3.Smalltalkは「禅」 後編
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | じゃ、具体的に分割してみるか。
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 俺たちはプログラマで、主にPCを使って仕事したり遊んだりしている
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ } そうだな・・・今回は「木彫りのクマーを買い足す」事を目標として行動するとしよう
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
.
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | もう使い切っちゃったもんな。一個は存在すらしなかったけど。
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
/ ̄ ̄\
____ / ヽ_ \
/ \ (●)(●) | さっそく「木彫りのクマーを買い足す」ために
/ ─ ─\ (__人__) |
/ (●) (●) \ ヽ`⌒´ | PCを起動して熊屋に接続しよう
| (__人__) .| .{ |
. \ `⌒´ ./ _________ ノ 10個くらい注文するんだ
ノ \ / / ⌒l
/´ / / | |
| / / | |
__(_______ 二二⌒) / /__.| |_______
\/ / (U ⊃
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
( ●)( ●) | はいここでストップ。
(__人__) | ../}
_ ヽ`⌒ ´ | / / __ 俺たちは今、「木彫りのクマーを買い足す」行為を
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ / 「PCを起動する」「熊屋に接続する」「木彫りのクマーを10個買い足す」
.(二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / /
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄)の三つに分割して行動したわけだ。
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄
ヽ. `ー '/ / /\ \ 「熊屋に接続する」「クマーを買い足す」のはPCを操作して行っている
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ
/7 これを図にするとこうなる。最初は「クマーを買い足す」だけだった
// 買い足す
// [俺たち]-------->[クマー]
__ //
. /ノ ヽ\ .// からの
. / (●)(●〉/ 起動する
l (__人_,//l [俺たち]-------->[PC]
. | `⌒// ノ 操作 接続
l // ./ [俺たち]-------->[PC]-------->[熊屋]
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 操作 注文
/ _.、__〉 ト, [俺たち]-------->[PC]-------->[熊屋]
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、\
| (●) (●).|
. | (__(⌒.) | ところで「熊屋に注文」ってネットでいいんだよな?今時電話とかFAXで注文するのは
| `/ / (⌒)
. ヽ / / ./ / 若い奴にはできないだろすると関係性はこうなる
ヽ/ // /
/ こ二二⌒)
| \ [俺たち]-------->[PC]-------->[ネット]-------->[熊屋]
| |ヽ .\
(.__)
.r-、 / ̄ ̄\
/て ) / ノ \
( _ノ フ. | ( ●)(●)
ゝ、 〈 | (__人__) さらにPCには「ネットにつながってる部分」があるよな?LANとか。
/ ハ ヽ. | ` ⌒´ノ
/〃 ヘ \ . | } すると関係性はこうなる
i ! \ ` ーヽ }
丶丶 _ > ヽ ノ、 [俺たち]-------->[PC]->[LAN]-------->[ネット]-------->[熊屋]
ゝ'´- 、_ y-、 \
〈  ̄ う /、 ヽ
`ー― ¬、__ノ | > /
| r'^ヽ'´ _/
| `く__ノ´
.r-、 / ̄ ̄\
/て ) / \ /
( _ノ フ. | ( ●)(●)
ゝ、 〈 | (__人__) さらにネットで注文するためにブラウザを使ったりする
/ ハ ヽ. | ` ⌒´ノ
/〃 ヘ \ . | } すると関係性はこうなる
i ! \ ` ーヽ }
丶丶 _ > ヽ ノ、 [俺たち]---->[PC]->[ブラウザ]->[LAN]---->[ネット]---->[熊屋]
ゝ'´- 、_ y-、 \
〈  ̄ う /、 ヽ
`ー― ¬、__ノ | > /
| r'^ヽ'´ _/
| `く__ノ´
.
____
/ノ ヽ、_\ r ⌒j
/( ○)}liil{(○)\ / / どこまで分割する気だ!
/ (__人__) \/ / / )
| |i|||||||i| / / / /
\ |ェェェェ| / '` ´ /
r´ (⌒'ー―- イ′ ´廴
/ > 、 ヽ _  ̄ ̄ ̄)
/ -、 } (  ̄¨´
/ ヽ._ __ \
` --‐'´ `゙' 、_.)
