| ,′ / ● ) "ー-- / そりゃもちろん、
' i / l (● ) /
! / _ __ __,.| l j / これで会話が成立するから
i / -―- . ,. "´ `ヽ ,.. '"´ l, ‐' .-‐"ヽ. ) /
..:.:i' / `ヽ{:i′ }´ i } ` ー-`ー-一'′/ー< わざと曖昧に指定しただろ
:..{:.^フ: :.} '"´ ̄ - 、 /|! /// `丶、
:{.:.. :., ヽ :..! :`:...、 _,,.. -‐ '´ / / \
:..:. :.ヽ 丶 .:..:.. i:..:..:. ̄ / / ヽ
` ー _ ;.、:\. \:..:..: !. ./ :..
. _ `二 ‐- 、 {、__>、.{:..:.,:.. \:. ヽ:. ..:../ .:..:i ___,,.〉‐ 、
:..:. ´-- ̄- ´ ̄` ..:..:..ヽ '⌒ヽ:.':..:' `丶、:... ...:..:..:/ ,.:':..:..:! _,. -‐'´ ´
:..、:..:... ..:..:..:..:..:..:..:..__\ \:. __ \:..:..:../../:.._;,. -‐'"´ '
`¨`ー-- .._.....:..:..:..:..__;,.: -‐=-- .」` ヽ ` 、 Y:..;. - '´ .._ .| /
 ̄ヾ´ヽ:t:__.. V ` { `ヽ i :/ ..
/ ̄ ノ 、
i (●! 「それは何であるか」が無い世界に「何か」を持ち込んだ場合、
| (_))
! ゝ. } 人は自分の「世界」からその「何か」に適合しそうなものを絞り込む。
_ノヘ `ーr<___
__./´...、 __ _r' /rー'´-、 `ヽ 俺が最初に「木彫りのクマー」を指定したとき、
/´ ´ `ヽ ヽ :;ハ、
,. ィ ___≠ ヘ }'´∨`ヽ やる夫は「自分の持つイメージとしての木彫りのクマー」を基準にして
// `ー'´ /ヽ、 。 ト、 ノ! ヽ. ハ
.〃 、 / , ' ヘ` ‐--‐ヤ´ `;`¨ ,ヽ、, '´ ). 木彫りのクマーはかわいい、と判断した。
/{ ∨ / \ Xヽ ` r= ⌒!`Y / 彡' }
{: ヽ }´ ヽミ、ヽ. f ー-+ ィr=‐ '´ , ' 次に俺が「どの木彫りのクマーか」と聞いたときには
', ヽ| ∨ } -、..ノ ト..≠ ,.=イ
ヽ 、ヘ ,≠ミ、 ゙! _.. ゚´|`ー イ やる夫は「個物としての木彫りのクマー」を探して・・・
〉 `‐、 /´ ;`ヾ::、i /
{. _,..、ヘ. ; ヽ ; ヽ\_ノ! このスレでどの木彫りのクマーかを特定できなかったから
`ー'`¨´.! :, ' ハ fハ
| / !: / . 「やらない夫の方こそどの木彫りのクマーのことを指してるんだよ!」
∨ lィ ; |
ハ | / :! と反応したわけだ。
i . } ノ ' ,'
', ヘ /' } /
/ ̄`ヽ、
/_ノ ヽ、_ ヽ
|(●)(●) | もしこのスレに登場した木彫りのクマーが一体だけなら
| (__人__) |
| `⌒´ | 「あの木彫りのクマー」として特定できるから会話が継続する。
| /!
ノ ヾ、__ノ/ ! 「最初に登場した木彫りのクマー」みたいに特定できるように指定してもいい。
_,,..‐'"´、、 〉フ ∨/
/ `´ ^ ヽ`ヽ、〈i/`ヽ、
/ { } ∨レ^ハ \ 「それは何であるか」が無い世界では、
ハ / ‐- 、∨ミ { }
/ ヽ_ _,,.ィ ヽ-‐-、 / 認識の食い違いが破たんしない限り普通に会話は続くし、
{ .、 } X ハ | Y
∨ヘノ { / \、 ノ`、 ノ 破たんしてから認識をすり合わせればいい。
〉,、ノ / >‐、`T´ i }/
i { 个、 八 ヘ`ヽヽ´ ノ {
ノヘ Y ヾ \丶< レ
/i i !、\,..ゝ } -く!ノ
i i ハ / 〉^ ', hl
| し // / }´⌒ ヽ 、ノ、 `}
|`′ /_ノ/ ̄ ̄``ヽミ } }
| ∨> / ',ヽ、}
ゝー彡 / ノ '、∨i
/と三彡'{ ハ n `ヽi.
γ そノ { ヽ ヽ.
` ⌒'"´ ヽ ヽ.
`ヽ ヽ
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ つまり、やる夫たちは「それは何であるか」ではなく
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ // ∩ノ ⊃ 自分自身が世界をどう認識しているかを基準に会話している?
( \ / _ノ \/ _ノ
.\ “ / . \ “ / ってことは「自分はそれを何であると認識しているか」で議論しているのか。
\ / /\/
\ \
\ \ \
> > >
/ / /
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ ヽ
(≡)(≡) i そう、仏教的に考えて議論とは「相手の言葉で自分の世界への理解を深める」
(人__) ,∧
|⌒´ /,ハ 行為なわけだ。逆に相手の理解を促すこともできるが
| , '" { ` ̄ ̄`ヽ、.._
ヽ_ / \ ', 人 ゙ヽ、 これは相手次第だから理解する気のない相手には意味がないし
|\ , `ヽ. ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
/', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ i } 結論が出たとしても共有はしていない。
/´'´ ̄7´ `/ / ,' } ,{
/ } 人 ! : ,∧ノ ゙i 相手が「俺は納得しない!」と言い出したらそこまでだ。
{ _,ノ -‐‐-}-- 、 { , '"´、 ∨, }
/!,.ノ`ヽ. { ヽァ-、,/i ヽ∨!
/ , }\ ヽ i r'´ } ,.-‐'" ',.}' 一方、プラトン式の議論では材料とロジックとイデアを共有するから
,∠',{ リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、 /|
/ ∨ ,..-‐-、ノ ゙i‐‐-/´ ', / | どの材料とロジックを採用するかは議論になるが、
八 リ 〉 `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ / |
/,....-、.._ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ 納得できるかどうかとは関係なく結論が出て共有もできる。
(ー- '"Y ノ \_>―--=、._ ,..-‐'"´ヽ. ',
( ニ二'ノ/ 〉ー---‐'" / ノ ', }
ヽ--'′ / 〉 、"´ /′/ ', }
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ヽ
| (●)(●) | だから両者では多数決の意味も異なる。
| (__人__) |
| `⌒´ |、.__ __ 仏教的に考えたら「相手の意見に賛成できるか」だが、
ヽ. ノ !  ̄‐'´(⌒ヽ、
ヽ_ノ' ,/ { ゛ ', プラトン的には「材料とロジックを採用するのに同意できるか」
,ノ八ヽ、, -'′ ヽ ',
/⌒`''´``〉 \ ∧ になるわけだな。だから後者では全ての参加者と材料で
/´ / ヽ i ヽ イ .}
| ' ヘ. o ! ! 合意が取れれば自動的に全会一致になるわけだ。
/`ヽ、 ', へ ヽ、._ ,,...-ヘ ',
ヽ. 々 i \o ,.-‐' 〉´` ∧ , i
ヽ、人 { ',`¨´ -‐‐‐'ヽ '⌒v'′ヽ ,ノ i 理想的に言えばプラトン式の議論では
\ `ヽ、..._」 ,ハ、_ .i ゙v'′ ,ノλ
\ `ヽ、 、,{ / ` `¨´`〉'⌒''´/ / /´ 全会一致になるか、行き詰る(アポリア)に陥るわけだな。
\ ,〉 .}.{ 、_ ヽー 合、 _ /,./ /
`ヽ ´ .,/'/゙ヽ ', リ /´ ,イ 無論、全てで合意をとることは現実的に不可能だし
`¨´ i ', 〃/ ,/ i
/`ヽ、_リフ´ ̄ ,/ '′,i. 行き詰って終わりじゃ済まないから代替として決を採るわけだが
i /, ノ..ィ''"´¨_ |
i、 ソ 〈.ィ_,__,/ 彡|ヽ彡 i 理念としての全会一致は忘れないでいたい。
i `¨´ /, >イ|
/ ̄ ̄`ヽ
,! ノ
,.--,- '" ̄``ヽ、 ( 一方、仏教的に―いや、この際「日本的」でいいか。は
ノ′{´ /⌒ヽ ', ヽ !)
/ ∨.__ ∨ ,リ,゙i 7 自分の理解や心情的に考えて賛成できるかになるし、
ノ.-‐ ‐-/,' } ,/',´// リ /
/´ { i { ( .>、.._}'´ ̄ 相手が賛成しないときは「相手の理解を得られなかった」ことになる。
/ ,..ハ : 人_,,._-``ー 、..__
i〃⌒''''"´ ! `ヽ‐-、..._ ``  ̄`ヽ、
.| '" 人_ ィヒ.. .ノ `ヽ-=...、 だから行政との議論が決裂したときなんかは行政側から
| ,ノ"´ ゙ヽ、_ _,,..ィ''">‐--、 \''"
! , '" -‐‐-'"⌒', ` ̄ ̄丁´ ,とノ´ `ヽ-' 「理解してもらえるよう説明する」なんて言葉が出てくるわけだ。
{ ノ´ ,.. -- ゙レイ'⌒{ ゙Y
i /´ 爪,人 .ノ} } 具体例はいくらでも出せるが荒れるから別の機会にしたい。
.|/ 》 、 Yノ .リ
.{ 《 `ヽ.ノ} _ イヽ、 そういえば外国だとどうやってるんだろう?
ノ `ヽ._ ヽ ノ′ヾ、 ヽ
/ , `ヽ`ヽ、 } \
i { \ ヽ}、 \
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ 政治とか行政がかかわる問題は荒れるもんな・・・
| (●) (●) |
\ ∩(__人/777/ 荒れない例とかない?
/ (丶_//// \
.
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ ヽ 一番わかりやすいのは「一日の仕事が終わるとはどういうことか」かな。
(≡)(≡) i
(人__) ,∧ やる夫は何を基準にして仕事が終わったことにして帰ってる?
|⌒´ /,ハ
| , '" { ` ̄ ̄`ヽ、.._
ヽ_ / \ ', 人 ゙ヽ、
|\ , `ヽ. ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
/', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ i }
/´'´ ̄7´ `/ / ,' } ,{
/ } 人 ! : ,∧ノ ゙i
{ _,ノ -‐‐-}-- 、 { , '"´、 ∨, }
/!,.ノ`ヽ. { ヽァ-、,/i ヽ∨!
/ , }\ ヽ i r'´ } ,.-‐'" ',.}'
,∠',{ リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、 /|
/ ∨ ,..-‐-、ノ ゙i‐‐-/´ ', / |
八 リ 〉 `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ / |
/,....-、.._ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ
(ー- '"Y ノ \_>―--=、._ ,..-‐'"´ヽ. ',
( ニ二'ノ/ 〉ー---‐'" / ノ ', }
ヽ--'′ / 〉 、"´ /′/ ', }
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 定時が終わった後に仕事に一区切りがついたら、かな?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ 定時ダッシュしてもいいけど次の日が辛くなるお。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 | あと一日のノルマを達成するとかは無理。
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
.
/ ̄ `ヽ
| ‐' ー i
l(=) (=) .l ノルマ通りに仕事が進むような器用な人なら
x:l(_人__) /i`ー‐‐- 、_
__/ ハ `=' / } 〉`ヽ. 技術屋よりも金になる仕事をしたほうがいい。
/彡'`ヽ、ゝ-イ ,.リ: ` ヽ
/ ´ ' ,リ `ー:、,r ´ ̄Y⌒ .{ } 俺も大体そんな感じだな。
,! : 〃 キ ヽ. ∧
.≠,i.__ メ.ノ... __ 〉 .. _ 、ヘ. /´`ヽ
〃 / `,ナ´iト. キ ` ‐-, - '´`:. ハ
ハ,=ミ .〃 ソ.\ メ、 リ{ ハ { !
(´ `ヽ. / T ´ : ミ=´ ゝ.≠ ハ !
ト、 ヽ. ゝ_,.、-==--- / --'i {
ヘ ` _レ¨>┐ { `´ ヽ==-: 彡 ___彡' ノノ
` ミ _,. ')ハ.` _ 彡 ´!
`ー-=ニ.ノ / `,.ー‐=f´ ≠  ̄ ̄ リ
/' ,' Y : ,'
,' : ' 〃 / ,ノ : . !
l }/ /ハ ! / . / '
! { ,''´ ∧ :}' .' /
. ∨. ハ{ /!. /
ヘ.ハ |. / 〃, '
}ヘ |乂 〃/
{ ` ‐ ´| ゙: リ,リ
ヽ ,リ / /ゝ{
}、 ,' ' :i
/ ̄`ヽ、
/_ノ ヽ、_ ヽ
|(●)(●) | で、「仕事を始める」方はどうだろうな?
| (__人__) |
| `⌒´ | やる夫は何を基準にして仕事を始めてる?
_,, -‐'' | ∧`丶ー-、
/ {ヽ、__ノ 〉 \
,, -イィ_ ノ ! ∧ ∧ i \ ソ`ヽ、
/ 〉` \ヽ)ー、 ( ) -‐‐― >⌒ ン 丶
/ /! ノノ )  ̄ヽソ´ ̄ ハ 〈 i
∧ / /,'´/ 彡 >`ヽ \ } l }
/,ヘ i / ∠三彡´ 〉-- 、ヽ ヘ 《ゝ ノ\
i,' 入__,=、∠イく ー==三个ミミ >ヘ //ノく ヽ
/ / λ } ∧ 十 /ノ / 厂`´ , ∧
i ハ、 / 人_へ、__,ノ个<、__彡八 _ , )ミ i
{ ⌒ =ミ⌒_ン | ', /〃 ∧、 ,ラ > i
! > < `〈 ! l イ ' |ン , 、_, }
! \ ヽ \ i / / / 〈
\ 、_ ∧ 八 _ ノ ノ 彡´´ ノ ノ
\ `゛丶 ヘ、 /,-、γ'Z´`ヽ、-‐‐''´ ̄ /
`ー-、_ ヽ、`く⌒ヽ>)<ヽ、_ ゝ ____,, -‐''
`ヽ__ _,- 'ハ` ,-‐''´ ∧
/ `ゝ、__ノ 人 ̄フ i
i / Y i
(ヽ三/) ))
__ ( i)))
/⌒ ⌒\ \
/( ●) (●)\ ) そんなの始業時刻に決まってる・・・
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
| (⌒)|r┬-| |
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/
| | | | __ヽ、 /
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
___ ━┓
/ ― \ ┏┛
| (●) ヽ\ ・
l (⌒ (●) | あれ?
