12.形而上学その3:存在とは何か?
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \
/ ⌒ ⌒ \ )
/ (>) (●)ヽ さて「存在」とは何かですが…
| // 、__',_, // | =3
\ ,/ そうですね、具体例として「今からみんなで食べるカレー」を存在させてみましょう!
⊂ヽ γ ヽ
i !l ノ ノ ! これからカレーを作ります!材料は用意してあります!
⊂cノ´
.
. -─‐- 、
/ \
/ ̄  ̄ ヽ. カレーの基本はチキンカレー!
/ > < ハ,4L_
: (_ , 、 _) ノ / インド人は牛とか豚食べないし
ゝ. `ー' _ < /
>,ー一 "" ,/ お相撲さんは「手をつかない」ってゲン担ぎで
, <´ / /
1 _ イ | 鳥を多く食べるんだお!
 ̄_i ∧
.´ `ー-.
i r‐- -‐、 i
ゝ、_i `ー─一'
.
.(⌒⌒⌒)
| |
| |
/ ̄ ̄\
ノ \_ \
|\ (●)(● ). | 料理といえば俺の出番だろAA的に考えて
| \ (_人__) |./|
.\ \ (`⌒´ / |
.\ \ { / .|
.\ \ { / /
. ̄ ̄\._ヽ / ./
E /\ ./
/ / ヨ/ \/
( ヽノ/ ヽ_)
 ̄ | |
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ \
| ( ●) (●)| うちでカレーといえば鶏・玉ねぎ・トマト缶にカレー粉であっさりにすることが多いな。
| (__人__) |
| ` ⌒´ | インドでも定番のカレーベースだ。
| }
ヽ } だが問題がある。
ヽ ノ
/ \
| |
| | | |
(  ̄ヽ / ̄)
____ (((_| ̄\ ,,―)))‐‐、__
\ \ ̄ ̄ ̄\ | | \ \ \
\ \ \| \| ̄ ̄ ̄|\ \
\ \  ̄ ̄ ̄ \ \
\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/⌒ ⌒ \ ,'⌒i
/ (○ )liiil(○ ) u \ ⊂' ! まさか米が無いとか!?
| (__人__) | | |
\.u |r‐- l / | | やる夫はナンよりもライス派だお!
/ `ー'´ ,- 、  ̄ ̄ |
| (____ノ .ノ ____/
ヽ _つ /
/ `ー─── ' /
ノ (
/ \
/ /´`\. \
/ / `> i
,/ /´ / /
ノ / 丶______`)
(´______/  ̄  ̄´
.
<いや米は有る。炊飯器は5合炊きだから大の男が4人でギリギリだけどな。やる夫が準備してくれ。で、問題だが
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 玉ねぎはあまり炒めないほうが俺は好きなんだよな。飴色とかめんどいし。
. | (__人__).
| ` ⌒´ノ やる夫はどんな玉ねぎをカレーに入れたい?
. | }
. ヽ ノ
_、,,_,,...ii' !;<'-、`;:、 ' '., ,' '、
r'_ ヽ. ||`'- ..,__ ` )\ヽl ', ) ヽ'
. i´ ヽ,,_ ', !! _,,`ニ'---`-',| ', ':, ':., ,
,' '、ヽ;.!'‐''´ | .', ;_,,... -'----、'
. ,' ,iヽ! |, ', _,.-‐'´ .',
/ /-':i . |. ', _,.-'´ |
/ ,'、`ー! |. ', ,-'ニr'‐' ,'
,' .,' ',. ', .| ヽ __,.r' .i.l´ ,:'
. i / ヽ. ', .| `"''―‐'l.i.l.|ヽ', ヽ ,. '
/ く. i'., l ヽ!_ '_ ,.-'-' .,_ _,. ‐'´
. ,'. `:、 i,'、 !'i‐―'''"´ ̄ ´.` `'‐---‐''"
.
.
( ⌒ )
γ⌒ ⌒ヽ
ゝ ノ ポッポー
| l |
____
/ \
/ 一 ノ ゝー ヽ
/ (●) }lil{ (●) ', どうでもいいわそんなん!
__| ノ( (__人__) |
(´ .\ ⌒ | / / やる夫は米炊くのに忙しいから適当に炒めて入れとけ!
``゙''ー、 >ー- `´ --‐ '’
} ヘ
.{ j、 }
} :! `ー' ペシッ!!
/ / ヽ } |l!il|
( / ヽ ! γ `゚´ ヽ て
`ー' `ー' {_米袋jzz, て
) て
ゝ⌒ ヘ/⌒ヽて
n
l^l.| | /)
| U レ'//)
___ ノ /
/ ⌒ ⌒\ rニ |
/ (⌒) (⌒)\ ヽ / インド風にするときは玉ねぎの甘味とか引き出す必要ないですしね。
/ /// ___´___ ///\ / ` /
| `Y⌒y'´ | / さて、ここで問題です。
\. ゙ー ′ ,/ /
/⌒ヽ ー‐ ィ /
/ rー'ゝ /
/,ノヾ ,> イ
| ヽ〆 |
___
/ \
iニーヽ /─ ─ \ 問題?ノリからするとプロブレムじゃなくてクイズかな?
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) u |
⊂ ヽ∩ `ー´ _/
'、_ \ )
\ \ / /|
|\ ヽ / |
____
/ ノ \\
/ (●) (●)\ いえ、ある意味大問題ですよ。
/ u ___'__ \
| `ー'´ | 今からカレーに玉ねぎを入れるわけで、玉ねぎはそこに存在しますが
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
/ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / /
____
/ ノ_ ヽ,, \
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧ 玉ねぎを入れる「カレー」のほうは存在しているでしょうか?
/ ___'__ \
| |r┬| |
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
/ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / /
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
) とんちかよ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ カレーなら今やらない夫が作ってるやつだお
/⌒(__人__)⌒ \
| ) ) u. |
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
.
_,. -―- 、
「 ̄X x X\ ♪
|X ,. X x \ ♪
| / ノ \ \i ヽ
| X | (●)(●) | X } )) まだスパイスを炒める段階だけどな!
| | (__人__) | x /
| x | ` ⌒´ | / どうせ米が炊けるまで食えないんだし
\. | }x./ ノノ
/. ヽ }< ♪ じっくり作るぜ!