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ もちろん無限に分割できる!具体的には
|:::::⌒(__人__)⌒::|
| 「匸匸匚| '"|ィ'「PCの機能」を「PCの機能(ユーザーに近い部分」「PCの機能(遠い部分)」の
, ヘー‐- 、 l | /^''⌒| |
-‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ !‐}__,..ノ || 二つに割っていけば、
''"//ヽー、 ノヽ∧ `ー一'´ / |
//^\ ヾ-、 :| ハ  ̄ / ノ | 分割した結果は「PCの機能」になるからこれもまた分割できる!
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<. / |.
/ <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ \ `丶、 | 最終的には「それが何であるか」も分割されてただの「数」になるな!
\___,/| ! ::::::l、 \ \|
.
____
/_ノ ヽ、\
/( ●) (●).\ そんなに分割してどうするんだお・・・
/ (__人__) u. \
|ni 7 ` ⌒´ . |n
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / . . | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | 分割して「必要に応じてより詳細に定義できるようにする」のと
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 分割した場所から「別のものに交換できるようにする」
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
/7
// さっきネットで熊屋にクマーを注文しようとしたよな?
//
__ // [俺たち]-------->[PC]->[LAN]-------->[ネット]-------->[熊屋]
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l だがこれは、「PCが壊れた時」には使えない。
. | `⌒// ノ
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
/7
// だが、分割されているならその分割してるとこから別のものに切り替えることができる
//
__ // [俺たち]-------->[スマホ]->[wifi]->[LAN]------>[ネット]---->[熊屋]
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l こんな感じでPCからスマホに切り替えて無事注文ができるだろ。
. | `⌒// ノ
l // ./ とは言っても分割できるように
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 個々の部品を作っとかなきゃいけないんだけどな。
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \ 分割できるように個々の部品を作る一番の方法は
i ! | (●)(●) |
r;r‐r/ | | (__人__) | 分割した個々の部品を組み合わせて全体を作ることだ
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ
l` ( ``/ . | } こうやって生まれたのがアラン・ケイのSmalltalk―オブジェクト指向言語だ
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ※オブジェクトの導入はSimulaのほうが早いが目的が違う
.
____
, ヘー‐- 、 /ヽ / \
-‐ノ .ヘー‐-ィ /(●.) (● )ヽ それなら聞いたことあるお!
''"//ヽー、 ノ ./:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ
//^\ ヾ-、.| |r┬-| |
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)\ `ー'´ /
/ <^_,.イ `r‐'゙ ::::ヽー‐-..、 ,..-‐|、
\___,/| ! ::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| \
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・ あれ?Simulaのほうが早い?目的が違う?
. | (__ノl (⌒ (●) |
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) |
(__人__) | Simulaはシミュレーション用の言語、
(`⌒ ´ |
{ | つまり「ものの振る舞い」を記述するための言語なんだよ。
{ /
ヽ く 「もの」をオブジェクトとして、それが何であるかとか
⊂てヽ / ヽ
{三_ ィ `´ /| ィ |それがシミュレーション上でどう動くのかを定義するんだ。
.\__/ | | |
/ ̄ ̄\
/_ノ `⌒ \ Smalltalkは「ものを都合のいい単位で分割したり接続したりする」ための言語だ。
_ .| (● ) (⌒ ) .|
| ! | (__人___) | 「機能(仮想機械)」をオブジェクトとして作り、「メッセージング」を使ってゆるく接続する
| ! | ` ⌒ ´ .|
| ! ,.-,| | このメッセージングってのは文字通り「メッセージ」・・・つまり文字列だ。
._,ノ ┴、/ ,/ .| /
.r `二ヽ ) i ヽ / あるオブジェクトから別のオブジェクトへ文字列を送って、
.| ー、〉 / 〉 <
.| r_,j j / ̄ '' ̄ ⌒ヽ 送られたほうはそれを解釈して機能を実行する。
.| ) ノ/ { ィ, }