〉  ̄ヽ__) │
. /´ ___/
| ヽ
| |
/ ̄ ̄\
/ヽ_ |
n ((●) | そう、キリがいい時が終え時なら開始もそうであるはずだし
/ス_,.、 _ (ノ、_) |
゙Y.(ニ=ィ' ヽ イ ヘ、 始業時刻が開始時なら終業時刻が終了時なはずだ。
', "´! └┐ イ { `ー- 、
ヽヾ\. ,. --、_,/{゙ヽ ,ノゝ、/´ ̄`'''ヽ、 だが、開始時刻は「労使ですり合わせている」
\ ``丶、 ,. -‐-< ` ̄` y' ヽ、 )、
\.. _ ) `〈 __,,.ム } ミ、__ ,/ ヽ 少なくとも使う側はその場にいることを重要視するからだ。
\.` >' ,.フ''"⌒フヽ、 }、 ∧ `ヽ、 ハ
`ー‐‐-=ニ=-'"\、 \_∠=ミー-‐彡八 ,'ヽ ' ',
ヽ./´‐'"个‐‐- '",λ`ァ-}、'゙ヽ ∧ 一方、終業の方はすり合わせる必要があまりない。
V,.. -ヘ、_,.._,.ノ' }/ ,' ´! リ/
/八 -‐- ノ // { ,' ,/ その場にいなくてもいい一方、別にいてもいいからな。
ノ、 ,.彡=' { /ヽ ノ
∧`ー--‐ '´ /⌒} / ,/
i. ヽ / ; v i´ ゙Y そして企業によっては「その場にいなくてもなんとかなるなら
ハ 人 ,ハ ', 'ハ.マ|
/ ', `ヽ 、 、 | ヽ! 開始時刻も割とどうでもよくなる。
i /` ! ヽヽ、∨ ',
| ,' ∨ 〉、 : ヽ} i
! ,' ', i \', , i
___ ,. -‐ヽ、
/ノ 、_ヽイ ',
/´ ゙̄i |(=) (=)/',リ i これは俺たちだけの問題じゃない。
/ 7ー-' | (.人.) { { ,!
./´ { ト、 ,, ヘヘ、 |i 例えば、鉄道を中心に「日本人は時間に正確だ」という人がいるが
.,{、. ノ'イ⌒゙<´ ̄`゙<、,/ ∨、 ノリ
l、‐-'ァー-、.人 Y リ Y 終電の時刻は接続調整でちょくちょく遅らせる。
`` 、._,,.ィ.ヽ. { o ,''-、. !
ヽ ヘ...-'´゙ー-''ァ‐. / 単に時間に正確ならば乗り継ぎ失敗なんて気にせず出せばいいんだがな。
∨`ヽノ,...-'´-ヲ リ
ノ〉¬、-‐ァ‐'" '/ 普段の電車は時刻に正確なほうが運航する方も利用する方も楽で
i ¬' ,..ノ/′
ノ ̄ ̄ ̄ ̄⌒} 終電に限れば時刻に正確なほうが運航する方には楽なはずだが
!゙ヽ、 ,.-‐''"', 利用する方にすれば「時間に正確であることは必要でない」
/ : !、 / !
i ,ハ `! 、 / .i 必要でないことは無視して必要なことを調整する。
{ ∨ : ', ', i |
! i ヽ ∧ :. | 契約とはいえ手間をかけて連絡を合わせてるだろう鉄道関係者には頭が下がるな。
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 状況によってすり合わせるところが違うのか。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / でも結局のところ、すり合わせるのね
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
___
/ ノ ーヽ
|(● ●)| もちろん、すり合わせる必要が無いケースも存在する。
| (_人_) |
l `⌒´ ,′ 議論の参加者が同じものを見ていて、理解したいと思っているそんなケースが。
.。イ \_.ノl、
...-'´-、 .... V ム=≧‐- .. 参加者が「それ」が好きであるとなおいい。
r 、./ ´ `〈 ` ヽ
.} !| / }i'´ `ヽ: }、 最近で言えば―
j二⊃\´ `Y }、 r'‐- ' ヽ
:{‐‐_ァ'f ,√> ..・... -‐'ヽ‐-、_・.小 ;ヽヽ
゙ト= 'ィト. ≠ ‐--‐ '⌒, -'、/ iノ ゝ.≠ ハ
:{ ! }/ \{ヽ _..::ゝ-‐={____ ノ! / . ' ノ
.人 、 ノ′ ハ ゝ---{_ リ { / ´/
 ̄ | .... }¨¨√!_/ . イ
_,,..-‐‐-..,,
/ ヽ ヽ __,,..∠
-..,,_ / (-) ‐‐ .l ,,..-''"~´ シン・ゴジラを見た連中の議論とかだ
`ヽ、 / '''' (-) / _/ /
' , ___. / (⌒ '''' /. _,,..-‐''"/ /
ヽ `ヽ、. ',  ̄ヽ__) / ./.. / /
ヽ ',-‐''´~/. ゝ..__,,../ |,,__/. / /
\_ .l、_,,..-‐" ̄゛''‐..,, | | /__..,,.-┴┴ 、 / ,,-''" ,,-''´
 ̄ヽ二二レ´ `.y'~´ ヽ/ ,,-‐''"/_,,..-‐''"´
ゝ,,__/ ヽ/ ',/ ,,イ / /
ヽ、{ _/´ } -イ´ .| l _,,..-''"
"'''-..,,__ .l _,'- / / | /´
~l.', ∧ / ./ .|/
ヽ\ _,.-'"/ ヽ、 ,〈 / l ./
.'y' `''‐‐'" { .`''‐..,,____.,,-´ .} | /
.l _,,..-‐‐,-‐..,,_ ) _,,イ .| /
.| / / ヽ ./ / | ./
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)それ議論じゃなくてただのオタクの会話だ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
./ ̄ ̄\
_ノ ヽ,_ . \
(●)(● ) | そうだよ。
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . | 良いものを見た後とかいいものを作りたいとか
{ . i
__ ヽ ノ オタクが好きな分野での議論―
/ `- 、 __ ,, 、 ,,`>ー,-- ':;\:;;;;;;::; / ̄` = - 、::::::::
/^/ '~ "' ' i ''"~::::::::::: ::::ヽ、_ ;;;::::::::: ヽ,::: そういった場ではコミュニケーションコストが低く
/ :::: ::::;;:: ;;:=''''' ::::::::: :::::::::: ::::::::::::: :::: i::
.i ::::::::::::::::::::: ::::::::: :::: ::::::::::::::i :::::::::::::::::::::::::::::: :: :::::::::: i: 効率よく話が進む。
/ `i-、, ,,/ / '" :::::::::::i ::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,,!--''''~`ヽ、
/:::::::::::i \\ :::''" ::::::::::::::::::::::ハ、::::::::::::::::::::::::::::Y":::::::::ハ :::::::::. 決を採る際にも、それが好きな連中が集まって
( ::::::::::ノ:::_ _i__ i__ __ __ _,, ,, 、、 - == - 、:::::::::::::::::::ノ:::::::::::ヽ.ヽ::::::::
ヽ / " / ::::::::::::::::::__,,,,、- - -="""""`ヽ、::::::::::::::: より良い方向へ意識が向いていれば
) ノ:::::::::::: :::::: :::::::::::::::::::::: __ノ~::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::: ヽ::::::::::::
i:: :::::::::::::::: ::::: :::: :::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::::::: イ::: 全員でよりよい結論を出せるだろう。
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ', 逆に「それは何であるか」が無いせいでグダグダになったりする。
ヽ ノ `フノ-‐ュ',
〈゙y'´ ´ '´,≠-, 例えば、材料とロジックを共有できたとしても
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶 決を採る人間が賛成するとは限らない。
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ', 「日本人は論理的ではない」って聞いたことないか?
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / } 俺はそんなわけないと思う。
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' / 日本人は日本人なりに論理的だし
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / / 日本人には数学好き―つまり自称論理的な連中も多い。
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ だが、材料と結論が論理的でないことがあるんだ。
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } すり合わせ自体は論理的にできるし
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 すり合わせた結果も論理的なんだが・・・
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、 すり合わせる前に材料を準備するのは非常に難しい。
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム 材料は「それは何であるか」に合わせて準備するものだからだ。
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/ せっかく準備した材料も受け入れられるかがわからない。
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' / 頭の良しあしではなくて、理解する気があるかないかで
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´ 材料とロジックを採用したりしなかったりする。
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .', ―だから、その問題に興味がない人で多数決するとえらいことになる。
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ それはひょっとして民主主義を否定しているんじゃないかな
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ<
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
.
/ ̄ ̄`ヽ
/ ヽ
{ ー- \ 民主政治を否定するわけではないが、
) (●) ', \
(●) -、 } .` - 、 __ 単に多数決すれば実現できるというのは楽観的過ぎるだろう。
\(_,ト-' リ ', `ヽ._
>--、/´).ハ リ_,.>-''、⌒``ヽ、 理想で言えば全国民が政治に興味を持ち、
/´ ヽ' ./´ },. -'/´ ` ハ
/! ヽ }`,¨´ i ::. } 国の在り方を自分なりに理解するべきだ。
/ ,/ } ; ,ノ / ヾ.{ ; ハ
{ ,ゝ. -' ヘ./ 〉‐- 、__.._ _,. -‐ イ, } 言うのは簡単だがこれはとても難しいんじゃないかな。
{ 、 }ヘ、 \ /´ .; ヒ'" !
,/ゝ-、 _{ ', ヽ.__{ :: :' } ,!
/ ゝ、ヘ ', (´ ``ヽ : ! ! せめて理解できない問題はプラトン式≒西洋式に
{ ,... _: ``〉', 、 ヽ、 ', / /
}'" `ー‐- 、..⊿ムヽ ヽ、 ` ,} ゝ ,/ / 材料とロジックを共有して判断するようにしたいところだが、
{ _,. -‐'´ ヘ. `、.___ ノ メ、, ;/
}' ´ ̄ ,..._ゝ、、ヽ、`¨¨´ ./゙Y′i' 西洋は西洋で「受け入れがたい材料」の扱いに失敗して
',ヽ _,. '´/ ゝ、.___ ,/二)´ |
ゝ-<二_メ'´ `¨`ー' .リ 難民問題とかトランプでえらいことになってるし・・・
} ,.、 ', ,/)ヽ
/,ハ、`'′ ; ,./ ,/ヽ∧ 材料として無条件で理想を採用するのはマジでやばいな。
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ あと、政治が関係ない領域で民主主義のつもりで
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi 多数決を採用するのはマジお勧めできない。
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ 多数決の結果が全員に影響するような問題、
゙| `i Y リ'´゙Y
! ハ 。 i! 。! ! 例えばランチをどこにするかとかなら機能するが
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. /
', 、.X`、 i `个ィ/ 決を採った結果が少数に影響する問題では
Y ミ ` Y⌒∨ i'
| ヘY ー-<>ー1 | 多数側はそれを真面目に考えないとか色々問題がある。
{ ミ、._ :' __ノ リ
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ! 真面目に議論して決を採る気ならプラトン式をお勧めしたい。
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ ただし結構しんどいから議論相手の同意があったほうがいいな。
.ィ´`ヽ
γ /} }ハ
__ / ' / ' 八
,.-fヽ、 / ノ `ーヽ r ´‘./ ,ハ
rヘ }. 〉〉} | (=) (=) l l ‘. | 今回はちょっと脱線しちまったかな。
/ 》`r tァ' | (_人_) |: 〉-、 ∨: |
./ /Ⅳ ‘. `⌒ リ ' 八 }\ :{ 日本人にとって議論とは何であってどうするべきかは
〃 :{ マ:‐--/ ト、_. N
' /ハ , ‐- 。.x< ̄≧=‐‐'三:_〈 、 Y また語る機会もあるだろう。
| ノ{ `ヽ ヽ. 。 \ |
:}_,. ィ´ ` ‐ < .ゝ、 _ノ_`.ニ. ` r " |
.ゝ .._ r‐ " Y´}:リミ ァ‐°彡 ´ :. `ヽ `Z.. | というか、なんか皆なんとなくで議論してる気がするんだけど
` <. __彡ヘ'/ |r: 大__. -‐‐-f  ̄ ヽ( . -∨
丶 `',{ f´ ::、 }'⌒V 誰か定義してないのかな?
\ { r'r ¨¨¨ Y´ ̄`Y '
`f^ ゝ-‐ ,ニ{_ リ ! 議論とは何であるかが共有できてないと
{ `´ -‐`/ ./
/ミ:。、 ,.イ /ヘ 正しく議論できないと思うんだが・・・?
/ マ>。.__≠≦'´ `\
./ ̄ ̄\ 話を戻すが、
_ノ ヽ,_ \
(●)(● ) | 技術屋にとって重要なのは、「俺たちは必要に応じて世界を認識している」こと。
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . | なので、俺が言葉で何かを表現しても、受け手が同じように受け取る保証が無い。
{ . i
/ ヽ ノ 「木彫りのクマー」が定義的なものか個人のイメージ上のものかそれとも
, ,/. ヾ ー,-- ':;\ ー、
/ / _,,」、'....ィ' '| \、__ 個物として存在するものなのか、うまく表現できないんだ。
. /./ ,. ‐'''"´ !:::. / _」__iヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ノi ノ (、_ ``ヾ! 日本語の問題というよりも、普段区別する必要が無いからだが。
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._ だが、これによりプログラミング上で「オブジェクト=個物」と
| ヽl(B ./ ヽ、_
| !,、 ! / ∠,,, 「クラス=それは何であるか」をうまく区別することができない。
,イ ヾ' ィ 、 / ,,ィ'´
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 具体的には?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(―)(― ) | オブジェクトとは何か?でググるといくらでも出てくる。オブジェクトの広場から引用しようか。
(__人__) |
(`⌒ ´ | [具体的に存在するものや概念、人などが考えられます。
.l^l^ln |
.ヽ L ノ 机とか椅子、テレビにビデオ、パソコン、申し込み用紙、
ゝ ノ ノ
/ / ヽ 領収証といった、ものを例に取ることができます。] これが一般的なオブジェクトの説明だ。
/ / |
/ ̄ ̄ \
__ノ `⌒ \
(●).(● ) | さてここで問題だ。やる夫にとってこの「机」ってどの机だ?