_ >‐//ヽ ノ 」
/ i | | i / .| |  ̄ \
r┤ | | | ` ̄ ̄´ l | ヽ
」 l |. | | | | /
. / l | ⊥L _____|_| / i
/ __ .| / Q___ Q | i __|
/ / >‐ ´ ̄ \┐ l l / ̄ \
. / / / 、\ _) |ハ{ _ /
ヽ .| { ‐、 \ \ ) | 〉´ ┐ヽ_/
. | ヽ-ァ‐ ´ ` ー`´o 。 ,ノ-<// /
`ー‐ ´〈 (_) 。 / / ´/ i /
} O ゝ'二´ |'
{ ____ _ __//ヽ二´ /
. _ r<二_____//_>)ー'
| }`┬――-----------―┬'- _)
 ̄`Y T ´ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
、_ _」 ヽ
` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ - '
____
/ \
/ _,ノ ⌒ \ ではやる夫君、この炒めたスパイスはカレーですか?
/ (●) (●) \
| 、 ´ | *1 ご飯にかけて食べられますか?
\  ̄ ̄ / ( ⌒)
/ \
.
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ 炒めたスパイスは炒めたスパイスだわ。
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/ まだカレーではないお。他の料理になるかもしんないし。
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
___
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\ では今作っている料理は「いつ」カレーになるんでしょうか?
/:::::: __´___ ::::::: \.
cー、 | |r┬-/ ' |⌒,一っ カレーにならなければカレーに材料を入れられなくて困ります。
,へ λ \ `ー‐' / 入 へ、
<<</ヽ /\)))
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ めんどくせえ奴だな
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ もう最初からカレーだったでいいお。
/ ヽ
./ l ,/ / i 炒めたスパイスもカレー!
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
n
l^l.| | /)
| U レ'//)
___ ノ /
/ ⌒ ⌒\ rニ |
/ (⌒) (⌒)\ ヽ / そのとおりです!
/ /// ___´___ ///\ / ` /
| `Y⌒y'´ | / いつから存在するかとかいつからカレーであるか考えるのは馬鹿らしいから
\. ゙ー ′ ,/ /
/⌒ヽ ー‐ ィ / いっそのこと作り始める前からカレーとして存在することにしようぜ!
/ rー'ゝ /
/,ノヾ ,> イ アリストテレスはそう主張しました!
| ヽ〆 |
.
, ¨¨¨¨¨
. / | il i \ アリストテレスさんシンプルすぎる!
〃 u i l| | | u
{ (_人_) ! ∨ ゙ じゃなくて作る前からカレーであるは先走りすぎじゃね?!
|ililililil| u !
\ 人ilililil} 予定が変わって別のもの食べることにしたらどうしたんだよ!
ト、__、_ , イ
. 乂__| ト .._ 「
. | 人_ ∨
. | ∨
____
/ \ 予定が変わって寿司になったら単に新しい別の食事にしたということです。
/ \ /\
/ (●) (●) \ そしてこの今作っているカレーは単にまだ完成していないカレーであるということ
| ´ |
\ ⌒ / になりますが、前回の「それは何であるか」の「何」は目的のものであるべき
/ ̄ ̄ヽ \
(「 `rノ \ というのが生きてきます!同じ言葉で同じものを指し続けることができます!
ヽ ノ \
| | 「\ \ 作る前だろうがスパイス入れ忘れようが、カレーを作ってるでずっと通じます!
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 確かに「何」を作っているのかと聞かれて
| (__人__).
| ` ⌒´ノ 炒めたスパイスだとか鳥のトマト煮だとか一々違う答えが返ってきたら
ヽ }
ヽ ノ || 困るわな。
__,/! |`ヽ工{ヽ___. ||
{:::::`ヽ|  ̄ V::::::/.一'||) (⌒ヽ o スパイス入れ忘れたら成り損ねたカレーか。
Y⌒V| _ l|‐r'´ ̄ .|| r‐( )
\ } リ ||⌒ ⌒ヽ
乙ノ| | ┌「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|┐
| |. `| |´
| | | |
|_____| | |
| ,′| ,′ 、_______/
| ′.│./ / r‐――┐ `ヽ
し′. ...し / 」 |____j
____
/ \ 覚えなくていいですが
. / _,ノ ⌒\
l^l^ln (●) (●) \ この、まだ物理的に存在しないカレーを「可能態」と呼びます。
ヽ L 、 ` |
ゝ ノ  ̄ ̄ / 本当に存在しないものには言及すらできないのは前にやった通りですが、
/ / \
/ / \ 少なくとも可能性として存在するとしたことで言及もできます。
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒)) これで物理的に存在しないものも論理的に正しく扱えます。
____
/ \ 哲学的には、プラトン師匠は「イデアこそが実体である」と主張したのに対し
/ ⌒ ⌒ \
/ (ー) (ー) /^ヽ アリストテレスは、「全ての個物が実体である」となり、重要な違いですが……
| __´___ ( / 〉|
\ `ー'´ 〈 / ⌒^ヽ 技術屋にはあんまり関係ないかな?何が実体であるかとかどうでもいいですよね。
―――――――― \ _ _ _ )
気になる人はきっと哲学向いてますよ!
.
____
. '" U `丶、
/ \ \ まぁ実体だろうがそうでなかろうが
/ `¨″ `'ー'" ̄`
{ 三三 三三 } 正しく扱えれば技術屋には十分だお
'. J /
\ u ゙'ー'^'ー'゙ /
`¨7  ̄ ‘,
/ ‘,
_.. ‐'''''''''''' ‐ 、
,r' \ で、カレーはいつからカレーであるか?完成する前からカレーであるという話は
/ ⌒ ヽ,
( ●) `― ..i これだけならちょっと面白い話ですむのですが……
i. ( ●) |
\ _´___ / 人間だったらどうでしょうね?人間はいつから人間でしょうか?
\`ー'´ __/
.
, -―ー- 、
/ノ ヽ、_ ヽ て
'== === 、 そ
' = == l
{ 〈_,ィ、_,ノ } えっいきなり重くね?!
、. レ'_,ノ .. ノ
> <、 それどう答えても怒られるやつじゃね?!
/ ー―- .、 r 、 ヽ、
`ー―- 、_ノ l \ \
,' l ヽ _,ノ
l |
弋 イ
| /ー ―一、 |
し 、_,!
____ いつから人間であるかをまっとうな根拠をもって定義するのは難しいですよ。
/ \
/ _,ノ ⌒ \ 例えば「親の世話で生きていけるほど成長したら人間である」とすると
/ (●) (●) \
| 、 ´ | *2 高度な医学なら助かる命が「まだ人間ではない」ことになってしまいます。
\  ̄ ̄ / ( ⌒)
/ \ なら、生まれる可能性があるときから人間であると割り切ったほうが早い。
____
. '" U `丶、
/ \ \ ひょっとしてキリスト教が中絶を禁止してるのは
/ `¨″ `'ー'" ̄`
{ 三三 三三 }
'. J /
\ u ゙'ー'^'ー'゙ /
`¨7  ̄ ‘,
/ ‘,
.