ノ ,/ | |{ | 滅茶苦茶柔軟で、ソースコードを自体をメッセージとして送ることもできるぞ。
/7 Smalltalkっぽく考えて図にするとこんな感じかな。
// 現実ではまったく別の言語で実装されてるけど。
//メッセージ ↓ ↓ ↓ ↓
__ // 操作 操作イベント 送信依頼 httpリクエスト
. /ノ ヽ\ .// [俺たち]------>[PC]--------->[ブラウザ]-------->[LAN]-------->[熊屋]
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l 俺たちの操作はキーボードとかマウスを通してPCに伝えられて、
. | `⌒// ノ
l // ./ PCはそれを操作イベントメッセージとしてブラウザに送る。
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ ブラウザはそのメッセージを解釈してブラウザ上の部品を操作する
/ _.、__〉 ト, (この部品の操作は「部品に操作イベントメッセージを送る」ことに分解することもできる)
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.| 操作した結果が注文の確定ならその注文は熊屋へhttpリクエストとして送られるだろう。
____
/⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒)\ なるほどSmalltalk屋が「Smalltalkはむしろメッセージ志向」と言うのはそういうことか。
/ ::⌒(__人__)⌒::: \
| |::::::| ,---、オブジェクト同士がメッセージを送りあうってのは強力なコンセプトなんだお
\ `ー' しE |
/ l、E ノ
/ | |
( 丶- 、 ヽ_/
`ー、_ノ
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(―)(― ) | そう、そしてこのコンセプトは般若心経―仏教的な世界の在り方と近い。
(__人__) |
(`⌒ ´ | 般若心経は特に禅宗で重視されているお経だからもう
.l^l^ln |
.ヽ L ノ 「Smalltalkは禅」と言ってしまっていいだろう。
ゝ ノ ノ
/ / ヽ 問題はむしろ強力すぎて勘違いされることだ
/ / |
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・ 勘違い?
. | (__ノl (⌒ (●) |
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | コンセプトとメカニズムの混同だ。
(__人__) |
(,`⌒ ´ |
{ nl^l^l
{ _l /
ヽ、 (, <
/ ヽ \
/ ヽ \
.、-ー'''''''一- ヽ ヽ
((⌒(⌒(⌒)_⌒) ゝ__丿
/ ̄ ̄\
/ __ノ ヽ
| ( ●) ) ソフトウェアとしてはメッセージングはコンセプトでありメカニズムでもある。
.| (__人)
| rつ そしてメッセージングはコンセプトとしては現実世界にも適用できる。
.| ((三)
ヽ ( < つまり「もの」と「もの」との関わり合いをメッセージとして解釈や説明ができる
ヽ /∧ ∨
∠ /⌒ ∧ ヽ 例えば「クマーを見る」ときは「クマーが俺の目に視覚的メッセージを送っている」と表現できる。
( \ / / ___)
|\ '' /|
| \_/ |
.
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \クマーに反射した光が目に入ってくるんだからメッセージと言えるのはわかる
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
/ ̄ ̄\
/ __ノ ヽ
| ( ●) ) だが現実世界ではメッセージを受け取っても何が起きるかが決まっているわけではない。
.| (__人)
| rつ メッセージを受け取って機能を動かすのはメカニズムであり、コンセプトではないからだ。
.| ((三)
ヽ ( < 現実世界のメカニズムは単なる相互作用だ。
ヽ /∧ ∨
∠ /⌒ ∧ ヽ これまで説明したように、「もの」と「もの」が「なにかする」というだけの話だ。
( \ / / ___)
|\ '' /|
| \_/ |
__
/::::::::::::\
/ __ノ::::ヽ
| (;;;;;;)::::) メッセージを現実世界のメカニズムとして
.| ::(;;;人)
| :::::::::rつ 「現実世界でメッセージを送って機能するとはどういうことか?」と説明して混乱させる人がいる。
.| :::::::((三)
ヽ ::::::::::(::::< 「犬」に「吠えろ」と「メッセージを送る」とはどういうことか?とかな。
ヽ ::::::::::/∧::::∨
∠::::::::::::/⌒ ∧:::ヽ 比喩を使って説明するのはいいんだが
(:::::\ /:::::::/;;;;;;;;;;)
|\::::::::::::/| 「現実世界のメカニズムとは違う」ことの説明が足りなくてな。
|:::::\_/:::::|
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ ネット上でよく見るオブジェクト指向批判はこれか
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) だから、そうならないように先に現実世界のメカニズムを説明したつもりだ。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 逆にオブジェクト指向のメッセージングとは何かの説明が足りないかもしれんな。
| } \
/ヽ } \ 俺の目的はオブジェクト指向「以前」を説明することだから
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/オブジェクト指向の説明はこれ以上しないが。
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
.