(__人___) |
, =二ニニヽ、 |
/ 二 ヽ、`,┘ ト、
/ -、 }、j┘ イ ⌒ヽ
/ /{_/_ ,/ }
/ ノ∧ ィ }
| | / i | |
.. ____
/ ― -\
. . / (●) (●) 特定できないってさっきやったばかりじゃないかお。
/ (__人__) \
| ` ⌒´ |
. \ /
. ノ \
/´ ヽ
. __
./::::::. \
/::::::ヽ;;: \
. (:::::(::::冫 | そう、オブジェクトが個物であるならどれか特定できなければならない。
. (:人;;;) . |
r‐-;::::::. . | 特定できないから、話すほうの意図にかかわらず机一般の話になってしまう。
(三)):::::.. . |
>::::ノ:::::::::. / 英語なら区別ができるが日本語では区別ができないとはよく言われるな。
/::: / ヽ;::::::::: /
/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈 a desk なら特定の机=オブジェクト、
(;;;;__ゝ:;;:::::\/:::::) desk なら一般的な机のイメージ=クラス、というわけだ。
. |\::::::::::::;;:1
. |:::::\;;/:::| 英語には英語の欠点があるから別に英語が優れてるってわけじゃないぞ。
/ ̄ ̄\ だから、
/ _ノ ヽ、.\
| (●)(●) .| オブジェクトの例に出すなら「絶対に複数存在しない何か」を指定しないと
! (__人__) |
, っ `⌒´ | 正しく伝わらない。東京タワーとかスカイツリーを使うと少しはましになるはずだ。
/ ミ) /
./ ノゝ / 人名でもいいが、人間はその尊厳が問題になりやすい。
i レ'´ ヽ
| |/| | | 個人を人間に一般化するな!って言い出す人が出てくる。
____
/ \
/ \
/ \
| \ ,_ | めんどくせえええええ
/ u ∩ノ ⊃―)/
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(―)(― ) | めんどくさいだけでなくちょっとマズイ問題がある。
(__人__) |
(`⌒ ´ | この「個物を正確に表現する習慣が無い」のと
.l^l^ln |
.ヽ L ノ 「議論の材料を用意する習慣が無い」のと
ゝ ノ ノ
/ / ヽ 「すり合わせた結果はしっかりしている」が重なって―
/ / |
.
. __
./::::::. \
/::::::ヽ;;: \
. (:::::(::::冫 | 仕事をするにあたって「それは何であるか」が決まって無いケースが多い。
. (:人;;;) . |
r‐-;::::::. . |
(三)):::::.. . |
>::::ノ:::::::::. /
/::: / ヽ;::::::::: /
/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
(;;;;__ゝ:;;:::::\/:::::)
. |\::::::::::::;;:1
. |:::::\;;/:::|
____
/ \
/ \
/ _ノ ::::::: ゝ、 \ じゃあやる夫たちプログラマが
| (○) (○) u |
\ (__人__) ,/ 仕様=それは何であるか、が決まってなくて困るのは―
/ `⌒´ \
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | 単に「それは何であるか」を事前に決める習慣が無いからだ。
(__人__) |
`.l⌒´ | だから「それは何であるか」を後で決める「マニュアル」なら
| |
ヽ / 結構揃ってたりするし、後から良くする改善も機能する。
ヽ /
', /
/ ノ _.ノ 仮に事前に用意しても正確に表現する習慣が無いから
/ / ( .(
__ )ノ 実現してみると、事前に思ったのと違ったりする。
/ ̄  ̄ `ヽ ((
/ \ ノ そして、事後の修正をするのが当たり前だと思われている。
{ \
ヽ、_ __ '.,
.  ̄ ̄ \ , ここをなんとかしないと俺たちの仕事は楽にならないんだが
} ヽ
ノ ,l , \ さてどうしたもんか。
と ノl |ヽ ⊃
|┃
ガラッ. |┃ ____
|┃ ノ// / \
|┃三 / \ / \ そこで私の登場です!
|┃ / (●) (●) \
|┃ | __´___ | アリストテレスは「それは何であるか」を
|┃三 \ `ー'´ /
|┃三 ノ \ 正確に表現する方法を研究したんですよ!
できる夫:アリストテレス
+ x
☆ + *
* r、 ____ 十
ヘ \ /_ノ ' ヽ \
(ミ⊂) /(≡) (≡ ) \ ようやくアリストテレスの形而上学が解説できます!
ヘ \ /::::::⌒__´___⌒:::::: \ ゚
。 ヘ \| |r┬-| | オブジェクト指向の用語の多くはここからきてるんですよ!
\ \ `ー ' / x
\ \ これが本編だと言っていいでしょう!
x \ ___ト ゝ +
| ( / いやあ出番待ち長かった!
十 |  ̄| ̄
/ ̄ | 十
ヘ ト⌒\ |
__ヘ ヘ \ \‐‐、
(____ ) ヽ.____`_)
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | あ、それ次回からなんですよ
(__人__) |
(`⌒ ´ |
. { |
{ ノ
mm ヽ ノ
(⊂  ̄ ̄ ̄ ヽ
 ̄ ̄ ̄| |
__,冖__ ,、 __冖__ / //
`,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /
ヽ_'_ノ)_ノ `r=_ノ /
__,冖__ ,、 ,へ
`,-. -、'ヽ' く <´ 7_//  ̄ ̄ ̄ \
ヽ_'_ノ)_ノ \> / ::ノ::: \::\
n 「 | ( ●)::::::(●\
ll || .,ヘ / u ___'___ |
. n. n. n ヽ二ノ__ { |r┬-/ ' |
|! |! |! _| ゙っ  ̄フ Lノ ,ノ /
o o o (,・_,゙> /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
∩⌒ヾ
い )
、 . ノ
| | / ̄ ̄\
| |./ _ノ \
| | ( \) l
| | (⌒ (\) というわけで次回から最終章・形而上学!
| | / ̄(__丿
ト /ー、/ ただし技術屋だから哲学ではなく道具として借りるための知識だ!
| \ノ
| )
| /ヽ
| /三)
ノ 〈  ̄
/ _ ⌒ヽ
/ / | |
/ / | |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \ やる夫たちが正しく扱えるようになっても
| u , (__人__) U |
\ ..` ⌒´ .〆ヽ お客さんも正しく扱えるようにならないと事態は改善しないんだけどな。
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
8.般若心経 後編
/7 では般若心経の続きに戻る
//
// 舎利子。是諸法空相。不生不滅。不垢不浄。不増不減。
__ // 是故空中。無色無受想行識。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ シャーリプトラよ。これら人が関わることのできる現象その
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ 全てのものには実体がない。実体がないから生まれることも消えることも
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ 汚れることもそうでなくなることも増えることも減ることもない。
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト, 故に空の中には
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.| 色もなく、受も想も行も識も無い。
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) これはそのままだな
| (__人__)
| ` ⌒´) 実体がないから、有ったり無かったりもしない
| }
ヽ } 「それは何であるか」がないから、「それはなにものでもない」
> ノ
/ \ /て⊃
| ィ |\ `´ ゞ _三}
| | | \__/.
/7 しばらくはひたすら「無い」を繰り返すだけなのでガンガンいくぞ
//
// 無眼耳鼻舌身意。無色聲香味觸法。無眼界。乃至無意識界。
__ // 無無明。亦無無明盡。乃至無老死。亦無老死盡。無苦集滅道。無智亦無得。以無所得故。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ 眼も耳も鼻も舌も身も意も無く、色も聲も香も味も觸も法も無い。
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ 目に見える世界から意識の世界まで何もない。
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ 無明―真理がわからず迷うこともなければ、悟りを開いてそれが晴れることもない。
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト, 老いることも死ぬことも、それが無くなることもない。苦しみもその原因も解決も解決の方法もない。
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.| 知ることも得ることもない。得るものがないから得ることがない。
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 色聲香味觸法は五感+心で感じたものだ。これも当然ない。
| (__人__)
| ` ⌒´) 意識みたいな物質的でないものも、それがあるとは言えない。
| }
ヽ } 俺たちは「迷っている」など自分がどうあるかや現象に老いるだの死ぬだの
> ノ
/ \ /て⊃ 色々名前を付けているがそれもない。
| ィ |\ `´ ゞ _三}
| | | \__/. 「なにものでもないもの」を知るなり得るなりしても何にもならない。
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | 要するに、俺たちは「なにものでもないもの」に
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 勝手に名前を付けて、さもあるように扱っている。「悟り」も含めて
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ } 無いものを得て得しただの、知って賢くなっただのはあほらしいということだな。
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ 悟りもないなんて言っちゃっていいのかお?
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) 良いわけがない。仏教は悟りを開いて苦しみを消すために修行してるんだからな。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 苦集滅道も、苦しみとその原因と、取り除くその方法―つまり仏教そのものだから、
| } \
/ヽ } \ 要は仏教の教えを否定していると言っていい。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ ただ、何をどこまで否定しているかは説明できない。
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ ( 「それは何であるか」が無いというのも実はきっと正確ではない。だが
\ / /⊂_)
これが教えて理解できる言葉の中で一番近いから、先にプラトンの話をしたんだ。
.
____
/_ノ ヽ、\
/(●) (● ).\ えええ・・・
/ (__人__) u \
n|i 7 ` ⌒´ n| 仏教はなんて言ってるんだお
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / ー‐ | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、\ それを説いているのが指摘にもあった「龍樹の中論」だ。
| (●)(●) |
| (__人__) .| 俺は「それは何であるか」があるとしてそれを否定して無いとしているが
| ` ⌒´ ノ
r─一'´ ̄`<ヽ } 中論はそうしたズルをしていないから丸々一冊使って説明している。
`ー‐ァ , ) , -'~⌒ヽ、
ノ {. ,ヘ ,l. ゝ、_ .'ヽ). 中身は俺も正しく理解してないし説明できない。
/, 、 _ /. | . ', . .. .ヽ、
(// // / / ...| ...|\..\\ \_) >>107 が指摘しつつも説明しないのは多分「誰も」
/ // / / . . \_\_)、_)
ー' {_/ノ ."´ 「ない」の説明が正しいこと・伝わってることを証明できないからだ。
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ どうすんだそれ
/⌒(__人__)⌒ \
| ) ) u. |
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
.
/ ̄ ̄\
m n _∩ / _ノ ヽ、_ \ ∩_ n m どうしようもない。お手上げだ。
⊂二⌒ __) | (●)(●) | ( _⌒二⊃
\ \. | (__人__) .| / / ありがたいことに俺ら技術屋は真理を証明しなくていいし
\ \. | `⌒ ´ | / / 「無」は技術屋には必要無い
\ \. | |. / /
\ \. ヽ / / / 「それは何であるか」が無いという仏教の真理に近いものと、
\ \ヽ _ / /
\  ̄` , ' ̄ / 日本人と深いかかわりがあるはずと言う事実だけ借りる。
/ /
/7 先へ進もう。垂・圭・顛はそれぞれ正しい文字ではないからコピペには使わないでくれ。
//
// 菩提薩垂。依般若波羅蜜多故。
__ // 心無圭礙。無圭礙故。無有恐怖。遠離[一切]顛倒夢想。究竟涅槃。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l 菩提薩垂―つまり菩薩だな。は智慧の完成により
. | `⌒// ノ
l // ./ 圭礙(けげ)がない―心にこだわりがない。こだわりがないから恐怖もない。
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 転倒した夢想、つまり「それは何かであるはず」という思いから離れているから
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i 涅槃、つまり永遠の平安に至っている。
ヽ _,.フ .|.|
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 菩薩は悟りを求める人だったり悟りを開いた人だったりする。
. | (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || 涅槃は現代では複数の意味があるから人によって採用するものが違うな。
. | },.! ノ'
. ヽ r / .| この辺はきっと宗派で違うんだろう。気になるなら専門家に聞いたほうがいいな。
ヽ ノノ ノ
/ / ./
| /
| i´
/7 気を取り直して進めたいところだが、ここは引用させてもらう。
//
// 三世諸佛。依般若波羅蜜多故。得阿耨多羅三藐三菩提。
__ //
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ [過去・現在・未来の三世にいます目覚めた人々は、すべて、智慧の完成に安んじて、
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ この上ない正しい目覚めを悟り得られた。]
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ─)(─) 三世諸仏と智慧の完成は見ればわかると思うが
| (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || そのあとは宗教の話なので俺からは正しく説明ができない。
| } .ゝ ノ'
ヽ } .| || 俺は一体なにをしているんだろうな。
ヽ ノ _| ||
/ ⌒'' ̄_ .ノノ
| ,─ ィ ̄ ̄
| i
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ これが真の仏教だ!とか言い出すよりはマシじゃね
/ (ー) (ー) /^ヽ
| (__人__)( / 〉|
\ ` ⌒´ 〈 / ⌒^ヽ
―――――――― \ _ _ _ )
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ ところで悟りがないはずだし得るものもないはずなのに
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ 悟りを得たことになっちゃってるんですが
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
. __
./::::::. \
/::::::ヽ;;: \
. (:::::(::::冫 | 既にある何かを示すには結局名前が必要だからな・・・
. (:人;;;) . |
r‐-;::::::. . | この真理を理解した人間は悟りを開いた人としか言いようがないんだろ
(三)):::::.. . |
>::::ノ:::::::::. /
/::: / ヽ;::::::::: /
/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
(;;;;__ゝ:;;:::::\/:::::)
. |\::::::::::::;;:1
. |:::::\;;/:::|
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) だが丁度いいからラストに入る前にちょいとまとめよう。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 全ては「無」でありその上で智慧を完成させれば「悟り」に繋がるんじゃね、
| } \
/ヽ } \ という話なわけだな。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ 「智慧を完成」と、くどい言い方しているのは一般的な「理解」とは違うものだからだ。
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ ( 俺は単に「全ては無である」そのものが智慧だと思うが人による違いが激しい。
\ / /⊂_) そこから座禅とかで一歩踏み込んだ真理とか、慈悲の心とする人が多いはずだ。
.
___
/ \
/ \
/ ノ ヽ、_ \ 全ては無であるか・・・それ虚無主義って言うんじゃね?
| ( ●) (● ). |
\ l^l^ln__人__) / 仏教者に怒られない?
/ヽ L⌒ ´
ゝ ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
.| ( ●)(● ) | 少なくとも仏陀の説く解脱は虚無主義だ。
.| (__人__) │
| `⌒ ´ | 全てが苦しみの元なんだからそこから逃れるには全てと縁を切るしかない。
.| |
r、 r、ヽ / 人の持つ業、良いことも悪いことも全てだ。良かれと思ってやることも業を深める。
ヽヾ 三 |:l1.ヽ /
\>ヽ |` } > < 仏陀は「良かれと思わずとも」人を救ってしまうらしいが仏陀だけだし現世にもういない。
ヘ lノ `'ソ ヽ
/´ /,1 | | 昔の―原始仏教では「他人は救えない」んだ。
\ ノ .| | |
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ 良いこともあかんどころかそもそも人が救えないのか。
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ 今の仏教はなんて言ってるの?