____
/ \
. / _,ノ ⌒\ キリスト教はもともと教義として中絶も避妊も否定していますよ。
l^l^ln (●) (●) \
ヽ L 、 ` | 教義に正当性を持たせるためにアリストテレスを利用したってだけです。
ゝ ノ  ̄ ̄ /
/ / \ 人間の定義に悩むより助かる命は助ける、という姿勢は素晴らしいですよ。
/ / \
. / / -一'''''''ー-、. 母体を保護するための堕胎は許してほしいですが。
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
___
/ \
/ ⌒ ⌒ \ なおアリストテレス自身は
/ (⌒) (⌒) \
| ___´___ | 障害児は物心つく前に処分するべきだと主張していました。
ヽ、 `ー '´ /
ノ \
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
) だいなしだよ (
) (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
___
/⌒ ー、\ アリストテレスは人権に配慮とかしないし
/( ●) (●)\
/:::::: __´___ ::::::: \. 投票含む政治活動は十分な教育を受けた人のみがやるべきだとか
cー、 | |r┬-/ ' |⌒,一っ
,へ λ \ `ー‐' / 入 へ、 現代の基準でアウトな主張が多くて流石に擁護できません。
<<</ヽ /\)))
人権や国民主権はあるほうがいいですからこれらの問題で
.
アリストテレスを見習うべきではないでしょうね。
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ そりゃ時代が違うんだから要らない主張はスルーでいいわな
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ 研究が進んでアリストテレスの説は山ほど否定されてるわけだし
/ ヽ
./ l ,/ / i 正しい主張ばかりではないか。
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ 誤解されて変な否定のされ方をしている主張も多いですけどね。
/ (ー) (ー) /^ヽ
| __´___ ( / 〉| ダーウィンの進化論とかは別にアリストテレスの主張を否定していないんですが
\ `ー'´ 〈 / ⌒^ヽ
―――――――― \ _ _ _ ) 何故かそういうことになってる。進化論は当然知ってますよね?
.
.
__ _
_,rーく´\ , --、 /⌒ ⌒ \ 創造論信じてる連中じゃあるまいし当然知ってるお!
,-く ヽ.\ ヽ Y´ / /(●) (●) \
{ -! l _」_ノ‐′/ / (__人__) \ 生物は自然淘汰でより環境に適応した種になっていくんだお!
ヽ ゙ー'´ ヽ / | . `Y⌒y'´ |
ゝ、 ノ_ イ \ ゛ー ′ ,/
ヽ | / ー‐ ヽ
___
/ \
iニーヽ /─ ─ \ あれ?アリストテレス的には種は変わらないものだおね?
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) u | めっちゃアリストテレス否定してない?
⊂ ヽ∩ `ー´ _/
'、_ \ )
\ \ / /|
|\ ヽ / |
.
____
/ \
/ ─ ─ \ 進化による形態の変化は、代々持っている眠っていた性質が目覚めた
/ (●) (●) \
| __´ _ | という理屈で説明できるんですよ。
\  ̄ ,/
r、 r、/ ヘ この代々持っている性質―「それはどのようなものであるか」を
ヽヾ 三 |:l1 ヽ
\>ヽ/ |` } | | 「形相(けいそう)」といいます。
ヘ lノ `'ソ | |
/´ / |. | 形而上学では種と同じ「エイドス」という言葉ですが、
\. ィ | |
| | | アリストテレスは「種」と「形相」を明確に使い分けています。
____ アリストテレスの動物学の著作―講義録と思われる「動物誌」では
/ \
/ ― ― \ 手近な人間から始まり昆虫・甲殻類に軟体類・魚類・鳥類・イルカクジラに陸上動物と
/ (一) (一) \
| __´___ | ありとあらゆる種と類、そして種にもいろいろあることが記述されています。
\ `ー'´ /
/ ∩ノ ⊃ / 牛の品種への言及もありますし、自然淘汰は知らなかったでしょうが
( \ / _ノ | |
. \ “ /__| | 品種改良は知っていたかもしれませんね。
\ /___ /
狼が犬になったら、狼が最初から犬の形相を持ってたことにすればいいんです。
.
___
/ \
/⌒ ⌒ \
/(● ) (● ) \ なるほど、種が分かれたら
| ⌒(__人__)⌒ |
\ `⌒ ´ / より細かい「形相」が現れたことにすればいいのか。
/ ⌒ヽ
/ _ / | 大雑把な形相は「類」として保たれるから系統樹との相性もよさそうだお。
'、__ヽ (  ̄ ̄ _/
/ \ / ̄ ̄ヽ .|
| 、 | |
、 \__| | /
\_ | | _ /~´
(__/ (__)
____
/ \
/ ― ― \ あ、動物誌をもし読むときは注意してくださいね。
/ (●) (●) \
| __´___ | 「ウナギは産卵しているところを見たことが無いから泥から生まれることにしておこう」
\ `ー'´ /
/ ∩ノ ⊃ / とか当時の科学レベルでわからなかったことは結構雑に扱ってますし、
( \ / _ノ | |
. \ “ /__| | 伝聞や伝説―ホメロスとかから持ってきた眉唾エピソードもたくさんあります。
\ /___ /
後でアップデートできるように、伝聞にはちゃんと出典が添えられていますが。
.
, -―ー- 、
/ノ ヽ、_ ヽ て
'== === 、 そ
' = == l アリストテレス雑すぎぃ
{ 〈_,ィ、_,ノ }
、. レ'_,ノ .. ノ 教会で絶対視されてたってきいたことあるけど
> <、
/ ー―- .、 r 、 ヽ、 そんなもんを絶対視していいの?
`ー―- 、_ノ l \ \
,' l ヽ _,ノ
l |
弋 イ
| /ー ―一、 |
し 、_,!
____
/ \ アリストテレスの著作で残っているものはほぼ研究ノートと講義録です。
. / ノ ' ヽ\
. / /)(ー) (ー)u\ 「これは難問だ」とか「今後の課題だ」とか普通に書かれていて
| / .イ ' |
. /,'才.ミ). ⊂つ / 実は完成されていないんです。哲学ってのはもとから完成するもんじゃないですけどね。
. | ≧シ' \
/\ ヽ ヽ
.