____
/ \
/ \
/) ノ ' ヽ、 \ 「オブジェクト指向とはなにか」とかで各自ググって調べてほしいお。
/ .イ(ー) (ー) u |
/,'才.ミ) (__人__) / ネット上の説明は基本的に「オブジェクト指向を使った組み立て方」だから、
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ 今回説明した「ものの分解の仕方」と併せればきっと理解できるはず。
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) ともかくこれで「全てはものである」ことが説明できたと思う。
.| (__人__)_
| `⌒´. ̄ 話の順序から考えて般若心経に戻るべきなんだが――
.| ノ
ヽ .,ノ )/´二⊃
> /"/ '‐、ニ⊃ キンッ
./⌒ヽ l ´ヽ〉〆ヽ
( ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\ / / { /
/ ̄ ̄\ ――今説明しても般若心経の次の行からが理解できない
/ _ノ \
| ( ―)(―) シュポ
.| (__人__) チリチリチリ……
| .,ノ )/´二⊃
人 /"/ '‐、ニ⊃
./ ヽ l ´ヽ〉〆ヽ
( ⌒ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\ / / { /
.
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 次の行からはなんて書いてあるんだお?
ヘ  ̄`、__) |
ヽ |
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;( 舎利子。是諸法空相。不生不滅。不垢不浄。不増不減。
| ( ─)(─ ) ;;;;)
| (__人__) /;;/ 是故空中。無色無受想行識。
. | ノ l;;,´
| ∩ ノ)━・'
/ / _ノ´
(. \ / ./ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
/ ̄ ̄\ .........::::::::::...r‐ ' ノ. シャーリプトラよ。
/ \........::::::::_ ) (_
|::::::: : |.....:::(⊂ニニ⊃) 全てのものには実体がない。実体がないから生まれることも消えることも
.|::::::::::::: |....: ::::`二⊃ノ
|::::::::::::: |..: :::: ((  ̄ 汚れることもそうでなくなることも増えることも減ることもない。
.|::::::::::::::: } [l、
ヽ } /,ィつ 故に空の中には
/ ヽ . ノ .,∠∠Z'_つ
/ ''⌒ヽ ./ .r─-'-っ 色もなく、受も想も行も識も無い。
.| ( / } ./ ):::厂 ´
| / .// .ト /
.