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) まった。それを言う前に考えるべきことがある。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 仏教者ではない、ただの技術屋である「俺たち」はどうするべきかだ。
. | u. (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
i⌒\ ,__(‐- 、
l \ 巛ー─;\
| `ヽ-‐ーく_)
. | l
___
/ノ ヽ、_ \
/(●) (●.) \ どうするって言われても、全ては「無」であるが真実なら
/ (__人_,) \
| l^l^ln ⌒ ´ | それを受け入れるしかないんじゃ。
\ヽ L ,/
ゝ ノ
/ /
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\
( ●)( ●) | だが俺たちは真理の中から「都合のいい」ものを借りてきて使うもんだ。
(__人__) |
l` ⌒´ | だから、今回もそうしようと思う。
{ |
{ / つまり―
_. -: ´Λ _.へ` 、
r<: : : : /:|: :、  ̄r' \ :\_
/: : :l : : : : : :\`IエL>、 >ヘ::Λ
|: : : ト、: : : : : : : : : : : : : `ー/ : : V |
〈: : : :::: _ -¬--―-、: : く:r 、: : : V }
/: : :_ン´: : : : \ ,___, ィ ): : :`く : : : ヘ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒ 気に入ったものは有ったことにして!
/⌒ト、/ (> )(●)
r-='´ ヽ (___人__) 都合の悪いものは無かったことにしよう!
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ
} ⌒´ `V |>ー- 、
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::|
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)都合がよすぎるだろ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
___
/ \ ウガー
,---、 \ /\―、
.l l (●) (●) \ | 全ては無であるんじゃなかったのか!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / / 要らんもん持ってたら涅槃までいけないお!
ゝ |ェェェェ| ノ
\ /
/ |
/ |
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \
(= )(= ) | 自分で作ったものくらい自由にさせてほしいだろ。
(__人__) U |
l` ⌒´ | それに俺たちは別に涅槃を求めてるわけじゃないし
. { U |
{ / 悟りを開くのは死ぬ直前とかで十分じゃないか?
_. -: ´∧ _,__ _.へ` 、
r<....::::::::::ゞ::::::::::::r' \ :\_
/.::::::l:::::::::::::::::::::::::::::L>、 >ヘ::ヽ
| :::::::ト、::::::::::「|:::::::::::::::::::`ー/:::::::::V::|
〈:::::::::::::::::::/へ、:::::::::::::::::∧::::::::::::::V }
/::::::_ン´「 ヽ`ヽノ:::::::::::::::::::Λ::::::::::::::ヘ}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
___
/ \ ウガー
,---、 \ /\―、
.l l (●) (●) \ | それなら自分で作った「悪いもの」も受け入れるべきだお!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / / 都合の悪い事実だけ無かったことにするとか無責任すぎるお!
ゝ |ェェェェ| ノ
\ /
/ |
/ |
.
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \
(= )(= ) | いいじゃねぇか元々なにも無かったんだから
(__人__) U |
l` ⌒´ | 無かったことにすると言っても事実そのものを消すってんじゃなくて
. { U |
{ / 「失敗作」ってラベル貼っ付けてジャンク箱に投げ込むだけだ。
_. -: ´∧ _,__ _.へ` 、
r<....::::::::::ゞ::::::::::::r' \ :\_ えーと心に棚を作れ?なんか違う気もするな。
/.::::::l:::::::::::::::::::::::::::::L>、 >ヘ::ヽ
| :::::::ト、::::::::::「|:::::::::::::::::::`ー/:::::::::V::| ともかくスジくらいは通すよう努力はするよ。
〈:::::::::::::::::::/へ、:::::::::::::::::∧::::::::::::::V }
/::::::_ン´「 ヽ`ヽノ:::::::::::::::::::Λ::::::::::::::ヘ}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \
(●)(● ) | この般若心経は要約すれば
(__人___) |
| u | 「全ては無である」から思い込みとか心のこだわりを捨てて
| .|
ヽ 、 ,イ 智慧を完成させようぜ☆みたいな話なんだから
/ヽ,ー- ト、
_, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__ 全てを捨てるところまでやって、後は好きにしたい。
__ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
\ r お経 \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、 仏教は「我」は存在しないと言っているが
} }/ ) V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:ゝ/ ./ __ V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\ 俺は俺の望む俺として存在したい。
}:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \
/ ̄ ̄ \
_.,ノ ヽ、,_ \ 坊さんに怒られたらその時考えるから!
(= ) (= ) |
(__人___) u | ⌒ヽ で、強引に話を戻すと現代の仏教では宗派によるが
'、 | ____ ,.-、ヽ、
,,. -ー| |ヽ__∠___ゝ」 r' 一時期流行ったロック調現代語訳では
/ .::::::、::| /ィ::::〔 _,.-ー `'r-、
l :::::::::::::::::ヽ__、____,. ":::/:::〔/ l:::. ヽ 夢や空想や慈悲の心が智慧だとしているな。
」 ::::l:::::::::::::::「二二::::/ :::::::ト、 y |::::::. ',
l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r l:::::::: i お寺のWebサイトでも「慈悲」を智慧としているのが多い。
/ :::::;;:ーミ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、_ ノ L::::|
/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::| NHKの「100分de名著・般若心経」でも
/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 :::::::::::::::: ||
/ ::::::::::::::::::::/ \::::::::::::::::::::::::::::::::::::V :::::::::::::::: | 利他―善行こそが智慧であると説いているな。
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 慈悲とか善行は智慧として有るのね。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i そりゃ今の坊さんは衆生を救うのが仕事だからな。
| :::::::::::(⌒).(⌒ ) |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ
| :::::::::::(__人___) .|:::::::,. -ーy:::::::::::::::::::: / 「何もするな」よりも「善行を積め」のほうが
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: /
| :::::::/::::: | | /):::::::::::::::::::::: / 分かりやすいし実行するのも楽だ。
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: /
i ::::::::::::::::. ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j 善行は気分がよくなるし助かる人はいるしで
r/:::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r やり方さえ間違えなければやって損はない。
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
.| :::::::::::(●).(ー ) |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ ただし浄土真宗に至っては、全ては無であるが
| ::::::::::::(__人___) |:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: / 「信心」は存在する。
.| :::::::/::::: | | /...::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: / だから般若心経そのものがあまり意味がない。
i:/:::::::::::: ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r
|ヽ/|_
.\ /
___ |__>
/ヽ、 _ノ\
/ (○) (○)\ 存在するってどうやって!?
/ (___人__) ..\
| u ノ ヽ, |
.\ (/⌒ノ´フ ./
. .> . ̄ ̄´ <.
.
./ ̄ ̄ \
⌒´ ヽ、,_ \
(●).(● ) | NHK100分de名著・歎異抄から逸話を引用しよう
(__人___) .|
'、`⌒ ´ | 親鸞は法然の高弟、つまり自分の先輩二人の前で
-ーー| |ヽ________
/:::::::::、::| /レy:::::::... `' ー-、 [後輩の親鸞が「自分の信心も法然様の信心も一緒である」と、
l:::::::::::::::::::ヽ__、____,. "/::::/::::::::::::::.. ヽ 並み居る優秀な兄弟弟子たちに向かって言い放ったのです。
j:::::::::::l:::: ::::::「二二二 ::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ 源智たちは気色ばんだことでしょう。「そんなバカなことが
l:::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::/\::::::::::::::::::::::/::::::::::: ヽ あるか」と反論します。そのときの親鸞の言い分は、
/::::::::::ー-ミ、:::::::::::::/ \`>- 、::l::::::::::::::::: | 「知恵や学識で信心が決まるのであれば、もちろん
/::::::::::::::::::::::::ヽ:::/ / / ノ~ヽ:::::::::::::::::: | 私は法然さまの足元にも及ばない。しかし仏様より
/::::::::::::::::::::::// | j / ,y j⌒ 、::::/::::::∧ いただく信心なのだから同じ一つのものである」となります。
/:::::::::::::::::::∨/_____|_|_ ~└t_,.イ__√ }ヽy ⌒ ∧ それでも納得できない源智たちが法然に直接尋ねます。
/:::::::::::::::::∨ \ NHK100分de名著 \:::ノ:::::::::::::: | すると法然は、自分の信心も親鸞の信心も
/:::::::::-‐‐┴、 \ 歎異抄 \:::::::::::::: | 「如来よりたまはりたる信心」であって変わりはない、と
l::::::::::::::::::::::::ヽ __ \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ /:::::::::::::: / 親鸞を支持しました。]
,.ト:::::::::::::::::::::::::::\ ̄_`ー\ .| |./:::::::::::::┬<
/ ヽ:::::::::::::::::::::::::\ ` 、 \ /::::::::::::::::::::::|>ー 如来ってのは阿弥陀仏のことだ。
つまり「信心」は阿弥陀仏に貰ったものなので確かにある
/ ̄ ̄ \
⌒´ ヽ、,_ \
(● ) (● ) _,-|、 もう一つ同じ本から引用だ。
(__人___) r' l |.lヽ
'、`⌒ ´ l i | l} } [善悪のふたつ、総じてもつて存知せざるなり。
| l l, |. l ノ__ _ (何が善であり何が悪であるのか、そのどちらも
| / /ィ::::::::.. ヽ 私はまったく知らない。)
_,,ィ'´:::ヽ__、_r'´ /:/:::::/::::::::. ヽ
__ __ ,. ''´..::::::::::::::::「:::::人__..ry:::::::::::::::::::::::::. ', これ二つ[※片方は省略]は、親鸞がつねづね
,.- v ヽ r´ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈::::::::::::::ム:::::::::::::::::::::::::: l 口にしていたことであり]
rー、 ヽヽ }_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ィ::::::::::::::::::::ハ:::ノ::::::::::::::::: l
r ヽ ` 、_」イ_] |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::: i
i >、_〉-".| ,,,,,, |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ハ:「 ::::::::::::::: ! 親鸞は、自分は仏法を理解しているとは言えない
ヽ ) | | ,,;;'' |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::ハ::::::::::::::::::: | ということを話していたんだ。
/ ̄ ̄ \
⌒ `⌒ \ v-, これだけ読めばただの謙虚な人だが
( ●) ( ●) | | r
(__人___) | | |. 般若心経を真面目に受け取れば、全ては無であり悟りもまた無い。
'、 | | |,.-、
,,. -ー| |ヽ__/ ̄ヽ` r´ なら阿弥陀様にもらった信心のほうがずっと頼りになる。
/ .::::::、::| /ィ::::〔 ̄ ̄ `' ト-、
l :::::::::::::::::ヽ__、____,. ":::/::::〔 ̄ l:::. ヽ 阿弥陀様から同じようにもらったんだから同じものだし、
」 ::::::::l:::: ::::::「二二::::/ :::::::ヽ y l::::::. ',
l :::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l:::::::: i 自分が仏法を理解したとか悟りを開いたとかいう根拠はないが
/ ::::::ー-ミ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_/:: L::::|
/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::|::| 阿弥陀様にもらったんだから信心の正しさには根拠がある。
/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 ::::::::::::::::::||
/ :::::::::::::::::::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::V ::::::::::::::: | と主張していることになる。
____
/ \
/ \ / \
/ (●)i!i!(●) \ 阿弥陀様凄いな!すごく強引だ!
| u , (__人__) |
\ .`⌒´ 〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
| :::::::::::(⌒).(⌒ ) |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ 仏教に限らず宗教なんて
| :::::::::::(__人___) .|:::::::,. -ーy:::::::::::::::::::: /
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: / スジは通ってるが強引だって話ばかりさ。
| :::::::/::::: | | /):::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: / じゃあ般若心経に戻るぞ。
i ::::::::::::::::. ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
r/:::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r
/7 最後にすべてをブン投げるんだけどな。
//
// 故知般若波羅蜜多。是大神咒。是大明咒。是無上咒。是無等等咒。
__ // 能除一切苦。眞實不虚故。説般若波羅蜜多咒即説咒曰
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l 故に人は知るべきである。智慧の完成の大いなる真言、
. | `⌒// ノ
l // ./ これ大いなる悟りの真言、大いなる無上の真言、比べるもの無き真言。
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 全ての苦しみを除き、虚でないゆえに真実である。
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i その真言は智慧の完成においてこう説かれた。
ヽ _,.フ .|.|
__
/::::::::::::\
/ __ノ::::ヽ
| (;;;;;;)::::) 真言(マントラ)ってのは呪文だ。漫画とかゲームに出てくるから説明しなくていいよな。
.| ::(;;;人)
| :::::::::rつ つまりこれは 最強の呪文を授けようってことだ。
.| :::::::((三)
ヽ ::::::::::(::::<
ヽ ::::::::::/∧::::∨
∠::::::::::::/⌒ ∧:::ヽ
(:::::\ /:::::::/;;;;;;;;;;)
|\::::::::::::/|
|:::::\_/:::::|
____┘(
/\ / ⌒
/(○) (○.) \ 最後の最後で呪文とか
/ (__人__) \
| |::::::| | 説得力ブン投げてどうすんだ!
! |!l\ l;;;;;;l ,/
i| / ー´ \ 今までの話は何だったんだよ!
i/ l! \
そ|彡∪ , --、 )
∑ !彡,l < ( _/
レY^V^ヽl.  ̄
.r-、 _00 /::::'┴'r'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Ln:::r┘|.l _lニユ、 ./
. ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ / /
、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / /
. \\`´ |:::|. l| l 〈::/ 、 ! '/
____
/ ノ_ ヽ,,\
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧ 俺に聞かれても知らんわ!
| (__人__)|
| |r┬| } 100分de名著・般若心経では
| | | | }
. |. `ニニ } 神秘の力を信じるべきだとか書いてあるけどな!
. ヽ }
ヽ ノ
/7 そしてその真言とはこうだ。羯諦・般は本によって漢字が違うが意味は変わらない。
//
// 羯諦羯諦 般羅羯諦 般羅僧羯諦 菩提僧莎訶
__ //
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ はらそうぎゃてい ぼじそわか
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
(ヽ三/) ))
( i)))
/ ̄ ̄\ \
/ _ノ \ )
| ( >)(<) 特に意味はない
. | ///(__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
⊂ヽ γ く
i !l ノ ノ |
⊂cノ´| |
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)ないのかよ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
*
/ ̄| + / ̄ ̄\ + 漢字は発音を当てただけだから訳しても意味は無いんだ!
| ::| / ⌒ \
| ::|x ( へ)( へ) | .人 発音だって当時のものが保たれてるとは思えない
,― \ .(__人__) | .`Y´
| ___) ::| . l` ⌒´ .| 一心に唱えることで神秘的な力とか元気が湧いてくるとか
| ___) ::|+{ .| 十
| ___) ::| { _ | 悟りを開く最後の跳躍になるとか言う人もいるけど
ヽ__)_/ ヽ、ヽ / )|
``ー―‐'| ..ヽ| 技術屋には関係ないしな!