.
__,冖__ ,、 __冖__ / //
`,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /
ヽ_'_ノ)_ノ `r=_ノ /
__,冖__ ,、 ,へ
`,-. -、'ヽ' く <´ 7_//  ̄ ̄ ̄ \ アリストテレスが誰かが研究を引き継いでくれるはずと
ヽ_'_ノ)_ノ \> / ::ノ::: \::\
n 「 | ( ●)::::::(●\ 信じて送り出した研究ノートが真理の書扱いされてしまった…!
ll || .,ヘ / u ___'___ |
. n. n. n ヽ二ノ__ { |r┬-/ ' | 羞恥プレイですか!教会はダーウィンに謝ったのと
|! |! |! _| ゙っ  ̄フ Lノ ,ノ /
o o o (,・_,゙> /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \ 同じようにアリストテレスにも謝罪するべきですよ!
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | まぁ教会の話は置いておいて、この「形相」というのが形而上学最大のポイントです。
/( ●) (●)\ ! !
/ ::::: __´___ :::::\| l 「それは何であるか」と「それはどのようなものであるか」の関係ですね。
| `ー'´ | /
\ // 結論から言うと、種で形相が決まり、質量(材料)を得て個物が存在します。
/ __ /
(___) / 動物は血と肉でできていて、スカイツリーは主に鉄骨でできているという話ですね。
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 質量は「それは何であるか」に含まれないのかお?
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | 料理は材料が違ったら別の料理だお。
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶 栄養も違うし。
(___/ 1 |
.
/ ̄ ̄ ̄\
/ ノ ヽ \ 質量は物理的に存在する必要がある、つまりある材料を何かに加工します。
/ (●) (●) \
| __´ _ | 一切れの肉で何回もカレーが作れないように
\  ̄ /
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ 別の個物を作るには別の材料が必要だから別扱いなんです。
\ ヽ / \ ヽ /
___
/ \
/ _ ノ ⌒\ あと、目的が達成できれば材質は変更がききますからね。
/ ( ●) (●) \
| 、 ´ | 質量は個物ごとに変えても形相とは関係が無いことにしておけば
ヽ、  ̄ ̄ /
ノ \ 材料が足りなくて何かで代用したときとかも話がややこしくなりません。
.
.
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ 柔軟というべきかなんというか
/⌒(__人__)⌒ \
| ) ) u. | アリストテレスは目的を中心に考えてるのな
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
____
/ \ 迷ったら目的を確認するのがアリストテレス理解の近道です。
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ で、個物によって材質が違ってもいいように、
| ___'___ |
\ `ー'´ ,/ 「それはどのようなものであるか」の一部も個物によって異なっていても構わないです。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 種としての形相+個体差で個物が説明できるということですね。
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. | あ、形相の定義とは整合性を採ってくださいね。
____
/ \
/ _ノ ヽ__ \
/ (● ) (● ) \ ちょっとイメージしにくいお…具体的には?
| (__人__) u |
\ ` ⌒´ /
/ (__`ヽ、 u \
\| `\ \___ノ |
| \___/ |
| {
.
.
___
/ \
/ \ , , /\ たとえば、正三角形はどの角も60度ですが、辺の長さに決まりは有りません。
/ (●) (●) \
| 、__',_, | 正三角形の形相を保ちつつ、個体としては任意の辺の長さでいいということです。
\ , /
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ △ 直角三角形の形相なら、一つの角が直角なら後の角も任意でいいです。
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄ 念のため言っておきますが三角形であることは崩さないでくださいね。
. | |
____
/ \
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒) \ 形相としてよく定義されるのは、ある属性があるかとその値域ですね。
| __´___ |
\ `ー'´ ,/ 四角形なら種類によって辺の長さと角度の属性が違いますし、
/⌒ヽ ィヽ
/ rー'ゝ 〆ヽ 全体として平面に収まる=高さ属性を持ちません。
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ | 「線は幅0の平面であるか?」みたいな話は数学屋に聞いてください!
.
____
/ \
/ \ あー属性は「無」にしないほうがいいというのはここにかかってくるのか
/) ノ ' ヽ、 \
/ .イ(ー) (ー) u | 属性が有ったり無かったりすると基本的な性質が変わっちゃうお
/,'才.ミ) (__人__) /
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
: : : : : : . _ , - '´
` ' ー‐ァ ' ´|
! :|
| :{
l, -― } / ̄ ̄\
/ /´| / ノ \ ヽ 形相の話は詳しくやるととても長くなるからその辺にしとこうぜ
{. / / \ | (●) (●) |
〈 / l l へ | (_人__) | _ , -- 、 カレーができたから食べるぞ!
ヽ| l `ハ !::::::: ! |_--_, - / // ̄`ヽ!
ヽ , -< ヽ`⌒´ 「 /! rt― 、 //¨ヽ`ハ
<、 -ヽイ」ノ| '´c !  ̄, ‐ ┐ } /
\\__// c ̄ t― '└,ニ‐'〕-,_ィ/
Y/ , / //  ̄不ヽ二{.ノ´
/ |,/_/ / ' ´/
| / ̄ / /
/Yc - c / / イ
{r‐rァ‐┐二二二 Y
/ー''ー‐'二二二二ユ
_, -‥ ' ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨ ' ー- 、_
'´ : : : : : : : : `'i
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \
/ ⌒ ⌒ \ ) 丁度いいですね!カレーを食べながら「合成」の話をしましょう!
/ (>) (●)ヽ
| // 、__',_, // | =3
\ ,/
⊂ヽ γ ヽ
i !l ノ ノ !
⊂cノ´
____
/ \
/ ─ ─ \
/( ●) ( ●) \ 合成?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ ー‐ /⌒ ヽ
____/_____/ /_______
(⌒ィXXXX(⌒ /
/XXXXXX/´ フキフキ
 ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/ ─ ─ \ 形相と質量で個物の説明はできますが、個物は個物に分解できますよね?
/ (●) (●) \
| __´___ | このカレーが、汁と鶏肉と玉ねぎとトマトに分解できるように。
\ `ー'´ /
/ ヽ 逆に、複数の個物から一つの個物を作ったり、
/ ア ̄~〉==ニ⊃ ヽ
// `‐‐r´ マ ヽ 複数の個物を組みあわせて一つの個物を作ることを「合成」としました。
/ / マ ヽ
|___/ _ _ _ l } これで複雑な個物も説明できますね!
| , - rイ〕:.:: .: .:.:.r久=、- 、} r=、ァ/
 ̄ ̄〈 く:.:.:....:tァ:.:.::.:..c:.:ヘ _フ し Y  ̄ ̄ ̄
>- 二二二二二 -く._.ノ
i ̄ ̄ ̄)━━━━━━r'⌒ヽ
| i/ ̄ ̄ ̄)━━━━`ー'゙
| '/ ̄ ̄)
\ '' /T'' ____
ヽ ) /⌒ ⌒.\
) / /(●.) (● )ヽ じゃあこのラッキョウも合成してカレーになってるのかお!