___ クルッ
/ ノ ヽ_\  ̄` 、
/(● ) (● )\ |,ノ 色もなく、受も想も行も識も無い。――って
ビシィッ / (__人__) \  ̄
| し | Y | 今、「色受想行識しかない」って話をしたばかりだお
Vて \ `ー ' /
そ と⌒ヽ `> 〈´
ヽ V´ ヽ
ヽ / 、
/ ̄ ̄ \ (
/ _,.ノ `⌒ ノノ
| ( =)(=)(,ヽ、 (( そうなんだよ。
.| U (___人__) ,r__i____ ノ
| √丶丶丶┬─'" これはいろいろに解釈できるんだが―
| | ) j
.人、 ヽ´ / どんな解釈を持ってきても「わかった気になるだけ」だ。
_,/::ヽ、.,ヽ., __ ( r
_, 、 -― ''"::::::::::::\::::::ー-- く / ⌒ヽニ-、 なぜなら俺たちは「有る」も「無い」も知らないからだ。
/;;;;;;::゙:':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V/....., ̄ v,;,ヽ
丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;( ;;;;:::::::::::... ',;;;;|
i ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;ハ :;;;;;;:::::::::.. ',;;i
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',
- ─- 、 ノノ
/ (,ヽ、 ((
/ _,ノ___ヽr__i____ ノ
/ (√丶丶´v┬─'"
i U | ) j 宗教としての解釈は説明できるが俺はしたくない。
,.ト、 V /
_,/( く、. ( r それは宗教家や宗教研究者のやることであって
_, 、 -― ''":::::::::::\::::ヽ,ヽ., __r /⌒ヽニ‐-、
/;;;;;;::゙:':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V/..... ̄ ',;;;;; 技術屋のやることじゃない。
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( ;;;;::::::::::... ',;;;;|
r ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ハ :;;;;;;::::::::.. ',;;i
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: !;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::!;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;;;;::::::. ',
___
,,.-''"´ ` .、
/ ヽ
./ ',
l l
/ l
〈`ヽ、 |
|ミ=-  ̄ ̄`ヽ /
l ミ=-‐ .′だからその前に語ろう。「有る」を「作った」偉大な男の話を。
l/ ヽ ,'
( __ 人 ) { 「それが何であるか」とはどういうことかを定義した男の話を。
/ // )ニ=''´ ./ .|
ツ二二二/ ./__ ./ | そのためにゲストを用意した
/ / /''"__,ノ ′ .| それはもちろん――
/ / / /,.-''")_ _,,-''´ / ヽ__
,' /'´,,..-''´| / _ \/`ヽ、
_ ´l / ./ | ´ / / \
,,..-''" | .l ./ / イ / / \
――知の巨人、プラトンだ
.
.
/´〉,、 | ̄|rヘ
l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /)
二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
/__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉
'´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
`ー-、__,| ''
______
/ \
/ ::::::::::::::::::\
/ {,.、- - 、 ! ,. - -,、} :::::ヽ、
i ,ヘ二__`_爪_~__二.ヘ i、
/=━▼▲▼ハ ハ▼▲▼━;;;;;;;;;:;:::;;;)
. / / ::::|| ヽ ヽ;;;;;;;;;;::;;;::::;;;/
! / i、_____人_____ノ \ (;;;;;;;;;;;::;;;ノ
ヽ、 ィ--ェェェ (;;;;;;;::::;;;ノ
ヽ、::::::::::: 个┃ /;:.::;ノ / ____
,,,,,イ"""=く i!゙゙、、、 ヽ ・;;;ノ/,,, ;;;ヾ⌒;; ヽ
r" ;) =、、 ,,,,,,:l:,,,,,, ___ ;; j ヽi、:: i、
(;;;;;; i| Y""""" ヽ、 ,,.,/ ,, 、;;;;ヽ
) >>>ヽヾ__ .| ;;;; ::: |!i/ ;; ) ヽ、
ヾ ノiヽ\__( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ--,,(<<<t ノ,, i
ヽ.....ゞ ヽ ヽ;;;;; ,,,___,,, ノ
i、 ;;;; ヽ___ ;;;;;;;;;;_ ___,,/´
i、  ゙゙̄ ̄;;´;;ノヽ、、、ー ;;;;;;;;;/
ゞ____、、、"ソ/ー―′ ヽ、____、、,,,,,,r´
プラトン:やる雄
_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
(
プラトンっていうよりプラトーンって感じの人が来た (
(
(
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ Y
∩⌒ヾ
い )
、 . ノ
| | / ̄ ̄\
| |./ _ノ \
| | ( \) l
| | (⌒ (\)
| | / ̄(__丿 ただし俺たちは技術屋であって哲学者ではない!だから哲学の話ではない!
ト /ー、/
| \ノ 次回!技術屋用イデア論!
| )
| /ヽ
| /三)
ノ 〈  ̄
/ _ ⌒ヽ
/ / | |
/ / | |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U | 勝手に哲学騙るのも失礼だもんな
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|