ヽ ノ
____
/::::::::: u\
/ノ└ \,三_ノ\ ,∩__
/:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu そんなんで納得できるか!
|::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | | |
\::::::::: ` ⌒´ ,/_ | | やらない夫はどう考えてるんだお!
ヽ i 丿
/(⌒) / ̄ ̄´
/ / /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(⌒)(⌒ ) | 俺は自由に意味を与えていいと思っている。
(__人__) |
(`⌒ ´ | これだけじゃなんだから俺のおススメ、現代日本で一番近い言葉を教えよう
{ |
{ ノ 怒るなよ?
__∩ ヽ ノ
(ミんゝ、 / ヽ
\ '' /| |
____
/ \
/ ─ ─\
/ ‐=・=‐ ‐=・= \ 怒るようなことなんだな?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ̄ ̄ \
⌒ `⌒ \
( >) ( ●) | 俺が俺であることを確認する呪文
(__人___) |
'、 | 何の意味もないがゆえに自由に意味を与えてよい呪文
,,. -ー| |ヽ___
/ .::::>-、_ ___ /ィ::::::::::::..`' ー-、 それはもちろん
l ::::://// ,ヽ__,. ":::/::::::::::::::::::::::.. ヽ
」 :::/ 代_|二::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::..\
l ::::/__ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::: i
L√:::::>、<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l :::::::::::::::::: |
ハ::::::::::::::::v":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::: |
ハ::::::::::::::::: 〉ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::/::||
ハ:::::::::::::::::: i/\:::::::::::::::::::::::::::::::::::;| ::::::::::::::::::: ノ::|
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒
/⌒ト、/ (> )(●) エル・プサイ・コングルゥ
r-='´ ヽ (___人__)
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ
} ⌒´ `V |>ー- 、
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::|
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)シュタゲファンに怒られるなそれは! (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
/ ̄ ̄\
/ ヽ、__ .\
(⌒)(⌒ ) | 近いってだけだよ。
(__人___) |
l`⌒ ´ | 意味はないけど俺にはそれを言う自由がある、
| |
| 、 _,.ーへ 口にするとそれが確認できてなんか気持ちイイって意味で。
_. -: ::::ヽ__「 v、___
__,. <::::::::::::::∧:::二〈 、 ∨:::::\ 俺はちゃんと般若心経の方を使うから大丈夫!
/:::::::ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_〉、 -ー、:::::∧
/::::::::::::::ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー/ ::::::::>:、::ハ
〈::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::::::::v::、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Λ::::::::::::::::::::::::ヽ|
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ スルーしてもらえることを祈るばかりだお・・・
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ<
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
/7 あとはラスト一行
//
// 般若心経
__ //
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ 以上が般若心経である。これで終わりだ。
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ 飛ばした割には長かったお。
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ ところで、なんで般若心経の解説してたんだっけ?
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) 前半は人は全てを「もの」として捉えているって話をするためだな。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 今日解説した分は仏教では「それは何であるか」が存在しないという話だ。
| } \
/ヽ } \ そして「般若心経は真の自由の宣言である」というのが技術屋的に都合のいい結論だ。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ 真言とかはついでみたいなもんで仏教とか般若心経の入門ならこれで終わり、
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ ( 正確に知りたい人は別の解説書をあたってくれって話になるんだが
\ / /⊂_)
__
/ ̄〉 |__| 匚l
___ / / 〈 \
_ / `丶、 / / ヽ \
//l 「l_∠ __ /〉 ヽ /_/ \/
. __/ /,ィ´ -‐ 、.__\/ } __ _
/ /____ /| ヽ、\ ) \, / |___  ̄l / / 俺たちはここからが本題だ
l |、.__ 〈/ -‐ ト、 ) 、::::j 7  ̄ ./ /
l |、  ̄入 、_`j , r' / / 〈X〉/〉
. ヽ\_〈::::::\__、__ノ (__ノ_ ) \/ 〈/
. \  ̄/\::::::/ l | `)‐'
 ̄ ̄l  ̄ // __/
/ // ヽ {ヘ、
、___/ _/ `ヽ \ ___/ヽ
/  ̄ /| `¨\ ̄ ̄ ̄〈_/,、 \
. / / \. (__,. ‐- l、
, ' /、.: :`ヽ..,____.. -‐::::::i:‐:..、 ヽ (___,. |ハ
. / l/ ̄ \:::::::::::::> "´  ̄ `ヾ:、Y ‘ー┬r‐' |
/l /: : ` 匸´___/__,..- ` .、___ | /│|__,ノl
. ∧/: : : / }/、 | } ││|__ノ
. | |: : : : { / ) , '"^ト-〈 │ | |__/
. | |\:_:_ ノヽ._/ー一^ ー‐´ │ V l | |、
| |  ̄`ヽ: : i , ,ノ、__,ノ l |/|
| | ∨ ` 〈 _/ | | | l !
. ! | | ∨  ̄ ゙, ,!、__\ | | |
. ││ l |, -- 、 -┴‐' ヽ.  ̄\ !__|__
. | | l l / ` 、 jハ:::::://
! ! | ,' ` ー 、 ___ ∨/l
| l l i /o | |' l|
│ | l/| / / /|_ |、l|
. | | /l:::八 イ / / ヽ|::ヽ
プラトンは言った。「それは何であるか」で合意するのが対話であり、「何」こそがイデアであると。
.
観音様は言った。「それはなにものでもない」と。「なにか」であるというのは思い込みに過ぎないと。
.
もし俺たちが仏教的な見方をしているのならば―
.
. ━-ミ 厂 ̄ ̄ | .┌┐| ̄「 , ―┐
/ 丶 | 厂.i | ||| | ∧ /./7|.厂|/|,、
′ ヽ.| | | .| ./ || ヽ′〉 ∠/ / / / ./.| 〉 , ―┐
ⅰ 、 、 !  ̄ ./ | <_/└―‐< // |_/ ヽ/ ∨7 / /7/7
! ミ _,ゝ i='゙{ / | ゝ--、 く/ r ' /_/ // /7
∧ '≠‐'` 、! \_/ t-、 r、}W / '.  ̄ l_// /
}ヘ ゛ (_,ゝィ'{ rJヾ.、t.' j ! λ _,ィy,__  ̄
} ヽ> 二イ ヽ, } } { !仆、 (ノ ___)) .ィ イ `.
/" >―‐-ヽー-、___ ,.ィ , } { _,∠, 、ゝ'、  ̄ ̄ ( -く j'= j
/ " ,. -‐ ヽ ___ `く、 / ,′_{'⌒ヽト、 iヽ ̄ヽ ヽ 、 ヽ'ィiヽ._
{ / " ノ __ノ /八{_乂 く _ノ、! } i } `i! `y`‐ `ヽ. ___))
∧八、 / "´___,ィ´  ̄V、 ^く 、 / ,'ノ___ ヽ- 、_、_ ト、_ ̄ ̄
\\ ー-`ーく-―´ ̄ } } ハ ー= ヽ!:/__)) ーノ } ィ/ヽ 、 ` 、____
ハ ヾ / ノ \__ /ーイ __,__ r〈 ) ハ ヽ\ ̄ ̄ ((_ ,ィくv / r'´ `¨¨¬jヽミ
/.ィ\ ` / 、_  ̄ ノー }´ ノ{ニニ>'ヘゝ-⊥人 \ フ ̄ニ=ミ三′____,
/ ," ヽ、 〃 ーハ _/ i {\ゞL/、 ニ[>=yハ!  ̄` , ヽ / ニ=-/`-ノ  ̄ ̄ ̄
,イ ノ ,ゝ''´ `< !i; ヽ ミ ヽ \`;/,゛` ー=ァ‐ '´ {.f‐ミvyzゞ=、/ゝ'´
,
r‐-、/ ̄\ _,,..ノノ..、
!_,..-〈 ノ 、_ | ,... -‐‐''"´、_っ'´<
ノ,.ィ .ハ=) (=) | __,,....,,_,..-‐‐''"´_,./´ ,/`¨`ヽ ̄´
{ .リ八' }(人) ノフ´ /'‐''""´__(⌒) ,,../
}'´ 人`.iヽ--'ケ‐' ヒ‐‐''´ ,.‐'" ̄ 俺たちが議論しているときには
ト、 イ,ィ ヽ. i‐‐‐'"
ヽ_ー'"ヽヽ、 ,. i、__ ,.リ 一体「何」の議論をしているんだ?
ヽ { >ァニ'"ハ.ノ {
\ '彡 { ', i
\彡 三 X´`', |
\ヽ ', `.}
)-‐- 、.ハ. !_
/、._ 、 ,' iヽ〈  ̄``ヽ、
{ ⌒゙i.リ | i. } `ヽ、 ー`ヽ
ヽ 八_ノ Y \ \
}、/ : ヒ‐- _,>_,,.. ,{
/ { : |`ーァ‐‐''"´ /
__ { } : !''" ,,.> _,. '´
/ ,ヽ、.___,,,...-ヽ、i ! ,.. -‐''"´
ノ ,.. ‐- .. ___ ヽ /<´
/__,.. -‐''' ̄` ‐- ..._ _,人. \_
` ´  ̄ ̄ ̄ `¨¨´
____
/ ノ ヽ\
/ (○)}liil{(○) なんかまた脱いでるし!
/ (__人__) ヽ
| |!!il|l| |
\ lェェェl /
/ ヽ
しヽ ト、ノ
| __ |
!___ノ´ ヽ__丿
_
/| r、
__ } ,! !| }
ヽ.`<ー-、. |
ヽr ''ーィ'
ノ i
i´,' }
_ ∨ リ
/´、__`ヽ / } /Y
| ,) (●)\ ,! } ノ{ こんな話、素面ではできないからな!
ヽ(●〉ト-' ヽ /´! ', ' }
\`´ ,ハ、リ ヽ_} _,ィ' 次回、日本人にとって「議論とは何か」!
ヽ、‐-イ〈,y' ´ ! ゙!:::ヽ
,-'`ー--、____,,......_ ____ ,.. --、人≫Y !::}::}i 誰か議論の定義とその根拠が書いてある本持ってない?
} ', y ,ノ ` 、 _ `´ `ヽ、r'"´ ', リ^ィ::|
ヽ、(ン⌒ヽ、. ,.>、_ ーヽ .. ', ,./ ヽ}リ 教科書とかだと嬉しい!
`¨¨´ ``ヽ、__>ート、._ ,ノ<´ 、._ノ.ヘ、
\{.``´ ,r '´ ∧リヽ、
``ー、-'、 ノヽ´_ハ .{::ヽ
`ヽヽ.ノ ヽ }/::::i_
ヽ、.‐-、‐-〈.、::::::゙i
\. 、_ヽ>ヽ::ヽ
``''''ヽ.__,::.ゞニ、
ヽ、_,)
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \ 議論とは何であるべきかという「主張」は見つかるんだけど
| u , (__人__) U |
\ ..` ⌒´ .〆ヽ その「根拠」は全然見つからないんだよな。「俺はこう思う」ばっか。
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
7.結論はイデアではない
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー-
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、 本来ならここから哲学―イデアまたは真理に近づくことを試みるんだが
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: ::::
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 ::: 何度も言うがここは哲学を語る場ではない。
/ ル-/ j j(,/ '、 :: ::
'ー ' | ,ノ |,ノ┃ 工学に必要なのは―
. ~ ▲、 ::、
▼▲ ~'-
》
▲
▼▲━━┓
」」 」」 」」 」」
__ | __ | __ | __ |
| | | | _| _| _|
___| ___| ___| ___|
....______,,,,,,,,,,,,,,,,
/ \
,,,,,ミミ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;\
/ .;.;.;.;.; \
/ ノ― - ..._ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ノTi\
/ ―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ ――確認しておかなければならないのは
/ <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ_i、.
i `冖' ´ "´ ',¨ヾ', i、 「美とは人間の肉体を有効に使う・輝かせることである」
l ( / ヽ \
l / ヽ、____.人__ノ / とはなんであるか、だ
l i ∠..__ツ´ /
ヾ | ー / ,>‐'つ
ヽ、_ .;.;.;.; / /.ノ ┃
iヽ、_____ .;.;.;__ ノ ! }/▲、
ヽ ヽ、_____´三/ { (´/▼▲
!ヽ、 :;:;:;:;:;:;:;| ヽ( イ- ) 》
| . :;:;:;;| \ `ヽ::: ▲
/ヽ、 .. .,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,|\.; 7゙<〉 ▼▲━━┓
::::::::::/:::::::\ ノノ
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ なんであるかって・・・「美」のイデアを目指して対話したんだから
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / 「美とは人間の肉体を有効に使う・輝かせることである」は美のイデアなんじゃないの?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
______
/ \
/ \
/ {,.、- - 、 ! ,. - -,、} ヽ、
i ,ヘ二__`_爪_~__二.ヘ i、
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ ;;;;;;;;;:;:::;;;) プラトンはその著作において
. / / || ヽ ヽ;;;;;;;;;;::;;;::::;;;/
! / i、_____人_____ノ \ (;;;;;;;;;;;::;;;ノ 対話の結論はイデアそのものではない、としている。
ヽ、 ィ--ェェェ (;;;;;;;::::;;;ノ
ヽ、 个┃ /;:.::;ノ / ____ だいたい、材料によって更新されるものが
,,,,,イ"""=く i!゙゙、、、 ヽ ・;;;ノ/,,, ;;;ヾ⌒;; ヽ
r" ;) =、、 ,,,,,,:l:,,,,,, ___ ;; j ヽi、:: i、 不変なるイデアであるわけがないだろう。
(;;;;;; i| Y""""" ヽ、 ,,.,/ ,, 、;;;;ヽ
) >>>ヽヾ__ .| ;;;; ::: |!i/ ;; ) ヽ、
ヾ ノiヽ\__( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ--,,(<<<t ノ,, i
ヽ.....ゞ ヽ ヽ;;;;; ,,,___,,, ノ
i、 ;;;; ヽ___ ;;;;;;;;;;_ ___,,/´
i、  ゙゙̄ ̄;;´;;ノヽ、、、ー ;;;;;;;;;/
ゞ____、、、"ソ/ー―′ ヽ、____、、,,,,,,r´
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | |
/( ●) (●)\ ! ! ならそれは「美」の定義だお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | / 対話は定義を求める作業なんだお!
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) /
.