/| | /:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ
./ i ノ | |r┬-| |
/ \/ | _, -\ `ー'´ .:::::/
./ |______/'''"" ヾ ー / ̄"''''ヽ
.
.
___
/ノ ヽ\ それは難しいところですね…アリストテレスによれば、合成とは
/( ≡) (≡)\
/:::::: __´___ :::::\ 合成した個物が何らかの機能を持ち、欠如した場合は全体の機能が低下する状態です。
| |r┬ | |
\γ⌒_@-' _/ 自動車のタイヤが欠けると走りに影響が出るのでタイヤは合成の材料ですが
( ^ノ  ̄ ヽ
予備タイヤは無くても影響が出ないので添え物であり、合成の材料に入りません。
.
ラッキョウは食事の材料ではあるけどカレーの材料ではないくらいがちょうどいいかと。
.r-、 _00 /::::'┴'r'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Ln:::r┘|.l _lニユ、 ./
. ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ / /
、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / /
. \\`´ |:::|. l| l 〈::/ 、 ! '/
____ アリストテレスは形而上学で
/ ノ_ ヽ,,\
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧ 「髪の毛は頭の一部ではあるが無くても頭の機能に影響はない。
/ ___'__ \
|. |r┬| | よって、禿は頭髪の欠如ではなく頭髪の不足であり、
\, | | | /
__/" \、 ; `ニニ \ 禿は障碍ではない。」と本当に書いています。
| | / ,r'うi=ョ=ョ=ョ=と) \
| | / _/ ⌒ノ\ ____ ,⊂ノ゙、ヽ どこまでも目的主義なので、合成であるかは?は柔軟に考えていいですよ。
| | | ゙/~ └‐─‐‐とソ ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ モグモグ
/ (●) (●) \ なんかアリストテレスって書かなくていいこともわざわざ書いてるのね。
| 、" ゙)(__人__)" ) ))
\ 。` ⌒゚:j´ ,/ しかも発想がちょっと酷い。
/ ヽ
/ ア ̄~〉==ニ⊃ ヽ
// `‐‐r´ マ ヽ
/ / マ ヽ
|___/ _ _ _ l }
| , - rイ〕:.:: .: .:.:.r久=、- 、} r=、ァ/
 ̄ ̄〈 く:.:.:....:tァ:.:.::.:..c:.:ヘ _フ し Y  ̄ ̄ ̄
>- 二二二二二 -く._.ノ
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(─)(─ ) | アリストテレスのジョークのセンスは基本的にフランクだ。
(__人__) |
|r┬-| | 師匠の師匠であるソクラテスもネタにしてるし
_ n__三'´ |
-(ミ>__[__] ノ 真面目に受け取っちゃいけない部分が混ざってて
i i ヽ ノ
i_|_とー、 ヽ 翻訳大変だったろうな。
ヽ___/) \ / |
ゝ_,,へ \ ノ
―― 、
/ \
' __ ノ ゝ.__ヽ
l ( ー) (ー ) l 食事も終わったところで話も〆に入るか。これで
l (___人___) l
. l `--´ l 「それは何であるか」の「それ」は「個物」であり、「何」は「種」である。
. !.! !( ((
. ' ヽ ( ( ヽ) 種は大きなくくりとしては「類」となる。
ノ ̄´"''‐ 、 `¨´¦ヽノζ
_rく /癶V⌒!=| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 「それはどのようなものであるか」は「形相」であり、
__,、=T下、``ヽ /‐''"_, -ヘ| |
/「 ̄´ ヽヽ \ ヽ/ ´ _,,厶ヘ ∧=、、 個物は種の形相と個体差と「質量」でできている。
|八 \ __/ _,)ヽ___/ ヽ ``=、、
∥ \ ! V´ ̄:::::/ _,ノk>、`T!::::::":::\_ ∥ 形相は「属性」から成っている。が説明できたわけだ。
____
/ \
/ ─ ― ヽ
/ ( ●) ( ●)' 形而上学はまだまだ色々ありますが、
| __´ _ |
\  ̄ ,/ ( ::) 「それは何であるか」とはどのようなことか、はだいたい説明できたかと。
/ ー‐ ヽ ( ::)
/ /^ー r ̄ ̄ ̄i
| i / ノ、___ノ
| l / r‐´  ̄ |
.
___
/ \
/ ⌒ ⌒ \ たったそれだけの話を説明するのに結構かかったお。
/ (ー ) (● ) \
| ⌒ (__人__) ⌒ |
\ γrj¨ ̄ ̄¨i / ズズー
/ j '⌒t_r=、_ノ \
| / /´ `¨´ |
___
/ \
/ ⌒ ⌒\ でもこれでようやく…
/ ( ⌒) (⌒)\
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i
ヽ、 `ー ' /
/ ┌─┐
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ
r ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ
.
___
/ \
/ 一' `ー\ あれ?やる夫たちはなんでこんな話をしてたんだっけ?
/ ( ○) (○)\
i (__人__) i
ヽ、 |r┬-| /
/ `ー'r─┐
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ
r ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ
__
/ ̄〉 |__| 匚l
___ / / 〈 \
_ / `丶、 / / ヽ \
//l 「l_∠ __ /〉 ヽ /_/ \/
. __/ /,ィ´ -‐ 、.__\/ } __ _
/ /____ /| ヽ、\ ) \, / |___  ̄l / /
l |、.__ 〈/ -‐ ト、 ) 、::::j 7  ̄ ./ /
l |、  ̄入 、_`j , r' / / 〈X〉/〉
. ヽ\_〈::::::\__、__ノ (__ノ_ ) \/ 〈/
. \  ̄/\::::::/ l | `)‐'
 ̄ ̄l  ̄ // __/
/ // ヽ {ヘ、
、___/ _/ `ヽ \ ___/ヽ それはもちろん、「それは何であるか」を正しく使うため―
/  ̄ /| `¨\ ̄ ̄ ̄〈_/,、 \
. / / \. (__,. ‐- l、 物事を正しく扱うためだ。
, ' /、.: :`ヽ..,____.. -‐::::::i:‐:..、 ヽ (___,. |ハ
. / l/ ̄ \:::::::::::::> "´  ̄ `ヾ:、Y ‘ー┬r‐' |
/l /: : ` 匸´___/__,..- ` .、___ | /│|__,ノl
. ∧/: : : / }/、 | } ││|__ノ
. | |: : : : { / ) , '"^ト-〈 │ | |__/
. | |\:_:_ ノヽ._/ー一^ ー‐´ │ V l | |、
| |  ̄`ヽ: : i , ,ノ、__,ノ l |/|
| | ∨ ` 〈 _/ | | | l !