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } それについては俺から説明させてもらいたい。
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 俺も先週まではそうだと思っていた。
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、もちろん対話により鮮明化されるものだから「暫定的な定義」だが。
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム だが
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' /
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
, -‐‐ノ ,r‐-、._
,. -‐ 、 / ( 〈<_ 、 ヽ
/´_ 乙ノ { i) ¨`´゙', ゙: \ 実はプラトンは「定義」―ギリシア語で「ホリスモス」という言葉を
〃 7¨´ ヽ } }. : ヽ.
/, '´, { } :. ヽJ __ __ノ : !. ', 一度も使っていない。
i ,' ´ リ...._,. -‐‐-、/ ,ハ (|_,/´ `Y´ {' リ 〉{
,' i ,/ Y -‐yi´ (,ノ ノ´ )'"゙`>'' ,. '′ これは翻訳者たる藤沢令夫先生が「プラトンの哲学」で書いている。
!、<`` ヽ、 ´ { ,リ ハ`ーイ´ ,/
`ヽ、 ,人 人 ∧ ,イヽ、_ノー‐,ィ''"´ だから、「それが何であるか」は「それの定義ではない」んだ。
`‐---ベヽ } ハ )、 リ _ノ,リ
\-'゙ヽ、 入 '´ `´三彡'
ヽ  ̄个 __,,.フ' ,イ
i =" .リ `ー / /、|
{. ,' ィ._,ノ´`.リ
,ヘ : ,‐''__、 /
i´  ̄`´ ̄ , ''"¨`゙{
}', リ , / ,.. ,ハ
,{ ', ∨ / '彡'",r' ゙ヽ.
/ { ヽ、:,,' { ヽハ
/ `ー-、._'、_ ィ ',
/ ,'' /´/ ∧` ´ i
¨¨¨¨¨ 、
/ i l! | \
′u | | |l ! u. ヽ じゃあ「それが何であるか」っていったいなんなんだお
/ ! (___人___) }
i u !ililililil| /
! {ililililiノ /
ゝ イ..ノ}
7 ..ノ} ! ノ
/ .ノ |´
/ |
.
/ ̄ ̄\ 先生はそれに名前を付けていないが―俺にとっては
/ヽ_ |
n ((●) | 「合意」だよ。それも、その場その時の参加者でだけの「合意」だ
/ス_,.、 _ (ノ、_) |
゙Y.(ニ=ィ' ヽ イ ヘ、 結論を共有するためには材料を共有している必要があるからな。
', "´! └┐ イ { `ー- 、
ヽヾ\. ,. --、_,/{゙ヽ ,ノゝ、/´ ̄`'''ヽ、 定義ではないから、例えば
\ ``丶、 ,. -‐-< ` ̄` y' ヽ、 )、
\.. _ ) `〈 __,,.ム } ミ、__ ,/ ヽ 「それは何でないか」みたいなものも
\.` >' ,.フ''"⌒フヽ、 }、 ∧ `ヽ、 ハ
`ー‐‐-=ニ=-'"\、 \_∠=ミー-‐彡八 ,'ヽ ' ', 合意として使用できる。―というか
ヽ./´‐'"个‐‐- '",λ`ァ-}、'゙ヽ ∧
V,.. -ヘ、_,.._,.ノ' }/ ,' ´! リ/ 作中では「それは何でないか」はわかっても
/八 -‐- ノ // { ,' ,/
ノ、 ,.彡=' { /ヽ ノ 「それは何か」がわからない「アポリア(行き詰まり)」
∧`ー--‐ '´ /⌒} / ,/
i. ヽ / ; v i´ ゙Y となるケースが多い。だがこれだって結論のうちだ。
ハ 人 ,ハ ', 'ハ.マ|
/ ', `ヽ 、 、 | ヽ! きっと次の奴がうまくやるだろうから無駄にはならない。
i /` ! ヽヽ、∨ ',
| ,' ∨ 〉、 : ヽ} i
! ,' ', i \', , i
,ヘ
/'ノ
/ ,}{
/ゝ,',.⊃
/ , '/´
/' ,. ' /
/ :′,.. /
i´ 、},....,/
{ 'ヽ-' ( ,-‐ノ 、_
.ハ. ,. ゙ヽ. / (●) ヽ i.| // ,、 そして、これは「それが何であるか」であると同時に
| ` ', } | (_人) / ' 〈ノノ,、
.! ヽ,ヘ.〉 ヽ } r‐- '′ヽ '/ 「あるものがそれにあたるかどうか」の基準でもある
', ,.、 } \' ヽr ‐/  ̄ヽ、 ,. 、 ノ
∨´,.)イ ヽ ノ } } {
/´ | ゙v,.ノ--- 、 | |
| /! } >‐‐、.ノ', ハ
∨ i、_` ヽ リ 、 ノ-、 }、 . }
} ノー-'、_,`ー-‐'、 ,イ、 ー-'八 ヽ ,!
.| ,' ヾヽ 、 `ヽ..ィ `¨''、'ノ 人 ヽ__,,.゙-‐'
{,ハ ヘ. /`゙r<ノ),/  ̄ ̄
/ ヽ `¨ メ-、_,.ィ /′
,ノ゙ヽー''' } ー、6 r"/
/ ', { ノ ` ィ' ,/
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・
. | (__ノl (⌒ (●) | 「あるもの」ってなんだお?
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
.
,... -‐――--- .._
/k' ー-,... ==、ー、`Y
', \ `ーく `弋_リ
i `,r¬ー- 、 __
ヘ ! 、 ハ / `ヽ
\/⌒ `ー,..ム.i._ ./ .
./゙i.__ Y´, _ ̄/ ! ノ/
| /´ ̄K/ r' ノ ! (● さっきの対話で言うなら「やる夫の肉体」だ。
}、_ ノ'′ / ´ ∨ (_ノ
|∧ / ,_ _',__ノ __ 「やる夫の肉体は美しいと言えるかどうか」、ということだな。
ii ヽ. / ノーf‐⌒ゝ`ヽ. {.f¨ ヽ
! Y ,.....、 /´ i i ハ 弋、, ハ つまり、「それが何であるか」には
.| ,'! :.`ー--ーゝ、._ }. ト、 / ,'
! : | ヾ、 \._ リ 〉ー-く './ ,' 「美とはなんであるか」という美そのものについての合意と
i リー-ミミヾゝ┬‐ '´i. { X`_, //
ハ.〃____ー ; \ゝ-‐⌒、_// 「やる夫の肉体は美であるか」という、個物が美の基準に合致してるかの
/  ̄/,>'' ̄`ヽ' ` <...__,r'′
{ ∨ /⌒ヾ、 ハ 少なくとも二つの意味合いがあって、俺たちは普段それを意識していない。
ト. リ/ ) リ !
|ヘ〃 ー- ノ ヽ.∧
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ', そして、この「それが何であるか」を使い分けできていないことが
ヽ ノ `フノ-‐ュ',
〈゙y'´ ´ '´,≠-, オブジェクト指向に多大なる混乱を引き起こしている
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶. と俺は考えている。
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ 「それが何であるか」を考えるのが
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ', オブジェクト指向設計の中心であるのに
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / } それを使いこなせていないということだ。
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' /
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / /
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
/ ;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;|
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l 俺たち技術屋には哲学―真理を追究することはできない。
| (__人__) ;;;;;;;;il
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ 美だの善だのを探すのもきっと上手くやれないだろう。
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、 だが、せめて自分の仕事は正しくやりたい。
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ, だから、「それが何であるか」を正しく理解するべきだ。
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
,
r‐-、/ ̄\ _,,..ノノ..、
!_,..-〈 ノ 、_ | ,... -‐‐''"´、_っ'´<
ノ,.ィ .ハ=) (=) | __,,....,,_,..-‐‐''"´_,./´ ,/`¨`ヽ ̄´
{ .リ八' }(人) ノフ´ /'‐''""´__(⌒) ,,../
}'´ 人`.iヽ--'ケ‐' ヒ‐‐''´ ,.‐'" ̄ 「それが何であるか」を正しく扱うにはどうすればいいか
ト、 イ,ィ ヽ. i‐‐‐'"
ヽ_ー'"ヽヽ、 ,. i、__ ,.リ これはプラトンではなく適任者が別にいる
ヽ { >ァニ'"ハ.ノ {
\ '彡 { ', i もちろんそれは―
\彡 三 X´`', |
\ヽ ', `.}
)-‐- 、.ハ. !_
/、._ 、 ,' iヽ〈  ̄``ヽ、
{ ⌒゙i.リ | i. } `ヽ、 ー`ヽ
ヽ 八_ノ Y \ \
}、/ : ヒ‐- _,>_,,.. ,{
/ { : |`ーァ‐‐''"´ /
__ { } : !''" ,,.> _,. '´
/ ,ヽ、.___,,,...-ヽ、i ! ,.. -‐''"´
ノ ,.. ‐- .. ___ ヽ /<´
/__,.. -‐''' ̄` ‐- ..._ _,人. \_
` ´  ̄ ̄ ̄ `¨¨´
―――プラトンの一番弟子にして万学の祖、アリストテレスだ
.
r、 ____
ヘ \ / \
(ミ⊂) /⌒ ⌒ \
ヘ \ /(●) (<) \
ヘ \| __´___ |
\ \ `ー'´ /
\ \
\ ___ト ゝ
| ( /
|  ̄ |
/ ̄ |
ヘ ト⌒\ |
__ヘ ヘ \ \‐‐、
(____ ) ヽ.____`_)
アリストテレス:できる夫
./ ̄ ̄\
_ノ ヽ,_ \
(●)(● ) | だがその前に般若心経に戻る。
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . |
{ . i
/ ヽ ノ
, ,/. ヾ ー,-- ':;\ ー、
/ / _,,」、'....ィ' '| \、__
. /./ ,. ‐'''"´ !:::. / _」__iヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ノi ノ (、_ ``ヾ!
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._
| ヽl(B ./ ヽ、_
| !,、 ! / ∠,,,
,イ ヾ' ィ 、 / ,,ィ'´
.
____
/ \
/ ─ ─\
/ ‐=・=‐ ‐=・= \ やっと服を着たか
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ で、なんでここで般若心経?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
___
/ \
. _ / ヽ
. /´ ._>.、 | _,ノ ^ヽ、 | プラトンが「それは何であるか」を作ったから、俺たちは「ある」を知った。
/〈 〈/ / ヽ. >..、 | (一) (ー) |
./_/ヘ_lヽゝー ヽ ノ7、(__人_) | 今なら「無」を説明できる。これが仏教の「無」であるかはわからないがな。
⊂ -'‐-、 ` ̄`¨ ,/:::::ヽ、 !
.  ̄ ̄´`7 /::::::::::::::::`>.v'、 つまり―
.....::::゙ゝ:::::::::::::::::::::::':::::`ヾ、
. /´::::::::::::::::<:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. /::::::::::::::::::::::::::::≧_、:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::>、:::::ー::::::::::::::::::::i
/::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::>、::::::::::::::::::_ノ
j::::::::::::::::::::j::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Y´ ̄
. /:::::::::::::::::::/!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,{
/:::::::::::::::::::/ !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
/ ̄ ̄\
⌒´ ヽ、,_ \
(●)(●.) | 「それは何であるか」が無いんだ。
(_人___) |
'、 │
} {
!、______ .ィ-ート、
V/:::::::::::::::::ヽ
{::::::::::::::::::::::::::::::.、
/ー-:::::::::::::::::::::::::::::::,
「r'、 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
} r'、 ヘ、 /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
i/ ム、} .{ i:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::: |
{ い、{ Y::::::::::::::::\::::V:::::::::::::::::::: |
\ ヽ {|V.::::::::::::::: \V:::::::::::::::::: |
\ ノ|:.V.::::::::::::::::::::::〉.:::::::::::::::::|
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 仏教は「それは何であるか」を作らなかったのかお?
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ // ∩ノ ⊃
( \ / _ノ \/ _ノ
.\ “ / . \ “ /
\ / /\/
\ \
\ \ \
> > >
/ / /
.
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
i :::::::::::(ー).(ー ) |::::::::::::::::::γ::::::::::::::::::::: ノ 作らなかった。
| ::::::::::::(__人___) |:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: / 仏教は関係性で物事を見るから
| :::::::/::::: | | /...::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/::::::::::::::::: / 「それは何であるか」はむしろ邪魔になる。
i:/:::::::::::: ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::ノ::: 、:::: // それに―
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
i :::::::::::(●).(● ) |::::::::::::::::::γ::::::::::::::::::::: ノ 「それは何であるか」はプラトンの作った幻想―
| ::::::::::::(__人___) |:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: / つまりあるということにしたが本当は無い。
| :::::::/::::: | | /...::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/::::::::::::::::: / 無いままにした仏教のほうが真理に近い。
i:/:::::::::::: ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \
/ (●) (●) \ n いまさらイデア論は真理から遠いって言われても?!
| U (__人__) l^l.| | /)
\ |i||||||i| /| U レ'//) なんでプラトンはそんなもん作ったんだお
γ⌒ ` ー'´ ノ /
i j rニ ノ
ヽ、 l !ヽ、_,__/
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) プラトンは哲学者であるがその本質は「教育者」であり「政治家」だ。
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / 「善い市民」「善い社会」を作るために「善」を探していたんだ。
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l 「善」すら存在しない真理なんてものに用はない。
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ プラトンは技術についてすら「真の技術は善に結び付くべき」と言っている。
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
/ ̄ ̄ \
_.,ノ ヽ、,_ \
(= ) (= ) | 善は物理的に存在するわけじゃないから
(__人___) u | ⌒ヽ
'、 | ____ ,.-、ヽ、 「それは何であるか」を使って探すしかない・・・
,,. -ー| |ヽ__∠___ゝ」 r'
/ .::::::、::| /ィ::::〔 _,.-ー `'r-、
l :::::::::::::::::ヽ__、____,. ":::/:::〔/ l:::. ヽ 「良い」を目指すのは技術屋の本能のようなもんだが
」 ::::l:::::::::::::::「二二::::/ :::::::ト、 y |::::::. ',
l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r l:::::::: i 俺たちはこの借りを返すために「善」も求めるべき―
/ :::::;;:ーミ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、_ ノ L::::|
/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::| だが今は目の前の問題を片付けよう。
/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 :::::::::::::::: ||
/ ::::::::::::::::::::/ \::::::::::::::::::::::::::::::::::::V :::::::::::::::: |
∩⌒ヾ
い )
、 . ノ
| | / ̄ ̄\
| |./ _ノ \
| | ( \) l
| | (⌒ (\)
| | / ̄(__丿 片づけると言っても「無」を定義した今、ほぼ消化試合だけどな!