. ! | | ∨  ̄ ゙, ,!、__\ | | |
. ││ l |, -- 、 -┴‐' ヽ.  ̄\ !__|__
. | | l l / ` 、 jハ:::::://
! ! | ,' ` ー 、 ___ ∨/l
| l l i /o | |' l|
│ | l/| / / /|_ |、l|
. | | /l:::八 イ / / ヽ|::ヽ
./ ̄ ̄\
_ノ ヽ,_ \
(●)(● ) | 俺たちプログラマ―特に複雑なシステムを開発するプログラマは
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . | 「それは何であるか」を定義するのが仕事だ。
{ . i
/ ヽ ノ ユーザーも誰も「今作ってるシステムは一体全体なんなのか?」を
, ,/. ヾ ー,-- ':;\ ー、
/ / _,,」、'....ィ' '| \、__ 正確に把握してるわけじゃないからな。
. /./ ,. ‐'''"´ !:::. / _」__iヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ノi ノ (、_ ``ヾ! 俺たちが「それは何であるか」を具体化して提示しなければならない。
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._
| ヽl(B ./ ヽ、_
| !,、 ! / ∠,,,
,イ ヾ' ィ 、 / ,,ィ'´
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ ヽ
(≡)(≡) i 特に俺たちJava系のプログラマが用いるオブジェクト指向開発は
(人__) ,∧
|⌒´ /,ハ この形而上学的な分析をベースにしているから
| , '" { ` ̄ ̄`ヽ、.._
ヽ_ / \ ', 人 ゙ヽ、 これを理解することで正しくシステムを開発できるようになる。
|\ , `ヽ. ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
/', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ i } 少なくとも使っている道具の意味だけでも理解しておきたい。
/´'´ ̄7´ `/ / ,' } ,{
/ } 人 ! : ,∧ノ ゙i
{ _,ノ -‐‐-}-- 、 { , '"´、 ∨, }
/!,.ノ`ヽ. { ヽァ-、,/i ヽ∨!
/ , }\ ヽ i r'´ } ,.-‐'" ',.}'
,∠',{ リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、 /|
/ ∨ ,..-‐-、ノ ゙i‐‐-/´ ', / |
八 リ 〉 `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ / |
/,....-、.._ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ
(ー- '"Y ノ \_>―--=、._ ,..-‐'"´ヽ. ',
( ニ二'ノ/ 〉ー---‐'" / ノ ', }
ヽ--'′ / 〉 、"´ /′/ ', }
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ もちろんシステム開発以外、たとえば屁理屈を論破するのにも使える
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi いつから人間であるか?とかは実際に出会う機会もあるかもな。
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ
゙| `i Y リ'´゙Y そんなときは形而上学で殴れば反撃するのは非常に難しい!
! ハ 。 i! 。! !
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. / ただ相手はドン引きするだろうけどな!
', 、.X`、 i `个ィ/
Y ミ ` Y⌒∨ i'
| ヘY ー-<>ー1 |
{ ミ、._ :' __ノ リ
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ!
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ 少なくともやる夫は相手したくないわ
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
,ヘ
/'ノ
/ ,}{
/ゝ,',.⊃ というわけで、ここからはソフトウェア的な話だ。
/ , '/´
/' ,. ' / オブジェクト指向において、
/ :′,.. /
i´ 、},....,/ オブジェクト=個物
{ 'ヽ-' ( ,-‐ノ 、_
.ハ. ,. ゙ヽ. / (●) ヽ i.| // ,、 クラスの型だけ=種
| ` ', } | (_人) / ' 〈ノノ,、
.! ヽ,ヘ.〉 ヽ } r‐- '′ヽ '/ クラスのインタフェース=「それはどのように扱えるものか」
', ,.、 } \' ヽr ‐/  ̄ヽ、 ,. 、 ノ
∨´,.)イ ヽ ノ } } { クラスの定義(フィールド等)=形相
/´ | ゙v,.ノ--- 、 | |
| /! } >‐‐、.ノ', ハ フィールド等=属性、および合成の部分である個物
∨ i、_` ヽ リ 、 ノ-、 }、 . }
} ノー-'、_,`ー-‐'、 ,イ、 ー-'八 ヽ ,! 質量=メモリおよび書き込まれているデータ
.| ,' ヾヽ 、 `ヽ..ィ `¨''、'ノ 人 ヽ__,,.゙-‐'
{,ハ ヘ. /`゙r<ノ),/  ̄ ̄ 合成=オブジェクトを組み合わせて新しいオブジェクトを作ること
/ ヽ `¨ メ-、_,.ィ /′
,ノ゙ヽー''' } ー、6 r"/
/ ', { ノ ` ィ' ,/ となる。なお、メソッドは特に対応するものが無い。
/ ;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;| そして、今まで説明しなかった「存在そのもの」がある。
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l
| (__人__) ;;;;;;;;il これは形相も質量も含まない、「それは何であるか」に関わらない存在だ
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、 アリストテレスはこれを第一実体と呼んだが、
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、 現実にこれを説明するのは難しい。
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ, だが、ソフトウェア的にはこれは「メモリのアドレス」
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ 型もない生のポインタの先だ。理解する必要はない。
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ 俺もこれ以上の説明はできないからな。
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
.
(ヽ三/) ))
,___ ( i)))
/ \ \
/ ⌒ ⌒ \ ) なお、「それは何であるか」の中心である形相を第二実体と呼んでいます。
/ (>) (●)ヽ
| // 、__',_, // | =3 第一実体≒形相と質量なんですが、メモリアドレスはポインタとしても扱えるし
\ ,/
⊂ヽ γ ヽ そこに格納されているオブジェクトとしても扱えるということで似た性質です。
i !l ノ ノ !
⊂cノ´ 分かるように説明していないので覚えなくていいですけどね!
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) | そして、オブジェクトを作るという行為は、
. | (__人__) │
| `⌒ ´ | 質量としてメモリ領域を確保し、形相として最低限のデータを構築することだ。
. | |
. ヽ / _ _ ,...,___ そして第一実体つまり参照を返す。
ヽ /_,. ハ `/ '´ `丶、
/,...ヽ.._ / ノ/, ′ iヽ 一度作ったオブジェクトはこの参照でアクセスできるわけだ。
/ ヽ ‐、 / '/// ! ',
,.イ l \ /__ i ,' i
/ !| ., ' ´ ,={ / 亅 なお、このときクラス定義を「設計図として使ってもよい」
,. -'ァ‐==ニ_‐-v′ ^ヘ / ,′
/ /- ._ 〃, ', _,.イ /
/ ハ` ミ {/ 〉 ´ i !イ{
i ,イ` _,,.t' / 亅 ノ ! ',
! ,厶ヘ ヘ. ,′ .' / |
v' / ヽ -_込._ { ' , j
/ 丨 \__,,.. ァ'´ { `¨¨¬ / / /
,′ ! ', ヘ._,. 个、___,,. }__ー‐'´ v' /
{ ', ハ ノ ,、,.-‐'´ ) V//
∨ ,ハ. / ,{ ヽ-‐'/ / {/
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・
. | ( ●) ⌒) | 設計図としてもよい?クラスはオブジェクトの設計図そのものではないのかお?
. | (__ノ ̄ /
. | /
\_ _ノ\
/´ |
. | / |
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } クラスはソフトウェア的でないものにも使える概念だ。
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 こいつは「それは何であるか」の合意でしかないからな。
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、 例えばユーザもシステムに含まれるならクラスとして定義できる
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム だが、それはオブジェクトを作れることを意味しない。
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/ 人間を作れるわけではないからな。
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′ 機械は作れるしシステムの一部として表現もできるが。
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' /
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
__ | ( ●)(● ) | クラスをもとにしてオブジェクトを作るのは、
/`:、  ̄`i | (__人__) │
,/ヽ. ,マ | | `⌒ ´ | 「それは何であるか」をもとにして作ったものは
/ r一^ー‐' | |、
. . ' | .ヽ / 〉ー 、 「何」として扱うことができる、と保証できるからだ。
. ,′ j , -‐ 、 ノ ヽ // \
/ ,z< ヽ,,ィ¬ー―'´ ` ー--一'' ´ \ ただ便利だからそうしているに過ぎない。
j / ー-、 ノ / ` ー-、 l ノ -一 ´ ̄ `ヽ \
{ ヽ '´ `' `ソ /¨´ ,ィ´ ' , ヽ. ついでにデータ構造の構築とかもできるし便利だ。
`ー― 、 { / { i ヘ
`''< ミヽ 人 / ヘ 人 ∧
 ̄ ̄ ̄´`ヽ' ヽ ,イ ,,ノlヽ フ´ `i´ ',
ヽ  ̄ `ー一 ' 勿`ー一イ i ',
\ソ j ` ー'´ ̄ ヘ {.._ i .i
ヽ ト、 ヽ _,,...z-一'" `ヽ l .|
Yヘ >;-一'"´ >一' ソ |
l } ∧二、 ヽ ` ̄ ̄ 」
| キ ヘ三ヘ __}ァー……┬-、 __ノ
|人 `¨''´ |  ̄
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } そしてオブジェクト指向においてよく問題になる「継承」だが―
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 やる夫、継承の本質とは何だろうか?
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' /
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
.
____
/ \
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \ えーと、継承の本質はインタフェースだってネットでよく見るけど…
| / .イ '(ー) (ー) u|
. /,'才.ミ). (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
/ ヽ
,) / ′
{: ′u ij 〃 | ,/ /
:} ! !|! ゛ し :| ( {
ヽ 〈 __」}{≦ニニル | } ) :} そんなわけがあるか!
{: ( {`フ´ ゙゙ヾ." u ト ( {
) } ‘{ } / :{ ヾ≧; , _ 継承の本質は「何かを引き継ぐことだ!」
( し >-r个ーr┐' {: } ∨///>
-==<∧}T_T_T_j! / ト , `゛f'´ 技術屋にとっては「正しく扱うこと」が重要だから
/ 〃 〃/,| =- // |/∧
,/ / ジ ∨/,{ イ / |///〉 「インタフェースの継承が最も重要だ」なら使ってもいいがな!
{ / 人ミヾ≧=≦Ⅵ __ ′J
{ ij / ー=≧ミ彡" _,.ムミ、
. 〉 / し `ヽ/ - ―…  ̄゛ マミ≧、
/ :{ {! ij マ≦=-
.
____
/ \
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \ そこは細かいのね
| / .イ '=・= =・= u|
/,'才.ミ) (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
_. -‐--‐=≠‐、‐ 、....__
/' ヽ ハ/ ̄ `ヽ  ̄¨¨ ‐ .
{/ } L._ ノ`i ノ ヽi`ヽ、 `ヽ.
/ : ゙ハ ! (● (● ,.ゝ、_....=- ' ! そこはきちんとやらないとな。
{ :. ノリ ハ (__人_)」 `r' /,'
}. `Y´`< .ゝ、 ⌒/ ヘ. ; _.ノ/ で、種=型の継承がもっともプリミティブで、
{ i /´ ; \<`ァァ' i. / /
ヘゝ-=ゝ、i ヽ./´ ;Y__ .. イ 型を継承することで変数として同じように扱える。
! ´ ハ Y /´}
i ,リ} 。 キ /` リ インタフェースを継承すればオブジェクトとして同じように扱える。
', ヘ. / ゚∧ /
', ` ヽ`=--≠ゝ、.ィ、 / クラスを継承すればメソッドやフィールドも同じようになって
ヘ xヘ.ヽ__ .......;,.....ノ.∨
∨ヽ. ゙{ !. ;ィ'! 上書きしていない部分は同じように振舞うだろう、ということだ。
| \Y `¨¨`: i'¨´i,ハ
{ ` キ ‐--'c--'i }
Xミ:.、. ヘ. / メ. 型とインタフェースの区別をすることは滅多にないがな!
i .' ` ーミミ‐-==-‐≠.ヽ.
! ; ヘ ヘ. `Y :._\
゙! / ヽ. ハ. リ 、 ` ヽ.