ト /ー、/
| \ノ 次回!般若心経とはなんだったのか!
| )
| /ヽ
| /三)
ノ 〈  ̄
/ _ ⌒ヽ
/ / | |
/ / | |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U | あれ?「それはなんであるか」は無いって話だったよね?
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
6.何のためのイデアか?
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) では、対話とは何だったのかを整理しておこう
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / まず、俺たちは「対話の材料」を挙げた。今回は三つだな
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l ・女性は美しい
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ ・筋肉は美しい
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l ・力士は美しい
/=====、 ....====i、
.
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 主張として挙げたのは上二つだけのはずだお
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | やる夫が相撲見てるのは事実だけど・・・それに後出しだし
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
____
/ \ 事実も「対話の材料」に入る。
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ 事前に提出するのが望ましいが
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 全部の材料が最初から揃うほど都合よくはいかんだろう
・
.
′
____ 、´
/ ヘニヾ゙リン\ おっと大事なことを忘れていた。追加の材料は「却下する権利がある」
/ =▲▼--▼▲\
/ /(__人__)ヽ \ 後出しで材料を追加し続けたら対話が終わらないからな。
| `⌒┃ |
\ ・ / 却下する理由は欲しいところだが「事前に提出されてなかったから」でもいい
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) 次に、ごく一般的な論理として
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / 「すべての材料を満たせばそれはより確かな「美」である」こととした。
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l 論理には他にも考えられるが今回はこれでいいだろう。
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) そして、条件を満たすために「材料」に修正を加え、採用に合意した。
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / この「参加者が材料の採用を合意すること」が非常に重要だ
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l ・女性は美しい -> 人間は美しい
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ ・筋肉は美しい -> 肉体は美しい
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l ・力士は美しい ->力士は美しい(合意の上そのまま採用)
/=====、 ....====i、
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 合意なんて一々とるの面倒くさいお
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | 同じ材料をとらなかったらどうなるんだお
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
.
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\ 材料を立っている場所にたとえよう。
/ =▲▼--▼▲\
| /(__人__)ヽ | 別の材料を採用したときは、つまり別の場所に立っている
\ `⌒┃ /
.
.
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | ./─ ─ \
. { | / (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| | | |
そこから「美」へ向かって一歩踏み出してみよう
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
| (__人__)
| ``⌒´ノ ____
| . } / \
ヽ .} / ⌒ ⌒ \
ヽ ノ / (●) (●) \
/ \ | (__人__) | ―>美
/ / } | \_ `⌒´ _/
/ /. | | / ヽ
| | .| | | | |
| | || | | | | |
(__) | |し__) ヽ ヽ | |
| } | (_) _ |_)
| | / | / | |
| |/ / / | |
(_⌒) ヽ_⌒) (_⌒)
美には近づいているが、相変わらず二人は別の場所に立っている
.
つまり、「美とは何か」を二人は共有していない
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | ./─ ─ \
. { | / (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| | | |
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\
/ =▲▼--▼▲\
| /(__人__)ヽ | 同じ材料を採用したなら同じ場所に立っていると言えるな?
\ `⌒┃ /
.
.
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | /─ ─ \
. { |/ (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| || |
そこから「美」へ向かって一歩踏み出してみよう
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
| (__人__)
| ``⌒´ノ ____
| . } / \
ヽ .} / ⌒ ⌒ \
ヽ ノ / (●) (●) \
/ \ | (__人__) | ―>美
/ / } | \_ `⌒´ _/
/ /. | |/ ヽ
| | .| || | |
| | || || | | |
(__) | |し__ヽ ヽ | |
| } | (_) _ |_)
| | / | / | |
| |/ / / | |
(_⌒) ヽ_⌒) (_⌒)
美に近づきつつ二人は同じ場所に立っている、つまり「美とは何か」を共有していることになる
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | /─ ─ \
. { |/ (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| || |
/ ̄ ̄ ̄\
/ / \ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | なんかすごく当たり前のことを言われてるような
\ ` ⌒´ /
/ \
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;( すごく当たり前のことを言ってるんだよ
/=▲▼--▼▲=) ;;;;)
| /(__人__)ヽ ;;;/| プラトンの著作は対話篇―主人公のソクラテスとゲストの対話で成立しているが
\ `⌒┃l;;;; /
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ ソクラテスは何かあるごとに相手に「この認識を採用して問題ないか?と」確認している。
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ プラトンが対話篇という形式を選んだのは「相手の思い込みをソクラテスにリセットさせる」
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' ためだというのが定説だが、違う材料で同ところへ行くことはできないから
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、 合意を得て対話を進める姿勢を示すためであるとも思う。
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\
/ =▲▼--▼▲\
| /(__人__)ヽ | 次に、同じ場所に立っているがそれぞれの「美」を持っていることにしてみよう
\ `⌒┃ /
.
.
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | / ─ ─\
. { |/ (●) (●) \
美<- { / | (__人__) | ->美
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| || |
そこから「美」へ向かって一歩踏み出してみよう
.
, -―- 、
/ \
/ \_ |
(●) (●) | ____
(_人__) / / \
l`⌒´ / / ⌒ ⌒ \
| ヽ / (●) (●) \
美<― __!、____/ \ | (__人__) | ―>美
/、 ヽ r 、 ヽ \_ `⌒´ _/
ハ ヽ Y`l | > Y / ヽ
{ ヽ_ゾノ | レi i i} | | |
`¨´ ヽ ハ `''' | | | |
> / ヘ ヽ ヽ | |
/ /ヽ ヘ (_) _ |_)
_,/ / ご_ノ | / | |
( ヽ / / / | |
\__ノ ヽ_⌒) (_⌒)
二人はもう同じ場所に立っていない。「美」を共有していないんだ
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | ./─ ─ \
. { | / (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| | | |
____
/ \
/ \
/) ノ ' ヽ、 \
/ .イ(ー) (ー) u | あーつまり「生まれる前にイデアを見ている」というのは
/,'才.ミ) (__人__) /
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
.
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ そんな事があるわけないと思ったろ?
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / まったく同一のイデアを事前に見て共有する必要があるんだよ。
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト 「同じ材料と同じロジックを使って同じ方向に進んで同じ結論を共有する」ためには
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ 同じ材料を採用するという合意と同じ方向に進むための同じイデアが絶対に必要だ。
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ / ロジック―当時はロゴスだな。これはそのまま共有できる事になってる
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ミ ミ __ ゝ 〈
ト ノ ミミミ iニ(()
i { _____ | ヽ
i ヽヽ (ミ彡 /ヘニヾリン \ i ノ } イデアは一つであるとか
| :;:;:;:; i /=▲▼--▼▲=\ {、:;:;:;:;:;λ
ト-ー┤. / /(__人__)ヽ \ ,ノ ) 不変かつ普遍であるというのもこのために作った設定だ
ヽ `` 、,_ | ´ ̄` | '´ ハ /
ノ ノ 、´、,_\ /" / / 今の「美」とちょっと前の「美」が違うものだったら
;、  ̄`゙゙゙゙`Y´"""´ ̄ / ;
ヽ、~ ヽ :;:;:;:;:;|:::: ノ / ~ノ 別の方向に進むことになっちまうからな
ヾ ト ........人........ / r´′:;
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 | イデアは対話を進める目印 │|
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
, ¨¨¨¨¨
. / | il i \
〃 u i l| | | u ゙
{ (_人_) ! ∨ 設定とか言っちゃっていいのかお
|ililililil| u !
\ 人ilililil}
ト、__、_ , イ
. 乂__| ト .._ 「
. | 人_ ∨
. | ∨
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\ (;;;;;;(
/ =▲▼--▼▲ );;;;;) いいんだよ。どうせ現代で真面目にイデア論を信じているのは作者だけだ
| /(__人__)ヽ;;;/
\ `⌒┃/ /
・ノ
/ ̄ ̄\
イデアの存在を信じてるってマジ? _ノ ヽ、 \
____ (●)(● ) l
. / \. (__人_) | 俺は割と本気で信じてるよ
. / ― ―\. ヽ⌒ ´ l
/ (●) (●) \ { / 虚数が存在するのと同じくらい信じてる。
. | (__人__) | ヽ /
\. ` ⌒´ /. / `ヽ お前だって虚数の存在を証明できなくても
> <. /. <⌒ <)))\ l
/ /(((> ⌒> l ヽ_ヽ、___ ,イ 電気工学の計算に虚数を普通に使うだろ?
l. ___/_ノ. , ─l. |- 、
. l. ー‐⌒ヽ⌒ヽ l /⌒ ̄ ̄ ̄ l
ヽ、. |_ノ `/ , ─―──´
 ̄ ̄ ̄`ー ′ `ー ′
/ ̄ ̄`ヽ
/ ヽ
{ ー- \ それは何であるか、を議論するということは
) (●) ', \
(●) -、 } .` - 、 __ 「何」を共有しているはずだ。そうでないと結論が出ても
\(_,ト-' リ ', `ヽ._
>--、/´).ハ リ_,.>-''、⌒``ヽ、 それはそれこれはこれ、にしかならないからな。
/´ ヽ' ./´ },. -'/´ ` ハ
/! ヽ }`,¨´ i ::. } だがこの話題にしている「「何」を共有しているという根拠」が
/ ,/ } ; ,ノ / ヾ.{ ; ハ
{ ,ゝ. -' ヘ./ 〉‐- 、__.._ _,. -‐ イ, } 見つからないんだ。
{ 、 }ヘ、 \ /´ .; ヒ'" !
,/ゝ-、 _{ ', ヽ.__{ :: :' } ,!
/ ゝ、ヘ ', (´ ``ヽ : ! !
{ ,... _: ``〉', 、 ヽ、 ', / /
}'" `ー‐- 、..⊿ムヽ ヽ、 ` ,} ゝ ,/ /
{ _,. -‐'´ ヘ. `、.___ ノ メ、, ;/
}' ´ ̄ ,..._ゝ、、ヽ、`¨¨´ ./゙Y′i'
',ヽ _,. '´/ ゝ、.___ ,/二)´ |
ゝ-<二_メ'´ `¨`ー' .リ
} ,.、 ', ,/)ヽ
/,ハ、`'′ ; ,./ ,/ヽ∧
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ',
ヽ ノ `フノ-‐ュ', 近代哲学で共有を説明する説もあるにはある
〈゙y'´ ´ '´,≠-,
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _ ―例えば論理的に導出できたなら結果的に共有できたと言える。
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶.
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ だが「それは何であるか」の段階で「何」を共有できているか、
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ これがさっぱりわからん。
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ', 哲学は専門外とはいえ勉強不足だな。
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / } ともあれ道具として使う分にはイデアはシンプルでいい。
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' / ありがたいことに技術屋は証明できないものでも
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / / スジが通る範囲で使える。
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ} 近似式の正しさを証明できなくても有効な範囲で使えるようにな。
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
( ●)( ●) | 愚痴になっちまったな。この話はここまでにして
(__人__) | ../}
_ ヽ`⌒ ´ | / / __「同じ材料と同じロジックを使って同じ方向に進んで同じ結論を共有した」
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ / とこまで話を戻そう。次の問題はこの「美とは人間の肉体である」
.(二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / /
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄) を別のものに適用しても正しいかどうかだ
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄
ヽ. `ー '/ / /\ \
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ
/ ̄ ̄\
具体的には? _ノ ヽ、 \
____ (●)(● ) l 人間の肉体は美しいってことは
. / \. (__人_) |
. / ― ―\. ヽ⌒ ´ l やる夫の肉体も美しいってことだけど
/ (●) (●) \ { /
. | (__人__) | ヽ / お前、自分の体が美しいって本気で言えるか?という話だ。
\. ` ⌒´ /. / `ヽ
> <. /. <⌒ <)))\ l
/ /(((> ⌒> l ヽ_ヽ、___ ,イ
l. ___/_ノ. , ─l. |- 、
. l. ー‐⌒ヽ⌒ヽ l /⌒ ̄ ̄ ̄ l
ヽ、. |_ノ `/ , ─―──´
 ̄ ̄ ̄`ー ′ `ー ′
/ ̄ ̄\
このぶよぶよの体で? / ヽ、_ \
____ (●)(● ) | なんかすまん
/ \ (__人__) |
/:: \ (`⌒ ´ |
/:::::::::: \ { |
|:::::::::::::::::: | { ノ
\:::::::::::::::: / ヽ ノ
/:::::::::::::::::::::: | ノ ヽ
|:::: |::::::::::::::::::::::: |:: | / |
|:::: |::::::::::::::::::::::: |:: |
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ それだけじゃいじめみたいだから俺からも材料を出そう
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 俺は両国に住んでるから道端とかスーパーとかで普通に力士とすれ違うんだが
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) オフの力士はただのでかいニーチャンで別に格好良くない
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; /
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ そりゃそうだ
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
′
____ 、´
/ ヘニヾ゙リン\ つまり、先に合意した「美とは人間の肉体である」と合致しない・・・
/ =▲▼--▼▲\
/ /(__人__)ヽ \ 「美とは人間の肉体である」が間違っているか、
| `⌒┃ |
\ ・ / 「やる夫は人間である」「オフの力士は人間である」が間違っているかのどちらかだな。
.
_____
/ノ \. \
/(●) (●) \
(⌒(⌒(⌒ヽ / ∪(__人__) \ 後者は極端すぎるお
\ ヽ ヽ (⌒) | `⌒ (⌒(⌒(⌒ヽ|
ヽ::::::::::: |. \ ヽ ヽ ヽ |
ヽ ( ヽ / (⌒)::::::::::: |
\ V ! |
ヽ ノ
____
/ \
/ \
/) ノ ' ヽ、 \ だいたい、力士が格好いいのは力士だからじゃなくて
/ .イ(ー) (ー) u |
/,'才.ミ) (__人__) / 力士として体を使ってるからなんだってば
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
.
.
.
.
.
____
/ \
/ \
/ ⌒ ー \
| (●) (●) | ああ、そういうことか
\ (__人__) /
/ `⌒ ´ イ`ヽ、
, ' ` ̄ \
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ やらない夫、筋肉ってだらけてるときにも美しいのかお?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / もしそうならポージングってやる意味なくない?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | それと魅せる筋肉と相撲みたいに使う筋肉どっちが美しい?
\ /___ /
.
.
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ もちろん筋肉はただあるだけでも美しいが
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi ポージングにより一層輝きを増す!
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ スポーツや格闘技で躍動する筋肉もまことに素晴らしい!
゙| `i Y リ'´゙Y
! ハ 。 i! 。! ! その場に適した筋肉はあっても筋肉に貴賤はないだろ!
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. /
', 、.X`、 i `个ィ/
Y ミ ` Y⌒∨ i'
| ヘY ー-<>ー1 |
{ ミ、._ :' __ノ リ
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ!