/ ̄`ヽ、
/_ノ ヽ、_ ヽ
|(●)(●) | あと誤解が多いのは合成と集合の違いだな。一年位前か?
| (__人__) |
| `⌒´ | 「合成は合成した全体と部分のライフサイクルが同じである」
_,, -‐'' | ∧`丶ー-、
/ {ヽ、__ノ 〉 \ という分かってるんだかわかってないんだか良くわからない
,, -イィ_ ノ ! ∧ ∧ i \ ソ`ヽ、
/ 〉` \ヽ)ー、 ( ) -‐‐― >⌒ ン 丶 英語の記事が出回った。
/ /! ノノ )  ̄ヽソ´ ̄ ハ 〈 i
∧ / /,'´/ 彡 >`ヽ \ } l }
/,ヘ i / ∠三彡´ 〉-- 、ヽ ヘ 《ゝ ノ\
i,' 入__,=、∠イく ー==三个ミミ >ヘ //ノく ヽ
/ / λ } ∧ 十 /ノ / 厂`´ , ∧
i ハ、 / 人_へ、__,ノ个<、__彡八 _ , )ミ i
{ ⌒ =ミ⌒_ン | ', /〃 ∧、 ,ラ > i
! > < `〈 ! l イ ' |ン , 、_, }
! \ ヽ \ i / / / 〈
\ 、_ ∧ 八 _ ノ ノ 彡´´ ノ ノ
\ `゛丶 ヘ、 /,-、γ'Z´`ヽ、-‐‐''´ ̄ /
`ー-、_ ヽ、`く⌒ヽ>)<ヽ、_ ゝ ____,, -‐''
`ヽ__ _,- 'ハ` ,-‐''´ ∧
/ `ゝ、__ノ 人 ̄フ i
i / Y i
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・ どっか間違えてるのかお?
. | (__ノl (⌒ (●) |
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
___
/ ヽ、_ \ 現実世界で部分と全体のライフサイクルが同じなのは
/(● ) (● ) \
/::: __´__ :::::: \ 物理的に重なっているからです。
| l^l^lnー'´ |
\ヽ L / カレーを食べたら具の鶏もなくなるとかそういう話で。
ゝ ノ
/ /
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ', ライフサイクルを同じにする意図が無いならそんなことをする意味が無い。
ヽ ノ `フノ-‐ュ',
〈゙y'´ ´ '´,≠-, ソフトウェア的なオブジェクトは参照を使って合成されてるんだからな!
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶. 構造体みたいに全体と部分のメモリが物理的に重なっていれば
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、 ライフサイクルは同じになるが…
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ', 属性がソフト的には個物だが現実ではそうでないように
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / } 違いがちょくちょくあるんだがわかってない人が多い。
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' / ひょっとしたら西洋人でもあまり解ってない人がいるかもな
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / /
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
./ ̄ ̄\
_ノ ヽ,_ \
(●)(● ) | まっこんな感じで、色々誤解されているというか
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . | 教える側が説明を端折ってるところが形而上学で
{ . i
/ ヽ ノ 正しく説明できる。
, ,/. ヾ ー,-- ':;\ ー、
/ / _,,」、'....ィ' '| \、_ しかも形而上学は教会により西洋中で論理の元祖とされた。
. /./ ,. ‐'''"´ !:::. / _」__iヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ノi ノ (、_ ``ヾ! 形而上学的に正しいことは通じやすい。
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_ 形而上学を学んで正しく開発しようぜというわけだ。
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._
| ヽl(B ./ ヽ、_
| !,、 ! / ∠,,,
,イ ヾ' ィ 、 / ,,ィ'´
/ ̄ ̄\
/ ヽ、__ .\
(⌒)(⌒ ) | これでこのスレはおしまい。
(__人___) |
l`⌒ ´ | あと話したいことはアリストテレスのエピソードくらいだが
| |
| 、 _,.ーへ 面白いかわからんし今でなくてもいいだろう
_. -: ::::ヽ__「 v、___
__,. <::::::::::::::∧:::二〈 、 ∨:::::\
/:::::::ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_〉、 -ー、:::::∧
/::::::::::::::ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー/ ::::::::>:、::ハ
〈::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::::::::v::、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Λ::::::::::::::::::::::::ヽ|
.
_ _ ___
/ ) ) )/ \ /\
{ ⊂)(●) (●) \ 正直、わかったようなわからなかったような…!
| / ///(__人__)/// \
! ! `Y⌒y'´ | でも必要になる時までに理解すればいいおね!
| l ゙ー ′ ,/
| ヽ ー‐ ィ
| / |
| 〆ヽ/
| ヾ_ノ
/ ̄ ̄ \
/_,ノ `⌒ \
-、 | (● ). (● ) | 俺たちは技術屋だからな。
ヤ ', | .(___人___) |
i. l ,.-、 | ` ⌒ ´ | 技術を仕入れて、必要に応じて取り出して使えばいい。
', j / / .| |
ノ_..ヽ-、′,' ', ,/'|、 気楽なもんだ。
.l .___ ヽノ __ .j '.、__ , ___ ィ/::L_
Y )ハ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::/:::::::...`' ー- 、 _
ト.  ̄ ̄ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\
ハヽ 一ニイ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
/...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ;;;;;::::::::::::::〉
.
___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒)\ でも気が向いたら哲学やるのも悪くないですよ!
/ /// __´__ /// \
| |r┬ | | もやもやしてたのが理解できたらなんか清々しい気分になります!
\ ゙ー' ,/
/⌒ヽ ィヽ 新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーに!
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ アリストテレスは解説書が少ないがプラトンは沢山あるし
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 近代哲学に比べりゃ思想としてわかりやすい。
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト 役には立たんだろうが。
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
.
___
/ \
/ ノ ヽ\ アリストテレスの解説書本当に少ないんですよねぇ…
/ ( ー) (ー)\
| | | ___´___| | | プラトン師匠に比べて人間的魅力に欠けるからしょうがないんですが。
、 | | `ー '´| |/
ノ | | | |\
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒
/⌒ト、/ (> )(●) 役に立つかは人それぞれだが
r-='´ ヽ (___人__)
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ せめて楽しんでくれたことを祈る!
} ⌒´ `V |>ー- 、
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::|
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
._
\ヽ, ,、
`''|/ノ
.|
_ |
\`ヽ、|
\, V
`L,,_
|ヽ、) ,、
/ ヽYノ
/ r''ヽ、.|
| `ー-ヽ|ヮ
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ヽ、 |
ヽ ノ
イ´ `ヽ
/ /  ̄ ̄ ̄ \
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\ `ー'´ /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
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> ヽ. ハ | ||
-|-ヽ -|―、レ |
d⌒) /| _ノ _ノ