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ
∩_
〈〈〈 ヽ 「筋肉は美しい」
____ 〈⊃ } 「取組中の力士は美しい」
/⌒ ⌒\ | | 「やる夫は特に美しくはない」
/( ●) (●)\ ! !
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l 全部の前提を満たすには「美とは人間の肉体である」を修正して
| |r┬-| | /
\ ` ー'´ // 「美とは人間の肉体を有効に使う・輝かせることである」にすればいいんだお!
/ __ /
(___) / やる夫だって磨けば光るんだお!
.
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼-▼▲==\ 「女の子は美しい」という前提はどうする?
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ /
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ リアル姉や妹がいる人はわかると思うけど
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ< すっぴんでだらけてる姿はかわいいかもしれないけど美しいとは・・・
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
.
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) それ以上は聞かないでおこう
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / ともかくこれで「美とは人間の肉体を有効に使う・輝かせることである」に
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l 合意は修正された。
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ 材料を増やすことでより「美とはなにか」が鮮明になったということだな。
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー-
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、 実のところ、今行っている対話は弁証法と言ってプラトンが作ったわけではない。
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: ::::
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 ::: 哲学的に正確な話は哲学史か近代哲学の話だから先生にでも聞いてくれ。
/ ル-/ j j(,/ '、 :: ::
'ー ' | ,ノ |,ノ┃ だが、それ以前の問題である
. ~ ▲、 ::、
▼▲ ~'- 「同じ材料と同じロジックを使って同じ方向に進んで同じ結論を共有」
》
▲ こそがプラトンによる「哲学以前」の成果であり
▼▲━━┓
」」 」」 」」 」」
__ | __ | __ | __ |
| | | | _| _| _|
___| ___| ___| ___|
....______,,,,,,,,,,,,,,,,
/ \
,,,,,ミミ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;\
/ .;.;.;.;.; \
/ ノ― - ..._ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ノTi\
/ ―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ 西洋文明の全てのもとになっている
/ <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ_i、.
i `冖' ´ "´ ',¨ヾ', i、 大学など「アカデミック」と呼ばれる場では特にそうだ。
l ( / ヽ \
l / ヽ、____.人__ノ /
l i ∠..__ツ´ /
ヾ | ー / ,>‐'つ
ヽ、_ .;.;.;.; / /.ノ ┃
iヽ、_____ .;.;.;__ ノ ! }/▲、
ヽ ヽ、_____´三/ { (´/▼▲
!ヽ、 :;:;:;:;:;:;:;| ヽ( イ- ) 》
| . :;:;:;;| \ `ヽ::: ▲
/ヽ、 .. .,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,|\.; 7゙<〉 ▼▲━━┓
::::::::::/:::::::\ ノノ
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・
. | ( ●) ⌒) | やる夫も大学は出たけれど「対話」なんてしたことないお
. | (__ノ ̄ /
. | / 教授に議論という名の質問責めは受けたことはあるけど
\_ _ノ\
/´ |
. | / |
______
/ \
/ \
/ {,.、- - 、 ! ,. - -,、} ヽ、
i ,ヘ二__`_爪_~__二.ヘ i、 おいおい理系の大学出たんなら卒論書いてるだろ?
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ ;;;;;;;;;:;:::;;;)
. / / || ヽ ヽ;;;;;;;;;;::;;;::::;;;/ 対話はその場その時でしか成立しないし、
! / i、_____人_____ノ \ (;;;;;;;;;;;::;;;ノ
ヽ、 ィ--ェェェ (;;;;;;;::::;;;ノ 今の複雑な世の中じゃ材料の合意で日が暮れちまう。
ヽ、 个┃ /;:.::;ノ / ____
,,,,,イ"""=く i!゙゙、、、 ヽ ・;;;ノ/,,, ;;;ヾ⌒;; ヽ だから場所と時間にとらわれない手段―
r" ;) =、、 ,,,,,,:l:,,,,,, ___ ;; j ヽi、:: i、
(;;;;;; i| Y""""" ヽ、 ,,.,/ ,, 、;;;;ヽ ―論文を介して対話するんだよ
) >>>ヽヾ__ .| ;;;; ::: |!i/ ;; ) ヽ、
ヾ ノiヽ\__( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ--,,(<<<t ノ,, i
ヽ.....ゞ ヽ ヽ;;;;; ,,,___,,, ノ
i、 ;;;; ヽ___ ;;;;;;;;;;_ ___,,/´
i、  ゙゙̄ ̄;;´;;ノヽ、、、ー ;;;;;;;;;/
ゞ____、、、"ソ/ー―′ ヽ、____、、,,,,,,r´
,,,,,,,,/ "",;;";/;;;
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"""" ;;;;;
/""":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;; 研究者は前提となる材料、つまり論文やデータにアクセスできる。
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;; つまり、その気になれば材料を共有していることを確認できるから
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; 共有していることにして対話を始めよう、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、;;;
ii||、、"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,iヽ;;;;、 新しい論文で新しい材料とロジックを共有し、
tヽ、~''ー;;;;-ヽ、tii:r-ーー'''''"ヽ,ヽ、,、、,,,,,,
::::::::::::::::::キー't弖z-、ゝヽ,ゝーー''z'''''モ五ラ''ーz'~" 新しい結論を共有しよう――そうやって真理に近づくんだ。
:::::::::::::::::` ''''' ̄'''";;;(、 彡彡;;;;;;;~""""""
ヽ;t::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;; | j' ''":::::;;;;;;;;;;;;:::::::::: 真理には決してたどり着けない
ヽ,:::::::::::: :::::::::::;;;;;;;; i, リ :::::;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::
ヽ ::::::: :::::;;;リノ :: ,,,,,,::::::::::::::::::::::: ―だがどこまでも近づくことはできる。
ヽ:::::::::::"" ::::::: i ::::'" ::::ヽ,:::::::
i、:::::::::::::::(:::: :::::\ ''" /::::::::
iヽ:::::::::::ヽ__、/\____ノ:::'"、、,,,,
iヽ " ::Y'王エ三ニ'''z、
,、-'";t:ヽ :::::-、,,,,,,,,,,,,,、"-:::::::::::::::::::::,、
,、 ' ;;;;;t::ヽ ;;;;;;;、、;;;;:::::::::::::: ,、 ';;;;
/ :::::;;;;;;;;;t:::ヽ ::::::: ::'''" ,、 ';;;;;
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;t::::ヽ :::::::::::: ,、";;;;;;::::::::::
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: t:::::ヽ :::::::::::: ,、 ';;;;;;;; ヽ:::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::: ヽ:::::~~ ''''''''''''";;;;;;;;;::::: ノ:::::
"""""""" '":::::::::::::::
___
/ \
/ へ=i!i!リン\ 理系の論文においては「再現可能」であることが最重視される
/ ヾ・ ハi!iハ・フ \
| /(__人__) | これは一般には正しさを確認するためだと言われているが
\ `⌒´ /
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ プラトン的には再現可能でないと材料として共有できないからだ。
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ 文系、特に過去の文献を基にする論文では「再現可能」は実現できないが
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' 出典を正しく扱うことで「出典そのものを材料として」共有できる。
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
___
/ \ うっかり「自分で確認することが科学的である」と勘違いすることもよくあるが
. / ヘニヾリン \
/ ヾ ハiハ .フ ヽ 経験は共有できないからプラトン的には何の価値もなく対話は成立しない。
| (__人__) i
. \ ` ̄´ / 正確には「誰でも確認できることが科学的である」というべきだな。
. ) ヾ____ く
/´` | ヽ ・/,´´ ̄、~ヽ、 そして、残念ながら「それは何であるか」を問う他の方法は誰も見つけていない。
/~ ヽ,,, /"´`゙゙ヽ / " ̄ヽヽ;; ト、
( ヽ` :::::::::::: Y::::::: :ノ/r }ヽ、 科学を否定する人がいたら、「主張に同意するべき根拠」を聞いてみてほしい。
{ :::) ヽ ,,,,,|,, i{ ::::::: ヽ、
i、ノ )ヽ:::::::::::::人::::: 丿 \ ノ ( ) 信じる信じないとかではない、意味のある答えだったら俺も知りたい。
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー- 一方的にしゃべっちまったな。一方的と言えばこの話は
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: :::: 「プラトンこそが哲学の祖であり近代哲学はそれを再構築したものだ」
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 :::
/ ル-/ j j(,/ '、 :: :: という一方的な視点での話だ。
'ー ' | ,ノ |,ノ┃
. ~ ▲、 ::、 部分的に「それはプラトンの主張ではなく誰それの主張だ」という人がいたら
▼▲ ~'-
》 それはきっとその人のほうが正しい。プラトンは主張そのものを書いてはいないし
▲
▼▲━━┓ 近代哲学を無視してプラトンが正しいというのはむしろプラトンが悲しむだろう。
____
/ \
/ ─ ― ヽ
/ ( ●) ( ●)' プラトンを否定してる人っているの?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ー‐ ヽ
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ミ ミ __ ゝ 〈
ト ノ ミミミ iニ(()
i { _____ | ヽ
i ヽヽ (ミ彡 /ヘニヾリン \ i ノ }
| :;:;:;:; i /=▲▼--▼▲=\ {、:;:;:;:;:;λ 滅茶苦茶否定されてる。
ト-ー┤. / /(__人__)ヽ \ ,ノ )
ヽ `` 、,_ | ´ ̄` | '´ ハ / プラトンとアリストテレスの否定=近代哲学と言っていい。
ノ ノ 、´、,_\ /" / /
;、  ̄`゙゙゙゙`Y´"""´ ̄ / ;′ 教会の構築した論理もプラトンのせいだとして否定されるし
ヽ、~ ヽ :;:;:;:;:;|:::: ノ / ~ノ
ヾ ト ........人........ / r´′:; プラトンの時代には人権とか平和の尊さとか無かったから
/ ̄ 二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 悲報 | プラトン否定されまくり │| 倫理的にヒトラーのごとく否定されることまである。
\_ 二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
____
/_ノ ヽ、\
/( ●) (●).\ ヒトラーなみって・・・
/ (__人__) u. \
|ni 7 ` ⌒´ . |n
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / . . | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ 現代ですら・・・マイケル・サンデルは「これからの「正義」の話をしよう」で
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 「プラトンは洞窟の比喩で真理の超越を説いたのはいいが現実認識を無視している」
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト なんて書いている。対話は現実認識から進んでいくのにどう読んだらそうなるのか・・・
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ あと「女性と奴隷に市民権がないことを容認している」として
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ / 弟子のアリストテレスを断罪しているな。これではプラトンも同罪になってしまう。
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. | 現在の基準で紀元前を断罪するってすげぇよ。さすが正義を語るだけはある。
/ ̄ ̄`ヽ
/ ヽ
{ ー- \ プラトンは真理として「不変にして普遍なるイデア」を提唱したが
) (●) ', \
(●) -、 } .` - 、 __ 「それは何であるか」を語る目標として作ったもので、
\(_,ト-' リ ', `ヽ._
>--、/´).ハ リ_,.>-''、⌒``ヽ、 イデア―真理自体には決してたどり着けないと言っていたんだが
/´ ヽ' ./´ },. -'/´ ` ハ
/! ヽ }`,¨´ i ::. } 超越した思想の持ち主として叩かれてるんだよなぁ。
/ ,/ } ; ,ノ / ヾ.{ ; ハ
{ ,ゝ. -' ヘ./ 〉‐- 、__.._ _,. -‐ イ, } 超越性を主張したのは教会なんだがそれをプラトンのせいとして
{ 、 }ヘ、 \ /´ .; ヒ'" !
,/ゝ-、 _{ ', ヽ.__{ :: :' } ,! キリスト教徒の近代哲学者が叩くという地獄のようなありさまだ。
/ ゝ、ヘ ', (´ ``ヽ : ! !
{ ,... _: ``〉', 、 ヽ、 ', / /
}'" `ー‐- 、..⊿ムヽ ヽ、 ` ,} ゝ ,/ / 当時「自由」とか「人権」とか「平等」とか「平和」とか無かったのを
{ _,. -‐'´ ヘ. `、.___ ノ メ、, ;/
}' ´ ̄ ,..._ゝ、、ヽ、`¨¨´ ./゙Y′i' プラトンの罪として叩く連中に至っては何がしたいのかわからん。
',ヽ _,. '´/ ゝ、.___ ,/二)´ |
ゝ-<二_メ'´ `¨`ー' .リ プラトンはむしろ「誰でも政治に関われるし主体的に関わろう!
} ,.、 ', ,/)ヽ
/,ハ、`'′ ; ,./ ,/ヽ∧ 女性だって参加すればできるようになる」とすら言ってるんだが。
/ ;;;;;;;;;;ヽ 哲学的にはいろいろあるんだが、俺たちは技術屋だから
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;| 「同じ材料と同じロジックを使って同じ方向に進んで同じ結論を共有」する
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l
| (__人__) ;;;;;;;;il ことをプラトンが確立して俺たちはそれを使っているとだけ覚えておけばいい。
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、 「それが何であるか」を合意できるからこそ新しい何かが作れるし
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、 必要な何かを借りてきて使うことができる。
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ, 物質的な話で使われるのはプラトンの本意ではないだろうが
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ありがたく使わせてもらうだろ。
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=- \ 哲学をそんな扱いしていいのか
| (__人__) U |
\ ` ⌒´ /
_,,..-‐‐-..,,
/ ヽ ヽ __,,..∠
-..,,_ / (-) ‐‐ .l ,,..-''"~´ これは哲学の話じゃなくて
`ヽ、 / '''' (-) / _/ /
' , ___. / (⌒ '''' /. _,,..-‐''"/ / 「俺たちはなにをやっているのか」の話だ。
ヽ `ヽ、. ',  ̄ヽ__) / ./.. / /
ヽ ',-‐''´~/. ゝ..__,,../ |,,__/. / / 実際、プラトンは物質的な話を好きじゃなくて、
\_ .l、_,,..-‐" ̄゛''‐..,, | | /__..,,.-┴┴ 、 / ,,-''" ,,-''´
 ̄ヽ二二レ´ `.y'~´ ヽ/ ,,-‐''"/_,,..-‐''"´ 科学技術的な面はアリストテレスが作った。
ゝ,,__/ ヽ/ ',/ ,,イ / /
ヽ、{ _/´ } -イ´ .| l _,,..-''" 俺たちはさらにこれを借りているだけなんだよ。
"'''-..,,__ .l _,'- / / | /´
~l.', ∧ / ./ .|/
ヽ\ _,.-'"/ ヽ、 ,〈 / l ./
.'y' `''‐‐'" { .`''‐..,,____.,,-´ .} | /
.l _,,..-‐‐,-‐..,,_ ) _,,イ .| /
.| / / ヽ ./ / | ./